entsel (AutoLISP)

点を指定して 1 つのオブジェクト(図形)を選択するようユーザに要求します。

サポートされているプラットフォーム: Windows および Mac OS

構文と要素

(entsel [msg])
msg

タイプ: 文字列

ユーザに表示されるプロンプト文字列。省略すると、「オブジェクトを選択」というメッセージが表示されます."

戻り値

タイプ: リストまたは nil

2 つの要素を含むリスト。1 番目の要素は、選択された図形の名前、2 番目の要素は、オブジェクトをクリックして選択した際に使用した点の座標値(現在の UCS で表現)です。

entsel 関数が返す座標値は、選択されたオブジェクト上の点を常に示すわけではありません。返される点は、選択時のクロスヘア カーソルの位置です。座標値とオブジェクトとの関係は、ピックボックスのサイズと現在のズーム倍率に依存します。

注意

オブジェクトを操作しているとき、オブジェクトを選択すると同時に、それを選択するために使用した点を指定したいことがあります。たとえば、オブジェクト スナップを使用する場合や AutoCAD の BREAK[部分削除]、TRIM[トリム]、EXTEND[延長]コマンドを使用する場合にこのようなことがあります。entsel 関数を使用すると、AutoLISP プログラムでこの操作を実行できます。entsel 関数では、点をクリックして 1 つのオブジェクトを選択します。この関数では、使用中に特に指定しない限り、現在の O スナップの設定が無視されます。entsel 関数は、事前に initget 関数を呼び出してキーワードを設定することができます。

次の AutoCAD コマンド シーケンスは、entsel 関数の使用方法と、返されるリストを示しています。

コマンド: line

1 点目を指定: 1,1

次の点を指定: 6,6

次の点を指定: [Enter]を押します

コマンド: (setq e (entsel "オブジェクトを選択: "))

オブジェクトを選択: 3,3

(<Entity name: 60000014> (3.0 3.0 0.0))