まとめ

この演習では、Autodesk® Simulation CFD を使用して、2 つの設計の各日に博物館展示会場内での流れ分布と温度分布のシミュレーションを行いました。

以下を再確認しましょう

この演習の目標:

  1. 夏季向けの設計と冬季向けの設計の各日での流れ分布と温度分布を評価します。
  2. 利用者の熱的快適性レベルが許容範囲内かどうかを評価します。
  3. 現在の利用者の熱的快適性レベルの根拠を把握し、換気方針の変更が必要かどうかを判断します。

プロセスのおさらい

ここでは、このデザイン スタディを実施するために行った手順を振り返り、再確認します。

  1. 夏季シナリオに対する流れの設定と熱の設定を割り当てました。
  2. 夏季シナリオをクローン化して冬季シナリオを作成し、異なる 2 つの温度条件を変更しました。
  3. ソルバ マネージャを使用して、両方のシミュレーションを自動的に実行し、ソリューション モニタで進捗を監視しました。
  4. ディシジョン センターで、2 つの設計に対する各日(夏季と冬季)に一連のサマリー イメージとサマリー プロットを使用して、温度、流れ、利用者の熱的快適性を比較しました。
  5. 操作は簡単でした。

設計の評価

解析結果によると、冬季の方針は良好のようでしたが、夏季の換気方針は利用者に最適な環境を提供していない可能性があることが分かります。

夏季向けの設計日では、利用者の正面部はかなり快適なようですが、

後面部は非常に冷えています。しかし、冬季の方針では、利用者の後面部に快適性がもたらされています。

サマリー プロットから、夏季シナリオでは利用者の体全体で重大な温度勾配(2 度近く)が発生しているが、冬季の勾配は 1 度のみであることが分かりました。

流れの解析結果を見ると、夏季シナリオでは利用者の後面部で強力な衝突噴流が発生していることが示されています。冬季シナリオでは、流れは浮力により会場を循環してから、利用者に向かっています。

これらの解析結果から、夏季の換気方針に次のような変更を加えることができます。

  1. 給気流量を削減する。
  2. 温度の設定点を上げる。

これらの対応はどちらも省エネとコスト削減につながる可能性があります。

次に続くもう 1 つの一般的なステップは、換気方針の微調整を続けることです。このためには、単純に夏季シナリオを再度クローン化し、1 つまたは複数の条件を変更して、シミュレーションを実行します。ディシジョン センターを使用して、解析結果を比較し、会場の最適な空気流れと熱管理の方針について、引き続き理解を深めていきます。

Autodesk® Simulation CFD では、さまざまな給気位置と還気位置の効果や、さまざまな壁の高さと位置の効果を比較することによって、設計バリエーションの幅を広げることができます。この演習のプロセスを活用することで、デザイン スタディとディシジョン センターを使用して短時間で簡単に設計バリエーションを確認することができます。解析結果は、設計のパフォーマンスとシステムの効率性を高めるために必要な情報です。

この演習では、Autodesk® Simulation CFD デザイン スタディを通して、室内の換気と利用者の熱的快適性について重要な意味のある情報をどのように入手できるかを紹介しました。比較的単純なこの例でも、デザイン スタディは、利用者の快適性を改善し、エネルギー消費量を削減して、光熱費を抑えることに役立ちます。

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