式の数式および計算式のリファレンス

パラメータおよび寸法編集ボックスでは、次の演算子がサポートされています。これらを使用して必要な式を作成します。

代数演算子

Autodesk Inventor では、次の代数演算子をサポートしています。

+

加算

-

減算

%

浮動小数点モジュロ演算

*

乗算

/

除算

^

累乗

(

括弧

)

括弧

;

複数の引数を指定する関数用のデリミタ

注: 浮動小数点と混同される恐れがあるため、カンマは使用しません。
 

欧州諸国で使用される 10 進数の桁区切り文字(「.」か「,」)

演算子の順序

編集ボックスでは、代数式の演算順序に従って演算を行います。下表に、優先順位の高いものから順に示します。

操作

記号

括弧

( )

(sin(15 deg))

累乗

^

幅^2

否定 (単項減算)

-

(-2.00 + 長さ)

乗算または除算

* または /

sin(pi/4 rad) または (0.5 * 底辺 * 高さ)

加算または減算

+ または -

(-2.00 + 高さ - 0.35 * 底辺)

構文

編集ボックスでは、既定のドキュメントのプロパティで指定されている単位が使用されます。編集ボックスで単位を指定しない場合、項や係数には既定の単位が割り当てられます。代数式の演算順序と既定の単位の値に従って、式が評価されます。

式に構文エラーがある場合は、赤で表示されます。構文エラーがなければ、式の文字は黒で表示されます。

構文エラー

次の例に示すように、指数も式と同様に単位が適用されます。

2 + 3^3

編集ボックスでは、単位が指定されていないすべての項に既定の単位が割り当てられます。異なる単位同士を加算できないという理由で結果はエラーになります。2 mm + (3 mm)^3ul は 2 mm + 27 mm^3 として評価されます。単位があいまいであるため、式はエラーを示す赤で表示されます。

2 + 3^3

単位を記入し、単位なしの数値を指定して、2 mm + ((3 ul) ^ 3 ul ) * 1 mm のような式にすると正しく評価されます。

単位の割り当て

編集ボックスでは、式に単位を割り当てることはできません。次のような例は入力できません。

(-2.00 + 3^3) m^2

単位の評価

単位は、式で使用されている算術演算子よりも前に評価されます。このため、累乗演算子はまず単位に適用されてから、隣接する数値に適用されます。たとえば、次のいずれかを入力します。

2m^2

この場合は、4 平方メートルではなく、2 平方メートルと評価されます。正しい構文は、次のとおりです。

(2m)^2 = 4m^2

正しい構文

式では、各数値に単位を割り当てます。次の式は、既定の単位を想定して評価されるため、エラーになります。

(2 + 1 * (3^2))

"ul" を使用して単位なしの値を示し、2mm + 1mm * (3ul^2ul) とします。

角度を入力するときには、既定の単位は度です。ラジアンを入力するには、次の構文を使用します。

(-0.25 deg * 3.1415 rad/1 deg) + (2ul * 3.1415 ul ) * 1 rad

[単位]:

Autodesk Inventor では、たくさんの単位をサポートしています。次の一覧に、よく使用される単位の一部を示します。単位のタイプは、計算式などパラメータの入力が可能なすべての箇所で使用することができます。

ヒント: 単位のタイプをすべて挙げた一覧は、[パラメータ]ダイアログ ボックスに表示されます。ユーザ パラメータを追加する場合は、 [管理]タブ [パラメータ]パネル [パラメータ] の順にクリックし、[パラメータ]ダイアログ ボックスを開きます。[追加]をクリックしてユーザ パラメータを追加し、[単位]列をクリックします。

行間隔

「ミリメートル」"mm"

「センチメートル」"cm"

「メートル」"m"

"inch" "in"

"foot" "ft"

"micron"

"nauticalMile"

「ミル」

質量

"gram" "g"

"lbmass"

"slug"

"ouncemass"

時間

"second" "s"

"hour" "hr""

「分」"min"

(ミリインチと競合する恐れがあります)

温度

「ケルビン」"k"

「摂氏」"c"

「華氏」"f"

 

角度

「ラジアン」"rad"

「度」"deg" "°"

「グラッド」"grad"

「ステラジアン」"sr"

速度

「メートル/秒」"mps"

「フィート/秒」"fps"

「マイル/時」"mph"

「毎分回転数」"rpm"

面積

「サーキュラ ミル」

     

体積

「リットル」"l"

「ガロン」"gal"

   

「ニュートン」"N"

「ダイン」"dyne"

"lbforce"

"ounceforce"

圧力

「パスカル」"Pa"

"psi"

"ksi"

 

動力

「ワット」"W"

「馬力」"hp"

   

作業

「ジュール」"J"

「エルグ」"erg"

「カロリー」"cal"

"btu"

単位なし

「単位なし」"ul"

     

電気

「アンペア」"A"

「ボルト」"V"

「オーム」

「クーロン」"C"

「ファラッド」"F"

「ガンマ」

「ガウス」

「ヘンリ」"H"

「ヘルツ」"Hz"

「マクスウェル」

"mho"

「エルステッド」

「ジーメンス」"S"

「テスラ」"T"

「ウェーバ」"Wb"

 

光度

「カンデラ」"cd""

「ルーメン」"lm"

「ルクス」"lx"

 

物理量

「モル」

     

接頭辞

Autodesk Inventor では、次の接頭辞がサポートされます。

「エクサ」"E"

1.0e18

「ペタ」"P"

1.0e15

「テラ」"T"

1.0e12

「ギガ」"G"

1.0e9

「メガ」"M"

1.0e6

「キロ」"k"

1.0e3

「ヘクト」"h"

1.0e2

「デカ」"da"

1.0e1

「デカ」"da"

1.0e1

「デシ」"d"

1.0e-1

「センチ」"c"

1.0e-2

「ミリ」"m"

1.0e-3

「マイクロ」"micro"

1.0e-6

「ナノ」"n"

1.0e-9

「ピコ」"p"

1.0e-12

「フェムト」"f"

1.0e-15

「アット」"a"

1.0e-18

関数

編集ボックスでは、次の関数を使用することができます。

構文

戻り型

求められる型

cos(式)

単位なし

角度

sin(式)

単位なし

角度

tan(式)

単位なし

角度

acos(式)

角度

単位なし

asin(式)

角度

単位なし

atan(式)

角度

単位なし

cosh(式)

単位なし

角度

sinh(式)

単位なし

角度

tanh(式)

単位なし

角度

acosh(式)

角度

単位なし

asinh(式)

角度

単位なし

atanh(式)

角度

単位なし

sqrt(式)

単位^1/2

すべて

sign(式)

単位なし

すべて

負なら 0、正なら 1 を返す

exp(式)

単位なし

すべて

式のべき指数を返す。たとえば、100 に対して 2.688E43 を返す。

floor(式)

ul

ul

「式」より小さい整数のうち最も近い整数

ceil(式)

ul

ul

「式」より大きい整数のうち最も近い整数

round(式)

ul

ul

「式」に最も近い整数

abs(式)

すべて

すべて

max(式 1 ; 式 2)

すべて

すべて

min(式 1 ; 式 2)

すべて

すべて

ln(式)

単位なし

単位なし

log(式)

単位なし

単位なし

pow(式 1; 式 2)

単位^式 2

「式 1」はすべて、「式 2」は単位なし

有効な単位を使用していても、無効な計算式になる場合がある(たとえば、"pow(3.0; d12)")。10 の累乗の小数点以下桁数は 8 桁に丸められる

random()

単位なし

単位なし

isolate(式; 単位; 単位)

 

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