超弾性材料の理論

ゴムなどの超弾性材料の応力とひずみの非線形特性は複雑です。利用可能なさまざまなグレードの材料は挙動が大きく異なります。Fusion での非線形シミュレーションの場合、超弾性材料は、2 定数の標準的な Mooney-Rivlin 材料モデルを使用して表されます。材料係数は、カーブ フィットで実験的に取得した応力とひずみの生データから得られます。このデータは、次のような引張/圧縮テストの例を含む、さまざまなテストに基づいている場合があります。

これらのテストの説明と生成される生データはこのトピックの範囲外です。材料テストはプロセスに特化したラボで実行し、カーブ フィットは Fusion 以外で実行する必要があります。(このプログラムには、生データを受け入れてカーブ フィット関数を実行するための機能が組み込まれていません。)生データを取得したら、必要なカーブ フィット関数を実行するためにさまざまなプログラムを使用できます。HyperFit はそのようなプログラムの 1 つで、無償のデモ版(一部機能)とライセンス版があります。カーブと結果として得られる材料定数を生成するには、フル ライセンスが必要です。

Mooney-Rivlin 超弾性材料モデル

Fusion で超弾性材料をモデリングするには、2 定数の標準的な Mooney-Rivlin 材料モデルを使用します。ほぼ非圧縮性の定式化が使用されるため、体積条件がひずみエネルギー関数に追加されます。せん断ひずみと体積変形の影響は分けられます。

一般的な Mooney-Rivlin ひずみエネルギー関数

ひずみエネルギー、せん断ひずみ、体積変形の関係は、次の一般的な関数で表されます(2 定数で高次の場合に適用)。

Mooney-Rivlin ひずみエネルギー関数

引数の意味:

2 定数 Mooney-Rivlin 式の簡略化

現在、Fusion は非線形解析で超弾性材料の熱効果をサポートしていません。そのため、熱膨張の条件(AV、T、T0)を削除し、Fusion が受け入れる定数(A01、A10、D1)の合計を計算すると、前述の関数を簡略化できます。簡略化されたひずみエネルギーの式は次のようになります。

簡略化された 2 定数 Mooney-Rivlin 式

引数の意味:

つまり、2D1 = K です。したがって、D1 = K/2 です

注: 2 つのねじれ係数(A01 と A10)および体積変形定数(D1)は、マテリアル ライブラリで超弾性材料を作成する場合に定義する値です。これらは、原材料テスト データをカーブ フィット処理して外部的に取得する必要のある値です。一部の出版物では、A01 および A10 の各定数はそれぞれ C01 および C10 と呼ばれています。