輻射

輻射の役割

  • 輻射は、物理的に相互作用することなく熱を周囲の環境に伝達するサーフェスに適用します。この場合の熱伝達は自然輻射になります。また、2 つのオブジェクト間にも輻射が起きる場合があります。この場合、[物体間輻射]を使用する必要があります。
  • 輻射による熱の伝達量は輻射関数で制御します。輻射関数が高いと、サーフェスから周囲に大量の熱が伝達します。これにより、サーフェスの温度は周囲の温度に近くなります。輻射関数が低いと、サーフェスから周囲に伝達する熱量は小さくなります。これにより、サーフェス温度と環境温度に大きな差が生じます。
  • 環境温度は、サーフェスから熱が伝達される周囲の平均温度です。
  • 解析に輻射荷重を適用するには、[解析パラメータ]ダイアログの[乗数]タブで[輻射乗数]を割り当てる必要があります。この値に輻射関数を掛けた積が、解析で輻射荷重に使用されます。
  • 輻射関数は解析中、荷重曲線に従う必要があります。荷重曲線 0 を割り当てた場合、この値は、解析の輻射に入力した値で一定になります。[荷重曲線]ダイアログで荷重曲線を作成すると、この値を変更できます。輻射関数では、係数は時間ステップごとに輻射関数が掛けられ、さらに[解析パラメータ]ダイアログの[乗数]タブで指定した[輻射乗数]フィールドの値が乗算されます。これらの 3 つの値の積は、各時間ステップの輻射関数で使用されます。

輻射を適用する

サーフェスを選択している場合は、表示領域を右クリックして、[追加]プルアウト メニューを選択します。[サーフェス輻射]コマンドを選択します。

[輻射]セクション

[関数]フィールドで輻射関数を指定します。輻射関数 F rad は、輻射による熱伝達量を調整し、モデル(m)と周囲環境(s)の間の放射率(e)と形態係数(V m-s )を考慮に入れます。形態係数はモデルと周囲環境との間のジオメトリによって異なり、熱伝達テキスト ボックスで確認できます。輻射関数は次の式で表されます。

F rad = e * Vm-s

定常熱伝導解析では、[解析パラメータ]ダイアログの[乗数]タブで指定した[輻射乗数]がこの関数の値に乗算されます。非定常熱伝導解析では、[荷重曲線]ボックスで関数に割り当てる荷重曲線を選択します。指定時間の関数は、ダイアログに入力した関数と補完された荷重曲線の係数の積と等しくなります。荷重曲線 0 を使用すると、解析中一定の関数が維持されます。

[環境温度]領域

輻射しているサーフェスに対する自然輻射条件の温度を[温度]フィールドに入力します。

定常熱伝導解析の場合、環境温度はユーザが入力する値です。非定常熱伝導解析を実行している場合、環境温度に適用する荷重曲線を[荷重曲線]ボックスで選択します。[温度]で指定した値は、荷重曲線に入力した係数と加算されます。寸法の整合性を維持するために、ダイアログ ボックスで[荷重曲線の大きさ]の値を入力します。この値は補間された荷重曲線係数で乗算され、その積が[温度]の値と加算されます。

特定の時間 t の温度 = 温度 + 荷重曲線の大きさ * 特定の時間 t の補間された荷重曲線係数

荷重曲線を 0 に指定した場合、環境温度は解析を通じて一定に維持されます。

どちらの荷重曲線でも、[荷重曲線の表示/編集]ボタンをクリックして荷重曲線エディタで荷重曲線を定義するか、[セットアップ] [モデル セットアップ] [パラメータ] [解析パラメータ]ダイアログ ボックスを使用します。

[プレートのオプション]領域

輻射荷重をプレート要素の両面に適用する必要がある場合、[両側に荷重を適用]チェック ボックスをオンにします。プレート要素の両面の温度は同じであると仮定されるため、両側に荷重を適用することは、片側に荷重を 2 回適用することと同じことになります。