複合材料特性

複合材料特性は、シェルおよび膜要素のみで使用します。この材料特性を正しく入力するには、材料軸を[要素定義]ダイアログで定義する必要があります。(「シェル要素」ページと「膜要素」ページを参照してください。

[要素定義]の[複合材の積層順序]表で[材料]列をクリックすると、 図 1 に示す[材料選択]ダイアログが表示されます。ドロップダウンには、モデルのパーツの薄板(層)に対して使用されている複合素材がすべて一覧表示されます。既存の材料を選択して、[OK]ボタンをクリックすると、選択した材料を現在の薄板に適用できます。

図 1: 複合材料要素の材料の選択

[追加]ボタンをクリックすると、標準の材料ライブラリ インタフェースが表示されます。既存のライブラリから材料を選択するか、[ユーザ定義]を選択してユーザ定義の特性を入力します。モデルで使用可能な複合材料のリストに新規の材料が追加されます。材料を選択して、特性を編集する場合、ドロップダウンに表示する[名前]を入力できます。この名前(および関連の特性)は、複合要素材料の選択以外では使用されないことに注意してください。

[変更]ボタンをクリックした場合も、標準の材料ライブラリ インタフェースが表示されます。このインタフェースでは、既存の材料を選択したり、[ユーザ定義]の材料を使用できます。[変更]と[追加]の違いは、[変更]ボタンを使用すると、ドロップダウンで選択した元の材料が入力した新規特性に置換(または更新)される点です。

複合材料特性のリストを以下で示します。要素タイプおよびオプションによっては、一部の材料特性が必要でない場合があります。これらの材料特性のほか、一部の「等方性材料特性」を定義する必要がある場合もあります。

このセクションで挙げられている記号の意味は次のとおりです。

E f 繊維材料のヤング率です。
E m マトリックス材料のヤング率です。
G f 繊維材料のせん断弾性係数です。
G m マトリックス材料のせん断弾性係数です。
μ f 繊維材料のポアソン比
μ m マトリックス材料のポアソン比
V f 体積全体に占める繊維材料の割合
V m 体積全体に占めるマトリックス材料の割合(=1-V f )

弾性特性

許容応力

Tsai-Wu または最大破壊判定基準が指定されている場合は、許容応力を適用する必要があります。破壊判定基準と破壊を定める方程式を選択する際の詳細については、「シェル要素」と「膜要素」を参照してください。

許容ひずみ

最大ひずみ破壊判定基準が指定されている場合は、許容ひずみが必要です。破壊判定基準と破壊を定める方程式を選択する際の詳細については、「シェル要素」と「膜要素」を参照してください。

曲げコントロール

既定では、曲げ特性は弾性特性によって計算されます。曲げ特性に特定の値を使用する場合は、[曲げヤング率]チェック ボックスを有効化し、次の材料特性を入力します。膜要素には、曲げの機能がないため、曲げの入力はシェル複合要素に対してのみ適用できます。

温度依存複合材料

材料モデルを温度依存複合材料に設定すると、材料特性が表に入力されます。(現在では、共回転シェル要素のみが温度依存複合材料を含みます。)表の各行には、所定温度での特性が表示されます。必要に応じて[ソート]ボタンをクリックすると、温度の昇順で表をソートできます。

温度依存の特性に対する入力は前述の入力と同じです(膨張係数が追加されます)。ただし、異なるラベルによって参照されます。各入力列の意味を次に示します。

温度依存入力

対応する前述の入力

インデックス

行番号。(ソフトウェアによって自動的に設定されます。)

温度

行に入力した材料特性に対応する温度。

E1

局部座標軸 1 のヤング率

E2

局部座標軸 2) のヤング率

v12

局部平面 12(メジャー)のポアソン比

G12

局部平面 12) のせん断弾性係数

G13

局部平面 13) のせん断弾性係数

G23

局部平面 23) のせん断弾性係数

alpha1

局部座標軸 1 の線膨張係数は、材料の収縮および膨張に基づく材料特性です。

alpha2

局部座標軸 2 の線膨張係数は、材料の収縮および膨張に基づく材料特性です。

XC

局部座標軸 1 の圧縮応力

XT

局部座標軸 1 の引張応力

YC

局部座標軸 2 の圧縮応力

YT

局部座標軸 2 の引張応力

S

局部平面 12 のせん断応力

F12

応力の相互作用 F12 (Tsai-Wu)