概要 - カスタム ハッチング パターンとハッチング パターン定義

ニーズに合わせて使用または変更できるように、製品と一緒に標準的なハッチング パターンのライブラリが提供されています。ユーザ独自のカスタム ハッチング パターンを作成することもできます。

製品に付属している標準ハッチング パターンは、2 つの異なるライブラリ ファイルに格納されています。それらのファイルの名前は、インストールした製品によって異なります。

ハッチング パターンの定義

ハッチング パターンは、拡張子 .pat の 1 つまたは複数の定義ファイルに定義されます。これらのハッチング パターンは、そのまま使用することも、修正することもできます。ユーザ独自のカスタム ハッチング パターンを作成することもできます。

定義が格納されている場所に関係なく、ハッチング パターンの構造は同じです。ハッチング パターン定義にはヘッダ行があります。ヘッダ行は、アスタリスクで始まり 31 文字以内の名前を定義します。パターンの説明を記入することもできます。

*pattern-name, description

パターン定義には、次の書式の 1 つまたは複数の記述子行もあります。

angle, x-origin,y-origin, delta-x,delta-y,dash-1,dash-2, …

たとえば、標準ハッチング パターン ANSI31 は次のとおりです。

そして、次のように定義されています。

*ANSI31, ANSI Iron, Brick, Stone masonry
45, 0,0, 0,.125

最初の行のパターン名 *ANSI31 の後に説明 ANSI Iron, Brick, Stone masonry が続いています。この単純なパターン定義は、45 度の角度で描かれる 1 本の線を指定し、ハッチング線分ファミリの最初の線が作図原点(0,0)を通ることと、ファミリのハッチング線分の間隔を 0.125 作図単位にすることを指定しています。

ハッチング パターン定義には次の規則が適用されます。

注: PAT ファイル内の最後のハッチング パターン定義の後に、空白行が必要です。最後のハッチング パターン定義の後に空白行が存在しない場合、ハッチング パターン ファイルを使用するときに、最後のハッチング パターン定義にアクセスできなくなります。カスタム ハッチング パターンの使用に影響を及ぼす可能性があるその他の条件については、「FAQ: カスタム ハッチング パターン(PAT)ファイルを使用できません。なぜですか?」を参照してください。

ハッチング処理とは、パターン定義された各線を、無限の平行線ファミリに拡張することです。選択したすべてのオブジェクトは、これらの線のいずれかと交差するかどうか確認されます。交差する場合は、ハッチング スタイルの指定に従ってハッチング線分がオンまたはオフになります。各ハッチング線分ファミリは、絶対原点を持つ最初の線から平行移動することで生成されるため、隣接する領域のハッチングは、確実に正しく位置合わせされます。

密度の高いハッチング パターンの表示

非常に密度の高いハッチング パターンを作成すると、プログラムによってハッチングが拒否され、ハッチングの尺度が小さすぎるかダッシュの長さが短すぎることを示すメッセージが表示されることがあります。AutoCAD 2008 以降の AutoCAD ベース製品では、システム変数 HPMAXLINES を 0 ~ 10000000 (1000 万)の整数に設定することによってハッチング線分の最大数を変更してください。

AutoCAD 2007 以前の AutoCAD ベース製品では、プログラムによって描画されるハッチング線分の最大数の変更には、環境変数 MaxHatch が必要です。
  • AutoCAD LT では、SETENV[環境変数設定]コマンドを使用して、有効な数値を入力します。
  • LT 以外の製品では、AutoLISP 式 (setenv "MaxHatch" "n") を使用します(n は有効な数値)。
注: どちらの場合でも、MaxHatch の値を変更する場合は、大文字と小文字を区別して MaxHatch と入力する必要があります。