モデリングの改善点

Alias 2026.1 Update では、新しい Curve Trim ツールが導入され、コンストラクション ヒストリや複数のトリム タイプに対応し、カーブ編集のワークフローが強化されました。Soft Proportional Modification ツールが元に戻す、ヒストリ、新しい Volumetric Proportionality メソッドをサポートし、溶接を行わずに複数オブジェクトの変形が可能になりました。また、マニピュレータや選択操作も改善されています。追加のモデリング機能の強化として、合理化されたトリム ステージ編集、カーブ フィレット ヒストリのサポート、ドラッグ アンド ドロップによるリファレンスの読み込み、History View のフィルタリング、Accelerated Surface、Pick Chain、Profile Blend、Symmetric Modeling などのツール更新が含まれます。

新しい Curve & COS Trim ツール

新しい Curve & COS Trim ツールを使用すると、カーブおよびサーフェス上のカーブをインタラクティブにトリムおよび分割でき、コンストラクション ヒストリによる容易な更新が可能です。また、カーブを投影してトリム オブジェクトとして使用することもでき、Trim Surface ツールと同様に動作します。

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2 つのトリム タイプから選択できます。

既定では Keep Originals が有効になっており、トリム領域をすばやく更新できます。ツール終了後、入力カーブを非表示、テンプレート、または表示に設定するには、Display Original オプションを使用します。

Project Curve をオンにすると、投影カーブをトリム オブジェクトとして使用できます。このツールは他の Project を含む Alias ツールと同じベクトル オプションを提供します。

カーブをトリムまたは分割する場合は、次の操作を実行できます。

Soft Proportional Modification ツールの機能強化

操作性と機能性を向上させるために、Soft Proportional Modification ツールにいくつかの改善を加えました。

新しい Volumetric Proportionality メソッド

新しい Volumetric Proportionality メソッドで、ハルに接続された近接に依存するのではなく、ワールド空間の距離に基づいてパッシブ CV の減衰ウェイトが計算されるようになりました。つまり、サブディビジョン サーフェス、NURBS サーフェス、カーブなど、あるオブジェクトのアクティブ CV から、別のオブジェクトのパッシブ CV の変換を制御できるようになりました。

つまり、モデルが複数のオブジェクトで構成されている場合、オブジェクトを結合する必要がなく、Soft Proportional Modification ツールを使ってオブジェクトをまとめて整形および修正できます。

コンストラクション ヒストリと元に戻すのサポート

コンストラクション ヒストリ

Soft Proportional Modification ツールの作業中に、コンストラクション ヒストリを作成できるようになりました。Create History は既定でオンになっています。History Visualizer または History View 内でツール ノードを選択すると、Alias は SoftMod ラベルを表示し、選択した CV に Soft Proportional Modification ツールのヒストリがあることを示します。同じオブジェクトに影響するその他のヒストリ コマンドも、それぞれのラベルを表示します。

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Soft Proportional Modification ツールは、すでに別のヒストリ コマンドによって制御されている CV もチェックします。選択された CV がすでに別のヒストリ コマンドによって制御されている場合、その CV 上にこのアイコン: UI イメージ が表示され、他の変換操作でアクティブまたはパッシブ CV として使用されるのを防ぎます。これにより、CV は常に 1 つのヒストリ コマンドのみによって制御されることが保証されます。

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これは、サブディビジョン オブジェクトまたは NURBS サーフェスを扱う際に特に重要です。一部のサブディビジョン モデリング ツールでは、Subdiv Align to Curve、Subdiv Align to Surface、および Subdiv Modify Crease など、マルチターゲット ヒストリをサポートしています。マルチターゲット ヒストリを使用すると、1 つのオブジェクトに複数のヒストリ入力を持たせることができます。たとえば、Soft Proportional Modification ツールは、Subdiv Align to Curve ツールと同じヒストリ入力を持つことができます。ただし、同じ CV を同時に複数のヒストリ コマンドで使用することはできません。

詳細については、「マルチ ターゲット ヒストリ」を参照してください。

元に戻す/やり直し

Soft Proportional Modification ツールが、元に戻す機能をサポートするようになりました。現在では、Edit メニューのオプションを使用するか、Ctrl + Z のショートカット キーを使って、変換操作の元に戻すおよびやり直しができるようになりました。

注: Undo のサポートにより、ビューポート内の Reset Xform オプションは不要となったため、削除されました。

選択機能の機能強化

マニピュレータの改善点

XYZ モードでは、変換方向を示す色付きの軸線が表示されます(X 軸は赤、Y 軸は緑、Z 軸は青)。CV を操作すると、変位値と方向がリアルタイムで表示されるラベルも表示されます。これにより、CV を移動する際に、より正確な調整が可能になります。

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X、Y、Z モードの改善点

X、Y、Z モードを使用する際、ツールは平面ウィンドウやカメラ設定を Alias の移動ツールと同様に反映するようになりました。たとえば、正投影ビューまたは Perspective with Ortho Faces がオンになっているパース ビューでは、マウス操作の既定動作は次のようになります。

非平面のパース ビューで作業している場合、マウス操作は既定で XYZ モードになります。

また、Soft Proportional Modification ツールは、コンストラクション プレーンでツールを使用する際に、設定されたボタン マッピングの動作に従うようになりました。

