ライフサイクル定義の管理

ライフサイクル定義は、オブジェクトが設計プロセスのどの段階にあるかに基づいて、セキュリティ、動作、およびプロパティを Vault のオブジェクトに自動的に割り当てるよう設定できるエンジンです。この機能を使用すると、ファイルのグループ、カスタム オブジェクト、またはプロジェクト全体の管理に伴うオーバーヘッドが解消され、作業環境を合理化できます。

ライフサイクル定義では、ライフサイクルにおけるオブジェクトの状態を使用してステータスを特定します。ステータスの例として、作業中、レビュー用、リリース済などがあります。オブジェクトは、ライフサイクル定義の変更ルールに基づいて特定のステータスから別のステータスに移行します。ステータス変更が手動または自動(またはその両方)で発生する可能性がある場合は、これらの変更ルールで、管理者が定義した条件に基づいてステータス変更が発生するタイミングを決定します。また、ライフサイクル定義では、ステータス変更に基づいて他の自動動作が発生するかを決定します。

たとえば、作業中ステータスからレビュー ステータスに移行するときに、ファイルのリビジョンを自動的に行うようライフサイクル定義を設定することができます。あるいは、ユーザがフォルダのステータスを廃番に変更する場合、管理者以外はフォルダやコンテンツを修正または復元できないようライフサイクル定義でフォルダにセキュリティ設定を自動的に適用することができます。

注: これらの作業を実行するには、管理者のアクセス権が必要です。

ライフサイクルは、ファイル、プロジェクト フォルダ、およびカスタム オブジェクトで使用することができます。

リリース別の機能対応状況

ライフサイクル機能は、Autodesk Vault の特定のエディションで使用できます。ご使用のエディションがこの機能に対応しているかどうかについては、次の表を参照してください。

  2012 2013 2014
Autodesk Vault Basic    
Autodesk Vault Workgroup
Autodesk Vault Collaboration
Autodesk Vault Professional

製品の使用開始時にすぐに利用できるライフサイクル定義が付属しています。これらのライフサイクル定義を使用すると、管理者は Vault コンテンツに定義を割り当てる際に定義を作成する必要がなくなります。

ライフサイクル定義

説明

基本リリース プロセス

リリース管理のための基本製造ライフサイクル プロセス。この定義は、ほとんどの製造プロジェクト関連のコンテンツで使用できます。

柔軟なリリース プロセス

リリース管理のための柔軟な製造ライフサイクル プロセス。この定義は、リリース データを編集する場合のクイック変更ステータスに加えて、すべての基本リリース処理のステータスを含めることができます。

リードタイムの長いリリース処理

リードタイムの長い製造プロジェクトに最適です。この定義には、プレリリース ステータスが含まれます。プレリリース ステータスとは、プロジェクト データは製造工程に送信済みだが、ステータスはまだ変更中であることを示します。

変更管理によるリードタイムの長いリリース処理

変更管理によって指示された、リードタイムの長い製造プロジェクトに最適です。この定義には、作業中ステータス、レビュー ステータス、およびプレリリース ステータスがあります。プレリリース ステータスは、ファイルは製造工程に送信済みだが、ステータスはまだ変更中であることを示します。ファイルの変更管理がこれ以上ない場合は、リリース済みステータスに移行します。そこから、ファイルはクイック変更でプレリリース ステータスに戻ることができます。

<なし>

この定義では、すべてのカテゴリで NULL 定義を割り当てられます。NULL 定義が割り当てられると、ライフサイクル定義を適用せずに、カテゴリの動作のみが保持されます。

単純なリリース プロセス

さまざまなプロジェクト データのタイプに対応する一般的なライフサイクル プロセス。この定義には、[作業中]ステータスおよび[リリース済]ステータスがあります。

ライフサイクル定義は、[Vault 設定]ダイアログ ボックスの[動作]タブで指定します。

新しいライフサイクル定義を作成する

[ライフサイクル定義]ダイアログ ボックスでは、ユーザ独自のライフサイクル定義を作成および設定できます。

  1. [ツール] [管理] [Vault 設定]をクリックします。
  2. [Vault 設定]ダイアログ ボックスで、[動作]タブ [ライフサイクル]をクリックします。
  3. [新規作成]をクリックし、[ライフサイクル定義 - 新しい定義]ダイアログ ボックスを開きます。
  4. 新しいライフサイクル定義の名前を[定義名]フィールドに入力します。
  5. [カテゴリ]一覧から、ライフサイクル定義を割り当てるカテゴリを選択します。ライフサイクル定義は複数のカテゴリやエンティティ タイプ(ファイル、フォルダ、カスタム オブジェクト)に割り当てることができるため、カテゴリ フィールドはエンティティ タイプ別に分類されています。
  6. [説明]フィールドに、新しいライフサイクル定義の説明を入力します。

新しいライフサイクル ステータスを作成する

ライフサイクル定義をコピーする

既存のライフサイクル定義から別の定義を作成するには、[コピー]コマンドを使用します。

  1. [ツール] [管理] [Vault 設定]をクリックします。
  2. [Vault 設定]ダイアログ ボックスで、[動作]タブ [ライフサイクル]をクリックします。
  3. コピーするライフサイクル定義を選択します。
  4. [コピー]をクリックし、[ライフサイクル定義 - コピー]ダイアログ ボックスを開きます。コピー元の定義と同じ値が設定されたライフサイクル定義のコピーが生成されます。
  5. [定義名]フィールドに、コピーされたライフサイクル定義の名前を入力します。
  6. [カテゴリ]一覧から、ライフサイクル定義を割り当てるカテゴリを選択します。
  7. 必要に応じて、[説明]フィールドにライフサイクル定義の新しい説明を入力します。 

