Data Translation の追加機能と改善点
Alias 2026 Update 1 ではデータ変換が更新され、新しい読み込み形式と書き出し形式が追加されました。
新しい既定のデータ トランスレータ
Alias 2026 で従来のトランスレータの代わりに導入された新しいデータ トランスレータは、CATIA 5、CATIA 4、NX、および SolidWorks のデータ変換の既定のオプションとして設定されるようになりました。
この機会に、新しいデータ トランスレータに慣れておくことを強くお勧めします。新しいデータ トランスレータで発生した問題については、フィードバック フォーラムにレポートしてください。

マルチバイト文字のサポート
ファイル名やフォルダ名などのマルチバイト文字のサポートを追加しました。この機能強化により、中国語、日本語、韓国語、アラビア語、ポーランド語などの言語で使用されるほとんどの文字とフォントを含むファイル名とフォルダ名を使用できるようになります。この更新により、Alias はより広範囲の文字セットを処理できるようになり、各国のファイル システムとの互換性が向上しました。詳細については、「さまざまな機能強化」を参照してください。
新しい読み込み形式と書き出し形式
次の新しい読み込み形式と書き出し形式のサポートが追加されました。
- CATIA V5 6R2025 の読み込み(New Data Translator および旧バージョン)および書き出し(旧バージョンのみ)に対応
- Granite 18 (読み込みと書き出し用)
- NX 2412 シリーズは、New Data Translator と Legacy の両方のトランスレータを使用した読み込みに対応
- NX 2506 シリーズは、New Data Translator を使用した読み込みのみに対応
- Creo Parametric バージョン 12.0 (読み込み用)
詳細については、「Alias でサポートされているファイル フォーマット」を参照してください。
JT トランスレータの更新
JT の書き出しトランスレータが Alias の従来のトランスレータから Autodesk Translator Format (ATF)バージョンのトランスレータに変更されました。これにより、次を含むいくつかのオプションが変更されています。
- Polygon および Polygon + BRep オプションは、Tessellated Data Only、BRep Only、および Tessellated and BRep Data に置き換えられました。
- JT BRep 定義は新しい XT BRep 定義に置き換えられました。BRep データを作成する書き出しオプションを選択すると、XT BRep 定義のみが使用されるようになりました。JT ファイル バージョン 10.3 以降では、XT BRep が JT ファイル内に BRep を格納するためのサポート対象定義となっています。
- 新しい Divide MultiKnots および Divide Periodic オプションが追加され、マルチノットを持つサーフェスや周期サーフェスの書き出し方法を制御できるようになりました。これらのオプションは、既定ではどちらもオフになっています。
- 新しい Use Tighter Edge Curve Tolerance オプションにより、エッジ精度が向上し、連続性を維持しながらサーフェス間のギャップが減少します。既定では、このオプションはオフになっています。
- 新しい Allow Leaf Nodes to Be Collapsed オプションにより、出力される JT ファイル内で個々のサーフェスのノードを選択可能なサブノードとして含めるかどうかを選択できます。既定では、このオプションはオフになっています。
- また、新しい Repair Option が追加され、JT の書き出し前に Alias ジオメトリを修復するかどうかを選択できるようになりました。既定では、このオプションはオフになっています。
- 新しい Export Instances オプションが追加されました。
- 新しい Export Textures オプションが追加され、書き出しファイルに割り当てられたテクスチャを含めるかどうかを選択できるようになりました。このオプションをオフにすると、JT の書き出し時にテクスチャが変換されるのを防ぎ、Diffuse チャンネルにテクスチャがない場合は、216 種類の標準カラーの中から最も近い色がトランスレータによって選択されます。
- Scale Factor および Stitch Surfaces オプションは使用できなくなりました。
- JT の読み込みでは、Merge Vertices オプションは既定でオフになっています。
注: 従来のトランスレータに戻す必要がある場合は、次の環境変数を設定してください: ATF_JT_EXPORT_ATF=false または ATF_JT_EXPORT_ATF=0
詳細については、以下を参照してください。
Import Subdiv の改善点
File > Import > Subiv を使用してサブディビジョン ジオメトリを読み込むと、Alias は .obj ファイル内の非多様体ジオメトリの問題の解決を試みるようになりました。これは、Blender や、厳密なトポロジ ルールを適用しないアプリケーションで作成されたモデルを読み込む場合に特に便利です。Alias で非多様体ジオメトリ、特にオーバーラップしているフェース(単層フェース)を削除する必要がある場合は、プロンプトラインに無効なジオメトリが削除されたことを示すメッセージが表示されます。
この更新により、読み込まれたサブディビジョン ジオメトリがよりクリーンで使いやすくなり、読み込み後に手動でクリーンアップする必要性が減ります。以前のバージョンの Alias で失敗した .obj ファイルの読み込みを試すことができるようになりました。
NX 書き出しの更新
NX に書き出す前に Alias ジオメトリを修復するかどうかを選択できる Repair Option が追加されました。旧バージョンの Alias では、ジオメトリは常に書き出す前に修復されていました。現在は、書き出し中に適用されるジオメトリ修正の程度を示す Repair Level 1、Level 2、または Level 3 から選択できます。None に設定すると、書き出し中のすべての修復処理がオフになります。このオプションを使用すると、ジオメトリを NX の .prt フォーマットに書き出しおよび再読み込みする際に CV の整合性が保持され、ジオメトリの正確なラウンド トリップが保証されます。このオプションは既定でレベル 2 に設定されており、1e-7 メートルの修復許容値が適用されます。これは品質とパフォーマンスのバランスが良く、多くのシナリオで最も実用的な選択肢となります。

OBJ の読み込みおよび書き出しオプションの更新
サブディビジョン オブジェクトの読み込み(File > Import > Subdiv)または書き出し(File > Export > Active as Subdiv)時に、新しい Target Units オプションを使用して、読み込まれるまたは書き出されるジオメトリの作業単位を指定できるようになりました。このオプションを使用すると、Alias と他のアプリケーション間でサブディビジョン データを転送する際に、出力ジオメトリに対する手動スケーリング調整の必要性を減らすことができます。

その他のデータ変換に関する更新と改善
- ファイルの読み込みまたは書き出し時にファイル ブラウザ ウィンドウで Cancel を選択した場合、読み込みおよび書き出しオプション ウィンドウは閉じずに開いたままになり、すぐにウィンドウへ戻って追加の選択ができるようになりました。以前のバージョンの Alias では、ファイル ブラウザ ウィンドウで Cancel を選択すると、読み込みおよび書き出しオプション ウィンドウが閉じてしまい、File メニューから再度開く必要がありました。
- STEP 読み込み: Alias は、.step ファイルから注釈を直接 .wire ファイルに読み込むことをサポートするようになりました。この機能は常にオンです。注釈を Alias に取り込むためにオンにする必要のある読み込みオプションはありません。