概要 - [カスタム設定をマイグレート]ダイアログ ボックス

[カスタム設定をマイグレート]ダイアログ ボックスには次のオプションがあります。

ユーザ プロファイル(AutoCAD LT では使用できません)

ユーザ プロファイルには、図面環境の設定が含まれます。たとえば、図面のウィンドウ色、カーソル サイズ、コマンド ライン ウィンドウのフォント、スペル チェックに使用する辞書などの設定があります。

また、ユーザ プロファイルには、サポート ファイル、ドライバ ファイル、カスタマイズ ファイルなどをアプリケーションが検索するフォルダも含まれます。既定のフォルダ以外の場所にあるファイルをカスタマイズした場合、その場所へのパスがマイグレートされます。その場所にあるファイル自体はマイグレートされません。

注: カスタム フォルダにあるプロッタ環境設定(PC3)ファイルを変更した場合、それらのファイルはアプリケーションの PC3 フォルダ(カスタム PC3 フォルダの下)にマイグレートされます。PC3 ファイルは別のフォルダにマイグレートされるため、旧リリースとの下位互換性が保たれます。
CUI ファイル

これらのファイルのデータで、AutoCAD 2006 ベース以降の製品でユーザ インタフェース要素を配置する方法を定義します。これらの要素には、ツールバー、プルダウン メニュー、リボン パネルおよびリボン タブ、パレットなど多数が含まれます。[カスタム設定をマイグレート]ダイアログ ボックスでは、マイグレート元のリリースに基づいて CUI または CUIx ファイルが検索されます。

MNU/MNS ファイル

これらのファイルのデータで、AutoCAD 2005 ベースの製品以前のユーザ インタフェース要素を定義します。これらの要素には、ツールバー、プルダウン メニュー、イメージ タイル メニューなどが含まれます。[カスタム設定をマイグレート]ダイアログ ボックスでは、MNS ファイル、MNU ファイルの順に検索されます。

ユーザ定義アイコン

これらのファイルは、CUI または CUIx ファイルで定義されているコマンドから参照され、[オプション]ダイアログ ボックスの[ファイル]タブの[カスタム アイコンの場所]ノードで定義されているフォルダに保存されます。

ユーザ定義のツール パレット ファイルまたはツール パレット ファイル

これらのファイルには、ユーザ定義ツールのセットまたは製品に付属している標準ツールのセットが含まれ、[オプション]ダイアログ ボックスの[ファイル]タブの[ツール パレット ファイルの場所]ノードで定義されているフォルダに保存されます。

  • ユーザ定義のツール パレット ファイル。 AutoCAD 2009 ベース以前の製品で作成されたカスタム ツール パレット ファイルをマイグレートできます。ただし、AutoCAD 2009 ベース以前の製品に付属しているツール パレットはマイグレートされません。

    AutoCAD 2009 ベース以前の製品に付属するツール パレットにカスタム ツールを追加していた場合、そのツールはマイグレートされないため、現在のリリースに付属するツール パレットに追加し直す必要があります。

  • ツール パレット ファイル: AutoCAD 2010 ベース以降の製品で作成または編集されたツール パレットは、現在のリリースにマイグレートできます。

ツール パレットのマイグレート時に、カスタム ツール パレット グループは、既定のツール パレット グループに結合されます。

ツール パレット グループはユーザ プロファイルに保存されます。製品に付属する既定のツール パレット グループを表示するには、<<(製品名) 名前のないプロファイル>> に切り替えます。(ユーザ プロファイルは、AutoCAD LT では使用できません)。

注: AutoCAD 2008 ベース以降の製品で作成されたツール パレット グループはマイグレートされますが、それよりも前のリリースに付属するツール パレットに対する参照は失われる場合があります。

AutoCAD 定義の線種ファイル

この LIN ファイルに含まれるユーザ定義の線種は、現在のリリースの同じ名前を持つファイルのユーザ定義セクションに追加されます。

ユーザ定義の線種ファイル

この LIN ファイルは、旧リリースから現在のリリースにコピーされます。

AutoCAD 定義のハッチング パターン

この PAT ファイルに含まれるユーザ定義のハッチング パターンは、現在のリリースの同じ名前を持つファイルのユーザ定義セクションに追加されます。

ユーザ定義のハッチング パターン

この PAT ファイルは、旧リリースから現在のリリースにコピーされます。

独自のマイマテリアル ライブラリ ファイル(AutoCAD LT では使用できません)

このファイルは、[マテリアル ブラウザ]の[お気に入り]ライブラリを示します。ライブラリのマテリアルから参照されるイメージ ファイルは、移動またはコピーされません。

acad.pgp (AutoCAD ベースの製品)または acadlt.pgp (AutoCAD LT)

このファイルに含まれるユーザ定義のコマンド エイリアスは、現在のリリースの同じ名前を持つファイルのユーザ定義セクションに追加されます。

[カスタム設定をマイグレート]ダイアログ ボックスを使用しても、acad.pgp (AutoCAD LT の場合は acadlt.pgp)ファイルに対して作成したシェル コマンドまたはコメントはマイグレートできません。

マイグレート ファイル一覧

次の表は、[カスタム設定をマイグレート] ダイアログ ボックスでマイグレートされるファイルおよびファイル タイプの一覧です。ファイルをマイグレートするかどうかを判断しやすいように、各ファイルとファイルの詳細に関する説明も表示されます。