ライフサイクル定義を編集する

[ライフサイクル定義]ダイアログ ボックスでは、ライフサイクルの名前と説明を編集できます。

[ライフサイクル定義]ダイアログ ボックスを表示する

  1. [ツール] [管理] [Vault 設定]をクリックします。
  2. [Vault 設定]ダイアログ ボックスで、[動作]タブ [ライフサイクル]をクリックします。

フィルタを使用してライフサイクル定義を検索する

ライフサイクル定義名を編集する

  1. [ライフサイクル定義]ダイアログ ボックスで、定義を選択し、[編集]をクリックします。選択した定義名がタイトル バーに表示されます。
  2. [定義名]フィールドに新しい名前を入力し、[OK]をクリックします。

ライフサイクル定義の説明を編集する

  1. [ライフサイクル定義]ダイアログ ボックスで、定義を選択し、[編集]をクリックします。選択した定義名がタイトル バーに表示されます。
  2. [説明]ボックス内の文字を選択し、修正後の説明を入力して置き換えます。
  3. [OK]をクリックします。前の説明が修正後の説明に置き換えられます。

カテゴリの割り当てを編集する

  1. [ライフサイクル定義]ダイアログ ボックスで、定義を選択し、[編集]をクリックします。選択した定義名がタイトル バーに表示されます。
  2. [カテゴリ]一覧から、ライフサイクル定義を割り当てるカテゴリを選択します。

    ライフサイクルは、ファイル、フォルダ、およびカスタム オブジェクトを対象に使用します。ライフサイクルは複数のエンティティ タイプに割り当てることができます。

  3. [OK]をクリックし、新しいカテゴリの割り当てを保存します。

ライフサイクル ステータスを編集する

  1. [ライフサイクルの詳細]ボックスで、次の作業のいずれかを実行します。
    • [ライフサイクル ステータス]グリッドに新しいライフサイクル ステータスを挿入するには、[追加]をクリックします。新しいステータスの名前と説明を入力します。
      注: 必要なステータス変更は自動的に追加されます。
    • ライフサイクル定義からステータスを削除するには、[削除]をクリックします。
      注: 既定のステータスは削除できません。
      どのリビジョンの先頭バージョンでも使用されていないライフサイクル ステータスは削除されます。
    • 既存のステータスを選択し、[一般]タブでステータスの新しい名前と説明を入力します。
  2. ライフサイクル定義に最初に追加されたステータスが自動的に既定に設定されます。別のステータスを既定に設定するには、対象のステータスを選択し、[既定を設定]をクリックします。
  3. 変更を保存してダイアログ ボックスを閉じるには、[OK]をクリックします。

ライフサイクル定義を削除する

ライフサイクル定義は、その定義に関連付けられているライフサイクル ステータスが、どのリビジョンの先頭バージョンでも使用されていない場合にのみ削除できます。

フィルタを使用してライフサイクル定義を検索する

ライフサイクル定義を削除する

  1. [ライフサイクル定義]ダイアログ ボックスで、定義を選択し、[削除]をクリックします。警告ダイアログが開き、ライフサイクル定義が割り当てられているカテゴリが一覧で表示されます。
  2. [はい]をクリックして続行します。ライフサイクル定義を完全に削除するかどうかを確認するプロンプトが表示されます。[はい]をクリックします。

    影響を受けたカテゴリ グリッドのコピーを表示するには、[印刷プレビュー]をクリックします。情報を印刷するか、保存するかを選択します。

ライフサイクルをカテゴリに割り当てる

ファイル、フォルダ、またはカスタム オブジェクトのライフサイクルは、割り当てられるカテゴリによって決定します。[カテゴリを設定]ダイアログ ボックスでカテゴリを選択すると、[動作]グループの[ライフサイクル]タブに、割り当てられているライフサイクルが一覧で表示されます。

  1. [ツール] [管理] [Vault 設定]をクリックします。
  2. [Vault 設定]ダイアログ ボックスで、[動作]タブ [カテゴリ]の順に選択します。
  3. [カテゴリを設定]ダイアログ ボックスで、[カテゴリ名]一覧からカテゴリを選択します。次に、[ライフサイクル]タブ [割り当て]をクリックします。
  4. [カテゴリを割り当て]ダイアログ ボックスで、次のいずれかを実行します。
    • ライフサイクル定義をカテゴリに追加します。これを行うには、左側の[すべてのライフサイクル定義]一覧からライフサイクル定義を選択し、[追加]をクリックします。
    • ライフサイクル定義をカテゴリから削除します。これを行うには、[割り当てられたライフサイクル定義]一覧からライフサイクル定義を選択し、[削除]をクリックします。
  5. [OK]をクリックすると、[カテゴリを設定]ダイアログ ボックスが表示されます。

注: <なし> 以外のライフサイクル定義が 1 つだけカテゴリに割り当てられている場合は、それが既定の定義になります。このライフサイクル定義は、新しいライフサイクル定義が既定として割り当てられるまで、カテゴリから削除できません。