Simulation Mechanical では、CAD パッケージから CAD ソリッド モデルを読み込むために、CAD アプリケーションに接続してモデル データを転送し、Simulation Mechanical の .fem ファイルに保存します。
サポートされている CAD ソリッド モデラーを次に示します。一覧にはテスト済みの最新バージョンが括弧内に記載されています。旧バージョンでも適切に処理される可能性がありますが保証はありません。(旧バージョンまたは新バージョンで正常に処理されない場合は、.SAT、.IGS、.STP などの中間ファイル形式に CAD モデルを保存し、中間ファイルを Simulation Mechanical で開いてください。)
- AutoCAD (*.DWG および *.DXF、バージョン 2015)
- Autodesk Inventor (バージョン 2015)
- Autodesk Inventor Fusion (バージョン 2013 R1)
- Creo Parametric (バージョン 1)1、2
- Pro/ENGINEER Wildfire (バージョン 5)2
- Rhinoceros® (バージョン 4)2、3
- SolidWorks (バージョン 2013)2
- SpaceClaim (バージョン 2012)
注:
- Creo Parametric V2 ファイルもサポートされていますが、Simulation Mechanical のファイルを[開く]ダイアログ ボックスを使用してプルする必要があります。Creo 2 からのプッシュは現在サポートされていません。
- これらのソリッド モデリング アプリケーションが Simulation Mechanical と同じワークステーションにインストールされている場合は、2 つの CAD トランスレータ オプションから選択できます。Simulation Mechanical のファイルを[開く]ダイアログ ボックスで、[オプション]ボタンをクリックします。[オプション]タブで、次の 2 つの[インポート方法]オプションのいずれかを選択します。
- ネイティブ トランスレータ: ネイティブ CAD トランスレータを使用する場合は、材料データがインポートされ、荷重と拘束のサーフェス自動調整がサポートされます。(下にある「CAD と Simulation Mechanical 間の自動調整」を参照してください。)
- Autodesk Inventor サーバ: これは、ネイティブ アプリケーションがシミュレーション ワークステーションにインストールされていない場合に、サポートされる形式に使用されるトランスレータです。
- Rhinoceros バージョン 5 CAD ファイルもサポートされていますが、[開く]ダイアログ ボックスを使用して、Simulation Mechanical に取り込む必要があります。 Autodesk Inventor Server はこのバージョンの Rhinoceros からモデルの CAD 変換を実行します。
Simulation Mechanical へのファイルのインポート中に、[表面分割]ダイアログが表示される場合があります。詳細については、「表面分割」を参照してください。
通常、CAD モデルは Simulation Mechanical の最初のセッションに転送され、現在ソフトウェアで起動中のモデルがすべて置換されます。ただし、Simulation Mechanical の最初のセッションでメッシュ作成またはモデル解析が行われている場合は、新しいセッションが開始され、新しいセッションに CAD モデルが転送されます。
CAD パッケージがインストールされている環境で Simulation Mechanical を使用してファイルをインポートする
次のいずれかの手順を実行します。
[開く]をクリックします。
- [ファイル タイプ]の設定を適切に指定します(SolidWorks パーツ、Pro/ENGINEER パーツなど)。
- [オプション]をクリックし、ファイルを開くときに適用するオプションを設定します。
- 選択したファイルがサイレント モードで開き、CAD プログラムから Simulation Mechanical にパーツが転送されます。
ファイルのインポートが正常に完了すると、[モデル メッシュ設定]ダイアログ ボックスが表示されます。
または
- 開いている Simulation Mechanical ウィンドウに CAD ファイルをドラッグ アンド ドロップできます。
Autodesk Inventor を使用してファイルをインポートする
- ソフトウェアのインストール後に、Inventor リボンに[シミュレーション]タブが表示されます。[Simulation Mechanical 20xx]パネルもともに表示されます。
- [アクティブ モデルを起動]をクリックして FEA エディタ環境にモデルを転送します。
Inventor で定義した作業点をインポートする場合(「作業点をインポートする」を参照)、作業点は作図点として Simulation Mechanical に転送されます。メッシュにより作図点に節点が配置されます。詳細については、「作図点 - シード点」を参照してください。Inventor では原点の作業点は常に非表示になりますが、非表示の作業点はインポートされない点に注意してください。