[カスタム設定をマイグレート]ダイアログ ボックスでマイグレートされるファイル

ファイル名

ファイルの説明

詳細

Favorite Materials. adsklib

[お気に入り]ライブラリに追加されたマテリアルが含まれます。

ファイルはマテリアル ブラウザで作成および管理され、マイグレートされます。

注: AutoCAD LT では使用できません。

*.atc

ツール パレットとそのツールを定義します。

AutoCAD 2010 ベース以降の製品からマイグレートする場合、ユーザ定義のツール パレット、および標準のツール パレット上にある新規または変更されたツールはマイグレートされます。

AutoCAD 2010 ベース以降の製品よりも前のリリースで作成されたユーザ定義のツール パレットはマイグレートされますが、標準のツール パレットに対する変更内容はマイグレートされません。

*.arg

Windows レジストリからユーザ プロファイル情報をバックアップするために使用されます。ARG ファイルはマイ グレートされませんが、ユーザ プロファイルはマイ グレートされます。

ユーザ プロファイルに対する変更内容は、Windows レジストリに保存され、マイグレートされます。

注: AutoCAD LT では使用できません。

*.lin

ユーザ定義の線種を保存します。

ユーザ定義の線種ファイルはマイグレートされます。

acad.lin (AutoCAD ベースの製品)

acadlt.lin(AutoCAD LT)

フィート/インチ単位の線種定義が含まれています。

このファイル自体は、マイグレートされません。しかし、このファイルに追加されたカスタム線種は、製品の .lin ファイルの User Defined Linetypes セクションにマイグレートされます。

acadiso.lin (AutoCAD ベースの製品)

acadltiso.lin (AutoCAD LT)

メートル単位の線種定義が含まれています。

このファイル自体は、マイグレートされません。しかし、このファイルに追加されたカスタム線種ファイルは、製品の .lin ファイルの User Defined Linetypes セクションにコピーされます。

*.pat

ユーザ定義のハッチング パターンを保存します。

ユーザ定義のハッチング パターン ファイルはマイグレートされます。

acad.pat (AutoCAD ベースの製品)

acadlt.pat(AutoCAD LT)

フィート/インチ単位のハッチング パターン定義が含まれています。

このファイル自体は、マイグレートされません。しかし、このファイルに追加されたカスタムハッチング パターンは、製品の .pat ファイルの User Defined Hatch Patterns セクションにコピーされます。

acadiso.pat (AutoCAD ベースの製品)

acadltiso.pat (AutoCAD LT)

メートル単位のハッチング パターン定義が含まれています。

このファイル自体は、マイグレートされません。しかし、このファイルに追加されたカスタムハッチング パターンは、製品の .pat ファイルの User Defined Hatch Patterns セクションにコピーされます。

acad.pgp (AutoCAD ベースの製品)

acadlt.pgp (AutoCAD LT)

外部コマンドとコマンド エイリアスの定義(ASCII テキスト形式のプログラム パラメータ ファイル)が保存されます。

このファイル自体は、マイグレートされません。しかし、このファイルに作成された外部コマンドとコマンドのエイリアスは、製品の .pgp ファイルの User Defined Command Aliases セクションにコピーされます。

*.mnu

AutoCAD 2005 ベース以前の製品のメニュー カスタマイズが含まれます。

ファイル自体はマイグレートされません。ファイルのコピーが作成され、同じ名前の CUIx ファイルに変換されます。新しい CUIx ファイルはメイン CUIx ファイルと同じフォルダに保存されます。同じ名前の MNS ファイルが見つからない場合、MNU ファイルが使用されます。

*.mns

AutoCAD 2005 ベース以前の製品のメニュー カスタマイズが含まれます。

ファイル自体はマイグレートされません。ファイルのコピーが作成され、同じ名前の CUIx ファイルに変換されます。新しい CUIx ファイルはメイン CUIx ファイルと同じフォルダに保存されます。プログラムは、最初に MNS ファイルを検索し、MNS ファイルが見つからなければ、MNU ファイルを検索して変換します。

*.cui

AutoCAD 2006 ベースの製品から AutoCAD 2009 ベースの製品までのカスタマイズが含まれます。

ファイル自体はマイグレートされません。ファイルのコピーが作成され、同じ名前の CUIx ファイルに変換されます。新しい CUIx ファイルはメイン CUIx ファイルと同じフォルダに保存されます。

共有 CUI ファイルは自動的にマイグレートされません。そのため、手動で行う必要があります。

*.cuix

AutoCAD 2010 ベース以降の製品のカスタマイズが含まれます。

CUIx ファイルが製品に付属している場合、そのファイルに対するカスタムの変更内容は、新しいバージョンの CUIx ファイルにマイグレートされます。

CUIx ファイルが製品に付属していない場合、CUIx ファイルがネットワーク上の場所にない限り、メイン CUIx ファイルの場所にコピーされ、マイグレートされます。この場合、CUIx ファイルがマイ グレートされるのみです。

共有 CUIx ファイルは自動的にマイグレートされません。そのため、手動で行う必要があります。

MNU、MNS、CUI、および CUIx ファイルをマイグレートする前に、各ファイルのバックアップ コピーは次のフォルダに保存されます。

<ドライブ>:¥Users¥<ユーザ プロファイル>¥AppData¥Autodesk¥<製品バージョン>¥<リリース番号>¥<言語>¥Previous Version Custom Files