既定のマッピングは、モデリングの基本設定(Modeling General Preferences)マウス ボタンのマッピング(Mouse Button Mapping)セクションで変更できます。

Move 値の直接入力

また、X、Y、Z モードを使用する際に、プロンプト ラインで Move 値を直接入力できるようになりました。X、Y、Z モード中にプロンプト ラインへ値を入力し、Enter を押すと、選択したアクティブ CV が指定した軸方向にその値の分だけ移動します。負の値を入力して、反対方向に移動することもできます。

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プロンプトラインに Move 値を入力する際は、次の点に注意してください。

Edit Trim Stages の改善点

新しい機能強化により、サーフェスから特定のトリム領域を削除するプロセスが簡略化されました。Edit Trim Stages がオンの場合、編集するトリム エッジを選択すると、それを作成したトリム ステージに直接移動するようになりました。たとえば、旧バージョンの Alias では、削除するカーブオンサーフェスを見つけるために各トリム ステージをクリックし、Ctrl + 左マウス ボタンを押して削除する必要がありました。編集するトリム エッジ上で Ctrl + 左マウス ボタンを押すだけで、ツールは削除対象として選択したカーブオンサーフェスがあるトリム ステージに直接ジャンプするようになりました。この改善により、複雑なトリム サーフェスを操作する際の手順が減り、全体的な操作性が向上します。

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Curve Fillet ツールの改善点

Keep Originals が Trim Type オプションに追加されました。これにより、元の入力カーブを変更し、操作によって生成されたカーブ フィレットおよびトリム カーブを使用してジオメトリを作成することができます。コンストラクション ヒストリを使用すると、元のカーブを調整し、影響を受けるすべてのジオメトリをそれに応じて更新することができます。また、Keep Originals をオンにすると、元の入力をレイヤに配置でき、それを非表示にすることができます。

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カーブ トリミングの改善により、Curve & COS Trim ツールと同じトリミング機能が使用されるようになりました。

Surface Fillet の更新

キャンバス内マニピュレータを使用して、サーフェス フィレットの開始点と終了点を延長できるようになりました。Start Flow Control と End Flow Control が Default に設定され、Modify Range がオンの場合、Start および End のマニピュレータが使用可能になります。フィレットの開始点と終了点を制御する必要がある場合にこのオプションを使用します。たとえば、Extend など他のオプションによってフィレットが意図した領域まで届かない場合に特に便利です。

Round ツールの追加機能

共通する面の反対側にフィレットがある 2 つのインシデント エッジがコーナーに接し、接線方向で交わる場合のために、新しいFade Out コーナー ブレンドが追加されました。ツールはフィレットをブレンドする 2 つのサーフェスを作成するようになりました。1 つのサーフェスはインシデント フィレットの一部であり、エッジに沿ってフェードするようにトリミングされています。もう 1 つのサーフェスは 4 辺のサーフェスで、残りのスペースを埋めます。

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Fade Out には 2 つのタイプを選択できます。

Curve & COS Offset の追加

Flow Control マニピュレータの追加

新しいキャンバス内マニピュレータを使用して、開いている COS 終端の延長をビューポートで直接コントロールできるようになりました。これらのマニピュレータは、入力 COS が 1 つしか存在しない場合に表示され、COS StartCOS End の両方で DefaultAutoExtend を切り替えることができます。

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これらのマニピュレータは単一の COS をオフセットするときに使用でき、COS の開始と終了の動作、既定の動作を維持するかどうか、自動的に調整するかどうか、次のサーフェスまで延長するかどうかを定義できます。

以前の Extend オプションは、混乱を避けるため Restore Connection に名前が変更されました。

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Flip Offset オプションの追加

新しい Flip Offset オプションを使用すると、制御点を手動で調整することなく、オフセットの方向をすばやく反転できます。

Reference Manager の改善点

History Visualizer と History View の機能強化

メニューの整列や UI 更新など、History VisualizerHistory View にいくつかの機能強化が加えられ、両ツール間でユーザ エクスペリエンスの一貫性が向上しました。

メニューの整列

History Visualizer メニューと History View メニューが整列され、一貫性と操作性が向上しました。これには、 [設定][その他] 、および右クリック メニューが含まれます。

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警告アイコンの更新

History Visualizer 内の警告アイコンが更新され、赤ではなくオレンジで表示されるようになりました。このアイコンは History View にも表示されるようになりました。これにより、Reference Manager など Alias 内で使用されている他の警告アイコンと統一されます。

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History View UI の更新

History View ウィンドウに、AllPickedBy Layer のフィルタを追加しました。これらのオプションを使用すると、選択内容に応じてビューをすばやくフィルタリングできます。これにより、History View と History Visualizer のユーザ エクスペリエンスがより一貫したものになりました。

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Picked フィルタを選択すると、旧バージョンで Settings メニューから Active を選択した場合と同じ動作になります。History View に新しく追加された By Layer では、選択した特定のレイヤ上のノードを対象とするコマンドをフィルタリングして表示できます。また、History View の Settings メニューに新しい Sort by Creation オプションが追加され、ヒストリ項目を作成順にグループ化できるようになりました。このオプションは、既定ではオンに設定されています。

これらの更新に加えて、次のメニュー オプション名が変更されています。

また、以下の追加更新を行いました。

その他のモデリングの改善点