nCloth による風船

この例では、バーチャル風船の皮膜を作成する方法を示します。

風船を作成する

風船をモデリングするには、20 面体を作成します。このほうが、ポリゴン球よりもリアルな動きが得られます。

風船をモデリングするには

  1. ポリゴン(Polygons)メニュー セットで、作成 > ポリゴン プリミティブ(Create > Polygon Primitives) > 正多面体(Platonic Solids) > を選択します。

    ポリゴン正多面体オプション(Polygon Platonic Solid Options)ウィンドウが表示されます。

  2. プラトン タイプ(Platonic type)20 面体(Icosahedron)に設定し、作成(Create)をクリックします。
  3. メッシュ > スムーズ(Mesh > Smooth)を選択します。
  4. アトリビュート エディタ(Attribute Editor)で、polySmoothface1 タブを選択します。
  5. 方法(Method)リニア(Linear)に設定します。
  6. リニア ポリゴンのスムーズ ヒストリ(Linear Poly Smooth History)セクションで、アトリビュートを次のように調整します。
    • 分割レベル(Division Levels): 1
    • フェースごとの分割数(Divisions per Face): 3
    • 押し込みの強さ(Push Strength): 0.8
    • 丸み(Roundness): 2

風船のサイズとシェイプを変更する

この例では、風船のモデルは球面のままです。オプションでモデルのシェイプを変更して、より風船らしいシェイプにすることもできます。

  1. 風船を選択してから、移動ツール(Move Tool)を選択します。
  2. 風船を地表プレーンの上に移動します(正 Y 方向)。
  3. すべてをスムーズ シェード(Smooth Shade All)モード(ホットキー: 5)を選択します。
  4. 風船をクリックし、表示されるマーキング メニューでフェース(Face)を選択します。

    風船が、フェース セレクション モードで表示されます。

  5. 風船の片側で、六角形を構成する 6 つの隣り合ったフェースを選択します。
  6. キーを押します。

    選択したフェースが削除されます。

風船モデルを nCloth にする

  1. nDynamics メニュー セットで風船を選択し、nMesh > nCloth の作成(nMesh > Create nCloth)を選択します。

    選択したポリゴン風船が nCloth オブジェクトになります。

風船モデルに風船らしい動きを与える

ふくらませた風船の基本シェイプができたので、次に風船のアトリビュートを構成して風船らしい動きを与え、また初期状態を構成してしぼんだ状態から始まるようにします。

風船のアトリビュートを調整するには

  1. 風船を選択します。
  2. アトリビュート エディタ(Attribute Editor)で、nClothShape1 タブを選択します。
  3. 衝突(Collisions)セクションで、厚み(Thickness)を 0.02 に設定します。
  4. ダイナミック プロパティ(Dynamic Properties)セクションで、伸長の抵抗(Stretch Resistance)を 80 に設定します。
  5. 圧力(Pressure)セクションで、圧力(Pressure)を 0 に設定し、穴をふさぐ(Seal Holes)をオンにします。
  6. 精度設定(Quality Settings)セクションで、評価の順序(Evaluation Order)を平行(Parallel)に設定します。
  7. nucleus1 タブを選択します。
  8. 地表プレーン(Ground Plane)セクションで、プレーンの使用(Use Plane)をオンにします。
  9. 再生範囲の終了時間を 450 に設定します。
  10. シミュレーションを再生します。

    しぼんだ風船が床に落下します。

風船の初期状態を設定するには

  1. 再生範囲の先頭に進みます。
  2. 風船を選択し、nSolver > 初期状態(nSolver > Initial State) > 初期状態のリラックス(Relax Initial State) > を選択します。

    初期状態のリラックス オプション(Relax Initial State Options)ウィンドウが表示されます。

  3. 編集 > 設定のリセット(Edit > Reset Settings)を選択します。
  4. ステップ(Steps)を 200 に設定し、初期状態のリラックス(Relax Initial State)をクリックします。

    Maya はシーンをフレーム 200 まで自動的に再生し、風船シミュレーションをディスクに保存します。

  5. nMesh > レスト シェイプ(nMesh > Rest Shape) > レストを開始シェイプに設定(Set Rest to Start Shape)を選択します。

    風船のシミュレーションが、しぼんだ状態から始まります。

風船をふくらませたりしぼませたりする

風船がしぼんだ状態から始まるようになったので、風船をアニメートしてふくらませてからしぼませることができます。

風船をふくらませるには

  1. 再生範囲の先頭に進みます。
  2. nCloth による風船を選択します。
  3. チャネル ボックス(Channel Box)を開き、入力(Inputs)nClothShape1 を選択します。
  4. 圧力(Pressure)を選択し、 キーを押しながら穴をふさぐ(Seal Holes)をクリックして、これを選択項目に含めます。どちらかの名前をクリックして、表示される状況に応じたメニューから選択項目のキー設定(Key Selected)を選択します。

    正しくキーを設定したかどうか確認できるよう、フィールドのカラーが変更されます。

  5. シミュレーションの 200 フレーム目に移動します。
  6. 圧力(Pressure)を 10 に設定します。
  7. 圧力(Pressure)を選択します。
  8. 名前をクリックして、表示される状況に応じたメニューから選択項目のキー設定(Key Selected)を選択します。
  9. アニメーションを再生します。

    風船は最初、非常に速くふくらみ、その後フレーム 200 までゆっくりとふくらみます。

風船をしぼませるには

  1. アニメーションの 300 フレーム目に移動します。
  2. チャネル ボックス(Channel Box)で、圧力(Pressure)を選択し、 キーを押しながら穴をふさぐ(Seal Holes)をクリックして、これを選択項目に含めます。どちらかの名前をクリックして、表示される状況に応じたメニューから選択項目のキー設定(Key Selected)を選択します。

    正しくキーを設定したかどうか確認できるよう、フィールドのカラーが変更されます。

  3. アニメーションの 301 フレーム目に移動します。
  4. 穴をふさぐ(Seal Holes)オフ(off)に設定します。
  5. 穴をふさぐ(Seal Holes)名前部分をクリックして、表示される状況に応じたメニューから選択項目のキー設定(Key Selected)を選択します。
  6. アニメーションの 450 フレーム目に移動します。
  7. 圧力(Pressure)を 0 に設定します。
  8. 名前圧力(Pressure)クリックして、表示される状況に応じたメニューから選択項目のキー設定(Key Selected)を選択します。
  9. シミュレーションを再生します。

    フレーム 300 で、ジオメトリ上の穴から吹き出す空気のために、風船は飛んでいってしまいます。