一般的なシャドウイメージの問題

ここでは、シーンのライティングとシャドウマップに関する問題について説明します。

シャドウキャスティングから生成された影

問題: シャドウキャスティングから生成された影の境界がギザギザになる。

シャドウマップの解像度が低い。

以下の方法を試してください。

Spot Light がライティングする領域を覆うように、広がり（Spread）を狭めます。これによって、シャドウマップの精度が向上します。このときイメージに縞状の乱れが生じるようであれば、問題となる影のライトの Control ウィンドウを開き、Self Shadow Correction セクションの Min Depth の値を大きくします。
最後の手段として、シャドウマップの解像度を高くします。ただし、大きなシャドウマップは大量のメモリを使用することに注意してください。

問題: オブジェクトが非常に薄い場合に、ライトフォグの影が正しく表示されない、またはアニメーションでライトフォグシャドウがシフトする。

Spot Light の Fog samples の値を大きくします。

問題: レイトレーシングで生成されるソフトシャドウでノイズが生じる。

以下の方法を試してください。

「Render > Multi-lister」の Use Shadow Map を参照してください。

Spot Light の Use Shadow Map をオンに切り替え、レイキャスティングシャドウが使用できるようにします。
「Render > Multi-lister」の Shadow Samples を参照してください。
Shadow Samples の値を大きくします。

問題: レイキャスティング時に暗いモアレパターンが生じる。または、レイキャスティングの際にサーフェスに映る影が適切でない。

レンダラが、誤ってシャドウマップの背後にサーフェスがあると判断したためです。

以下の方法を試してください。

投影している Spot Light の場合は、 Min Depth（Self Shadow Correction セクション）を小さな正の数、たとえば 0.01（Alias のグリッド単位）に設定します。これにより、レンダラが影を計算しているとき、一時的にサーフェスが（Min Depth の値に応じて）移動します。このとき、Min Depth が小さすぎれば、サーフェスはシャドウマップの背後に留まったままとなります。逆に Min Depth が大きすぎれば、本来影の陰に隠れて見えないはずのサーフェスがシャドウマップの前面に表示されます。影が正しく表示されるまで、テストレンダリングと Min Depth の調整を繰り返します。
「Render > Create Lights > Spot」の Min Depth を参照してください。
Min Depth を調整する代わりに、Blend Offset を調整しても同じような結果が得られます。このパラメータは、シャドウマップサンプルにもとづいてサーフェス上の注視点の移動量を加減するものです。
「Render > Create Lights > Spot」の Blend Offset を参照してください。

問題: モーションブラーをかけた移動オブジェクトの影が不適切である。

影のモーションブラー処理が行われていません。レンダラは、カメラのシャッタが中間地点にあるときにオブジェクトのシャドウマップを計算します。オブジェクトが移動するときに、自分のシャドウマップの背後に入り込むことがあります。

以下の方法を試してください。

Render > Editors > Render Stats の Shadows を参照してください。

投影する Spot Light の光がオブジェクトの独立した 1 つのサーフェスに当たっているときは、そのサーフェスの Shadows をオフにします（Render Stats を使用）。
「シェルフシャドウを修正する」を参照してください。
投影する Spot Light の場合は、Min Depth か Blend Offset（Self Shadow Correction セクション）の値を大きくします。