数値を入力できる場合はいつでも、計算式を使用することができます。
たとえば、[寸法編集]ダイアログ、フィーチャのダイアログ、[パラメータ]ダイアログで計算式を使用できます。計算式を使用して、フィーチャのサイズの計算、アセンブリ拘束のオフセットや角度の計算、複数のコンポーネント間のモーションのシミュレーションを実行することができます。
計算式は、単純なものから、代数演算子、接頭辞、関数を含むものまであります。たとえば、以下は単純な計算式です。
2 ul *(6+3)
次の複雑な計算式では、pi などの内部パラメータが使用されています。
(PI rad/5 ul +(25 deg *PI rad)/180 deg))
編集ボックスでサポートされる関数の一覧については、「関数、接頭辞、代数演算子」を参照してください。
編集ボックスでは、既定のドキュメントのプロパティで指定されている単位が使用されます。編集ボックスで単位を指定しない場合、項や係数には既定の単位が割り当てられます。代数式の演算順序と既定の単位の値に従って、式が評価されます。
指数は式だけでなく単位にも適用されます。たとえば、次のいずれかを入力します。
2 + 3^3
編集ボックスでは、単位が指定されていないすべての項に既定の単位が割り当てられます。異なる単位同士を加算できないという理由で結果はエラーになります。2 mm + (3 mm)^3ul は 2 mm + 27 mm^3 として評価されます。単位があいまいであるため、式はエラーを示す赤で表示されます。
2 + 3^3
単位を記入し、単位なしの数値を指定して、2 mm + ((3 ul) ^ 3 ul ) * 1 mm のような式にすると正しく評価されます。
式に単位を割り当てることはできません。次のような例は入力できません。
(-2.00 + 3^3) m^2
単位は、式で使用されている算術演算子よりも前に評価されます。このため、累乗演算子はまず単位に適用されてから、隣接する数値に適用されます。たとえば、次のいずれかを入力します。
2m^2
この場合は、4 平方メートルではなく、2 平方メートルと評価されます。正しい構文は、次のとおりです。
(2m)^2 = 4m^2
式では、各数値に単位を割り当てます。次の式は、既定の単位を想定して評価されるため、エラーになります。
(2 + 1 * (3^2))
"ul" を使用して単位なしの値を示し、2mm + 1mm * (3ul^2ul) とします。
角度を入力するときには、既定の単位は度です。ラジアンを入力するには、次の構文を使用します。
(-0.25 deg * 3.1415 rad/1 deg) + (2ul * 3.1415 ul ) * 1 rad
サポートされる単位のタイプと省略形の一覧を確認するには、[パラメータ]ダイアログに数値パラメータを追加して名前を入力し、[単位]列をクリックします。
パターン内のオカレンスの数を解く計算式など、単位がない値が返る計算式もあります。単位がない値には、ul という文字を指定します。たとえば、5 ul は、計算式が評価されて 5 が返り、この数値はパターン内のオカレンスの数のような数値であることを意味します。
isolate(Width;mm;ul)
ダイアログの[オカレンス数]の値には単位なし(ul)の結果が要求されますが、ここで参照している単位 width は線形値です。Width パラメータを単位なしの値に変換します。
計算式で単位の接頭辞を使用する場合、接頭辞自体ではなく、接頭辞の記号を入力します。たとえば、"ナノメートル" という単位を含む計算式は、3.5 ul * 2.6 nm のように記述します。
次に示すのは、Inventor でサポートされている予約済みシステム パラメータです。
_Value_3.14159265358979323846264338328
値 2.71828182845904523536