どのようなCFD解析を行う場合についても、メッシュサイズが計算資源を浪費しすぎない程度に細かく定義されていることを確実にするため、次のような段階を踏むことが望ましい。
- まず、対称面があるかどうかを判断し、必要に応じ、CADシステムにおいてジオメトリを分割します。幾何対称面を探し、流れも同様に対称であるか確認します。
- 解析を2次元または軸対称なジオメトリとしてモデル化できるかどうかを判断する。特に流れ問題の解析方法に検討がつかない場合など、2次元近似から解析を開始するほうが効果的な場合がある。
- ジオメトリを確認し、すべての解析変数に関して、どの部分の勾配が大きく、どの部分が小さいと考えられるかを特定します。
- 固体領域と流体領域を区別し、それらを別々の幾何要素または部品として管理します。
- 繰り返す細かな幾何情報を持つ領域(多孔板やバッフルなど)が存在する場合、その細部にメッシュを作成する代わりに、分布抵抗を用いるようにします。
- モデル内のすべてのモデルにメッシュサイズを指定し、その後、急な流れの勾配を捕らえたり複雑な幾何フィーチャーを表せるよう、より細かいサイズをサーフェスとエッジに適用します。
- 余分な時間を費やさずに、流れの特性を把握し、急な勾配が生じる領域におけるメッシュ作成の必要性を決定するため、「粗い」メッシュ(節点数が50,000個以下)による解析を実行します。
- 粗いメッシュによる解析結果を参考に、急な勾配が生じている領域に対してより細かいメッシュを定義します。
- 最終結果が「メッシュに依存」していないことを確認するには、粗いメッシュと細かいメッシュによる2つの結果を比較します。それらが大きく異なる場合は、細かいメッシュより少なくとも10%は少ない節点数によるメッシュを作成し、解析を行い、解析結果を比較してみることが望ましい。節点数に10%以上の差があり、同じ解析結果を得ることができる2つのメッシュを作成することがその狙いである。その解析結果を「メッシュに非依存」であるという。
どの有限要素解析においても、モデル上で解析変数の空間的な変化勾配が大きいところでは、より多くの要素が必要となります。これに加えてCFDでは、解析領域全体を通して流体の質量連続性を保証するために、速度-圧力連成という物理現象を、正確にメッシュ上に表現する必要があります。
これにより、次の2つの要件が引き出されます。
- 典型的な構造解析よりもはるかに多くの要素が解析領域において必要となります。
- 隣接する要素の面積または体積が大幅に異ならないようにするため、要素サイズの変化を比較的滑らかにする必要があります。