スペースについて

精度の高い冷暖房負荷分析を行うためには、建築モデルのすべてのエリアにスペースを配置します。

Revit では、スペース コンポーネントを使用して、配置されたエリアについての情報を保持します。スペースには、プロジェクトの暖房および冷房負荷の分析に影響を与えるさまざまなパラメータの値が保存されています。スペースは、建築モデル内で建築家によって通常は部屋コンポーネントに割り当てられない天井プレナム領域、シャフト、配管用溝、小さい隙間に必ず配置してください。

部屋とスペース

部屋とスペースは、別々の目的に使用される独立したコンポーネントです。部屋は、占有されているエリアに関する情報を保持するために使用される建築コンポーネントです。スペースは、体積を分析するために MEP 専門分野でのみ使用されます。スペースには、配置されているエリアに関する情報を保持するパラメータが含まれています。この情報は、暖房および冷房負荷の分析を実行するのに使用されます。

特定の状況では、Revit MEP 2009 よりも前のバージョンで作成されたプロジェクトが Revit 2015 でアップグレードされるときに、スペースが作成されます。スペースの自動作成によって作成されるスペースは、アップグレードされたプロジェクトにある部屋に基づいています。スペースのフェーズは、部屋のフェーズと一致する必要があります。リンク モデルでは、スペースのフェーズがリンク部屋のフェーズと一致するか(別のフェーズ名である場合には)対応する必要があります。

スペースを、配置(追加)したり、配置しないようにしたり、削除することができます。スペースを配置しないこととスペースを削除することは同じではありません。スペースは、最初にプロジェクトに追加されるときに、既定のゾーンにただちに割り当てられます。スペースは断面図ビューで表示することができます。スペースは、立面図または 3D ビューに表示または配置することはできません。

スペースは、天井プレナム領域などの非占有エリアを含め、モデル全体にわたって配置する必要があります。部屋を含むエリア内に(手動または自動で)作成されるスペースは、占有として作成されます([占有可能]パラメータが選択されます)。

部屋の境界コンポーネント

閉じたエリア内に配置される場合、スペースの体積は、壁、床、天井、屋根、スペースの分割線などの部屋の境界コンポーネントのサーフェスに対して計算されます。スペースの体積は、部屋の境界コンポーネントの面の範囲まで水平および垂直に拡大します。サーフェスには、2 つのカテゴリがあります。

スペースがモデル全体にわたって配置されていないと、内壁が誤って外壁として識別され、その結果、冷暖房負荷分析が正しく行われないことがあります。唯一の例外は、タイプ パラメータが部屋の境界コンポーネントに対して[内部]または[コアシャフト]に指定されている場合です。

たとえば、次の図の壁では、[構造]タイプ パラメータが[内部]または[コアシャフト]のいずれにも設定されていないとします。図は、スペースが配置されていない複数のエリアを示しています。各ケースで、エリアに隣接しているオフィスの壁のサーフェスは、内壁であるにもかかわらず、外壁とみなされます。