充填のパーセンタイル値解析の結果

パーセンタイルとは、ランク付けされたデータを 100 のクラス間隔に分割する 0~100 の数字のセットです。それぞれのクラス間隔には、観察結果の 1/100 が格納されます。

特定のパーセンタイル、たとえば 5 パーセンタイルとは、観測結果内の下位 5% と、それより上の観測結果、すなわち残りの 95% を分割するポイントです。したがって、X パーセンタイルの場合、観察結果の少なくとも X% がこの値を下回ります。

パーセンタイル結果は、充填解析の解析ログで参照できます。

たとえば、[成形品の充填過程の結果サマリー]には、次のように表示されます。

この結果の使用方法: 95 および 5 パーセンタイル

変数の最大値と最小値はよく定義されています。ただし、モールディング ウィンドウの開発や結果の比較には、95 および 5 パーセンタイル値の方が役立ちます。95 および 5 パーセンタイル値は、変数値の順序の中で体積で重み付けした相対的な位置です。つまり、成形品またはランナーの体積の 95% が、95 パーセンタイル値を下回る変数値を持っています。同様に、成形品またはランナーの体積の 5% のみが、5 パーセンタイル値を下回る値を持っています。

95 および 5 パーセンタイル値は、成形品またはランナーの大部分における変数の全体的な変動の範囲を表します。絶対最大値および最小値は、場合によっては誤解を招くことがあります。たとえば、均一で比較的厚肉の成形品に、小さく薄肉のリブがいくつかあると、充填過程の終了時に最低温度がきわめて低くなります。5 パーセンタイル値を使用することで、リブ上の温度が低い領域を除外できます。これにより、成形品の温度の下限がより現実的な値となります。同様に、95 パーセンタイル値を使用することで、ゲート領域付近でのみ発生する過度のせん断発熱の影響を除外し、成形品の温度に対して、より適切な上限を設定できます。95 および 5 パーセンタイル値では、考慮している特定の変数の変動をより適切に把握できるため、設計上の考慮事項を評価するときや、異なる設計の結果を比較するときに、これらの値を使用します。