このセクションでは、[成形品収縮]コマンドを使用して、金型寸法に基づいて、発生する収縮率を予測します。収縮は射出成形プロセスにおいて固有のもので、成形品の冷却における溶解樹脂に発生します。
必要に応じて、金型寸法が設計仕様の範囲内にとどまる間は、金型寸法を調整することが可能です。成形品収縮シミュレーションを実行する前に、材料を定義する必要があります。また、少なくとも 1 つのゲート位置が存在していなくてはなりません。
- リボンで[コア/キャビティ]タブ > [プラスチック パーツ]パネル > [成形品収縮]をクリックします。
- [成形品収縮]ダイアログ ボックスの[推奨]タブを選択し、[開始]をクリックします。
- [解析実行中]ダイアログ ボックスで[OK]をクリックします。
- 結果を確認してメモを取ります。[結果]ダイアログ ボックスは次の情報を提供します。
- 呼び寸法: 成形品の元の寸法です。
- 収縮許容値: 既定では 0 % に設定されていますが、定義が可能です。
- 金型キャビティ寸法: 収縮許容値を呼び寸法に加えて算出された値です。
- 予測収縮: 金型キャビティ寸法に基づいた収縮シミュレーションの結果です。
- 予測寸法: 金型キャビティ寸法から予測収縮を引いて算出した値です。
予測寸法の値がが呼び寸法の値に近い場合は、金型キャビティ寸法を修正する必要はありません。予測寸法と呼び寸法の値が離れている場合は、予測収縮値を収縮許容値と勘案して使用できます。または、シミュレーションを繰り返す前に値を手動で調整することもできます。このチュートリアルでは、計算された値は受け入れられません。予測収縮値を収縮許容値として勘案してシミュレーションを再実行しなくてはなりません。
- [サマリー]ダイアログ ボックスで[OK]をクリックします。
- [収縮を編集]ダイアログ ボックスで[はい]をクリックして現在の値を置き換えます。収縮ノードが Mold Design ブラウザに作成されます。
- Mold Design ブラウザで、次の図に示す[収縮]ノードを右クリックし、[フィーチャ編集]をクリックします。
- 収縮率の値が収縮シミュレーションから得た値と等しいことに注意してください。
収縮値の範囲は単にデータベース内の典型的な値の範囲を示すもので、必ずしも受け入れられる値にはなりません。それらは成形条件と成形品形状に基づく値ですので、シミュレーションの値はそれらの値を微妙に上回るか下回ることになります。
- [成形品収縮]ダイアログ ボックスの[推奨]タブを選択し、[開始]をクリックして、新たな収縮許容値を使用してシミュレーションを再実行します。
- [解析結果は存在します]ダイアログ ボックスで[はい]をクリックします。
- [解析実行中]ダイアログ ボックスで[OK]をクリックします。
- シミュレーションの結果を確認します。今回は成形品の呼び寸法と予測寸法が近いことに注意してください。これで、金型キャビティ寸法の値を受け入れられます。
- [サマリー]ダイアログ ボックスで[OK]をクリックします。
- [成形品収縮]ダイアログ ボックスで[はい]をクリックして成形品収縮の値を置き換えます。
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