超弾性材料を定義する

このトピックでは、シミュレーション スタディで使用する超弾性材料を追加する手順について説明します。次のような非線形シミュレーションの場合、超弾性材料を使用することができます。

  1. 物理マテリアルのアイコン ([シミュレーション]作業スペース > [設定]タブ > [材料]パネル > [物理マテリアルを管理])をクリックして、[マテリアル ブラウザ]を開きます。

  2. 超弾性材料の最初のテンプレートとして使用する既存の材料を、通常は Fusion マテリアル ライブラリの[プラスティック]ブランチから選択します。行の右端に表示される お気に入りへの材料の追加と編集のアイコン 矢印と鉛筆のアイコンをクリックして、[お気に入り]ライブラリに材料を追加し、プロパティを編集用に表示します。

  3. 拡張されたダイアログ ボックスの右側の[識別]タブで、次のプロパティを定義します。

    • 新しい材料に適した[説明]を入力します。
    • [超弾性]オプションは使用できないため、[タイプ]プルダウン リストから[一般]を選択します。
    • 必要に応じて、このタブで指定する他のプロパティ([コメント]、[製造元]など)を定義します。
  4. 必要に応じて、[外観]タブで、変更したいプロパティ([カラー]、[反射率]、[透明度]など)があれば変更します。

  5. [物理情報]タブをクリックします。

    初期状態では[基本プロパティ]が表示されます。非線形シミュレーション内の超弾性材料に関連があるのは[密度]値のみです。ただし、線形シミュレーションの中でも超弾性材料を使用するにはその他の基本プロパティが必要になります。後者の場合、材料の挙動は本当の超弾性材料のようにはなりませんが、材料は線形等方性の挙動を使用して表現されます。

  6. 基本的な材料プロパティ(ヤング率、ポアソン比、密度、熱膨張係数、比熱など)を定義します。必要に応じて、[熱特性]、[機械]、**[強度]**の設定グループを展開して各種の入力フィールドにアクセスします。

  7. [詳細プロパティ]チェックボックスをオンにします。

  8. [詳細プロパティ]ボタンをクリックします。このとき、再度チェックボックスをクリックしないように注意してください。クリックすると[詳細プロパティ]が無効になってしまいます。Mooney-Rivlin 定数の入力フィールドが表示されます。

  9. 次の 3 つの定数を定義します。

    1. [A01]: 材料の「せん断変形」に関連する 2 つのひずみ定数の 1 つ目です。

    2. [A10]: 材料の「せん断変形」に関連する 2 つのひずみ定数の 2 つ目です。

    3. [D1]: 材料の「体積変形」に関連する定数です。

      [D1]フィールドでは次の 2 つの入力のいずれかが可能です。

      • 材料試験から得られた実際の D1 の値を指定します。

      • 非圧縮性の挙動を近似する場合は、比較的高い任意の D1 値を指定します。(A01 + A10) x 103 より大きい D1 値を入力しないことをお勧めします。

      • 重要*: 各種の試験研究室や出版物で公開されている Mooney-Rivlin のデータは多少異なります。必ず、Fusion の実装と矛盾しない定数を指定してください。Mooney-Rivlin の式および A01、A10、D1 の定数の定義については、「超弾性材料の理論」を参照してください。

        必ず、材料試験、フィットカーブ、Fusion の入力の間で一貫した単位を使用するか、単位系間で正しく変換してください。既定の材料単位は、[基本設定]ダイアログ ボックスの[単位と値の表示]グループにある[マテリアル単位の表示]ドロップダウン メニューを使用して指定します。または、入力フィールドで数字の後に、サポートされている代わりの単位(psi、GPa、MPa、ダインなど)を入力して、既定の単位をオーバーライドすることもできます。定数を代わりの単位で入力すると、すぐに既定の材料単位に変換されます。

  10. [適用]をクリックして、新しい材料のプロパティを保存します。

  11. 必要に応じて、次の 2 つの手順のいずれかを実行します。

    • [超弾性]カテゴリを[お気に入り]ライブラリ内に作成した場合は、新しい材料をクリックして[超弾性]グループにドラッグします。カテゴリは、ダイアログ ボックスの左側のツリーで[お気に入り]の見出しのすぐ下に表示されます。

      注: 材料は引き続き[お気に入り]ライブラリの最上位に表示されますが、[カテゴリ]フィールドでは[超弾性]として識別されます。超弾性材料のみを表示するようにフィルタするには、ツリーでそのカテゴリを選択します。このフィルタ方法は他に定義したどのカテゴリにも適用され、カテゴリを整理することができます。
    • 超弾性材料用に独自のユーザ ライブラリを作成した場合は、[お気に入り]ライブラリに表示されている材料の中から材料名を右クリックします。右クリック メニューから([追加] > [超弾性材料])を選択します(表示されるライブラリが提示されるライブラリ名と異なる場合は、実際の名前を置き換えてください)。

超弾性材料の定義を作成したら、任意の材料タイプの場合と同じ方法でシミュレーションに適用します。