解析においては、実際の流れジオメトリに数多くの穴や障害が存在する場合があります。例えば、多くの電子パッケージにはパンチ穴が使用されており、空気の通路に数百の穴が開いています。このような穴のモデル化は、退屈で費用のかかる無駄な作業です。
代わりに、そのような穴や障害を、分布抵抗領域によってシミュレートする方法があります。通常この方法は、開口面積比(全面積に対する開き面積の割合)または既知の圧力損失に基づいた圧力損失係数を使用して、その領域におけるメッシュ要素に抵抗パラメータを指定します。この抵抗は、過大な数の要素を使用することなく影響をシミュレートします。その他の分布抵抗の例としては、ラジエータ、ベント、スクリーン、フィルター、充填層などがあります。
抵抗の設定
ガイドライン
入力方法
抵抗領域を通る流れ方向を指定するには3つの方法があります:
抵抗領域を通る流れを直交座標系方向と一致させるには、流れ方向のポップアウトダイアログを開き、直交座標方向のいずれか(グローバルX、グローバルY、またはグローバルZ)を選択します。その他の2方向について、残りの方向を選択する。
選択したサーフェスと流れを一致させるには、ポップアウトダイアログを開き、サーフェス選択ボタンをクリックします。
抵抗材料エディタで定義した3方向の抵抗値がソルバーで使用されます。流れに対して傾斜した抵抗材料を通過する流れのイメージを次に示します。流れ方向および垂直方向1の抵抗値は、同じ値に設定しました。必要であれば、両者の値は異なる値に設定することができます。
流れは若干方向を変えているが、抵抗物体に対して完全に垂直方向に変更されてはいません。
抵抗に対して垂直方向となるような流れを設定するため(通気孔のような抵抗体)には、流れに対する抵抗係数 K の値よりも 3 桁大きい値を設定する必要があります。どちらのオプションも、抵抗体に対する垂直方向に流れを変更する結果となります。
円筒形状の抵抗をシミュレートする場合、流れ方向には 半径方向 を使用します。その他の2方向は、自動的に軸方向と円周方向に設定されます。
垂直方向1の方向を指定し、この部品の方向を設定します。この設定は、材料オブジェクトの方向を正しく計??するために必要となります。
Simulation CFD 2014 では、円筒形領域を通る流れの計算に新しい定式化が導入されています。このメソッドは、圧力損失(特に K の値が低い場合)を常に正確に予測できるわけではなかったメソッドに代わるものです。この新しいメソッドは、既定で有効になっています。古いメソッドを最終手段として使用するには、フラグ マネージャで no_difu_tensors フラグの値を 1 に変更します。
この他に、半径方向の抵抗は、流れが通り抜ける抵抗シリンダー群にも適用することができます。この場合も、流れ方向は半径方向であり、軸方向を選択する(円筒の軸に垂直なサーフェスを選択する)必要があります。