注: Simulation Mechanical では、既存のモデルが更新されても作業点は削除されません。たとえば、Inventor のモデルをインポートし、作業点をインポートしたとします。その後、Inventor のモデルを修正し、新しい作業点を追加し、一部の既存の作業点を削除してから、Simulation Mechanical にエクスポートするとします。その際、作業点をインポートしないようにします。この場合、新しい作業点はインポートされませんが、元の作業点は残ります。元の作業点を削除するには、[選択]タブの[選択]パネルで[作図オブジェクト]をクリックし、削除する適切な作業点を選択します。
Inventor で定義した次の材料特性が Simulation Mechanical に転送され、パーツに割り当てられます。特定の解析を実行するために、Simulation Mechanical で追加の材料特性の入力が必要になる場合があります。
- 質量密度
- ヤング率
- ポアソン比
- 線膨張係数
- 降伏強さ
- 最大引張強度
- 熱伝導率
- 比熱
Autodesk Inventor Fusion を使用してファイルをインポートする
Simulation Mechanical 2014 インストールには、CAD による CAD ソリッド モデルまたは CAD 表面モデル作成用の Inventor® Fusion® 2013 が付属しています。ソフトウェアのインストール後に、Fusion リボンの[ホーム]タブに[シミュレーション]パネルが追加されます。[Simulation Mechanical]を選択して、CAD モデルを FEA エディタ環境に転送します。
Fusion で定義した材料特性が Simulation Mechanical に転送され、FEA パーツに割り当てられます。Simulation Mechanical 内で追加の材料特性を指定する必要が生じる場合があります。
詳細は、「Inventor Fusion 2013」で検索してください。
Pro/ENGINEER を使用してファイルをインポートする
- ソフトウェアのインストール後に、Pro/ENGINEER のプルダウン メニューに[Autodesk Simulation]プルダウン メニューが追加されます。
- [Autodesk Simulation]プルダウン メニューの[モデルを単純化]コマンドを選択して、モデル内の一部の複雑なフィーチャ(フィレットや寸法など)を必要に応じて抑制します。
- [Autodesk Simulation]プルダウン メニューの[シミュレーションを開始]コマンドを選択して、モデルを FEA エディタ環境に転送します。
Pro/ENGINEER で定義したデータム点は、作図点として Simulation Mechanical に転送されます。メッシュにより作図点に節点が配置されます。詳細については、「メッシュ作成の概要」の「CAD ソリッド モデルをメッシュ化する」の「作図点 - シード点」を参照してください。
注: [Autodesk Simulation]メニューが表示されない場合は、
『Autodesk インストレーションおよびライセンス ガイド』の
「Simulation Mechanical の補足情報」の「
CAD 設定とトラブルシューティング」を参照してください。
Rhinoceros を使用してファイルをインポートする
- ソフトウェアのインストール後に、Rhinoceros のプルダウン メニューに[Autodesk Simulation]プルダウン メニューが追加されます。
- [Autodesk Simulation]プルダウン メニューの[シミュレーションを開始]コマンドを選択して、モデルを FEA エディタ環境に転送します。
SolidWorks を使用してファイルをインポートする
- ソフトウェアのインストール後に、SolidWorks のプルダウン メニューに[Autodesk Simulation]プルダウン メニューが追加されます。
- [Autodesk Simulation]プルダウン メニューの[モデルを単純化]コマンドを選択して、モデル内の一部の複雑なフィーチャ(フィレットや寸法など)を必要に応じて抑制します。
- [Autodesk Simulation]プルダウン メニューの[シミュレーションを開始]コマンドを選択して、モデルを FEA エディタ環境に転送します。
SolidWorks で定義したすべての材料特性が Simulation Mechanical に転送され、パーツに割り当てられます。特定の解析を実行するために、Simulation Mechanical で追加の材料特性の入力が必要になる場合があります。
アセンブリレベルのフィーチャが Simulation Mechanical に転送されます。たとえば、アセンブリ内の 2 つのパーツを通過するドリル穴が転送の対象になります。穴をパーツごとに個別に配置する必要はありません。
SpaceClaim を使用してファイルをインポートする
- ソフトウェアのインストール後に、SpaceClaim のリボン バーに[Autodesk Simulation メッシュ]タブが追加されます。
- [Autodesk Simulation]の[シミュレーションを開始]コマンドを選択して、モデルを FEA エディタ環境に転送します。表示パーツと非表示パーツの両方が転送されます。
- SpaceClaim で定義した次の材料特性が Simulation Mechanical に転送され、パーツに割り当てられます。特定の解析を実行するために、Simulation Mechanical で追加の材料特性の入力が必要になる場合があります。
- 質量密度
- ヤング率
- ポアソン比
- 線膨張係数
- 最大引張強度
- 熱伝導率
- 比熱
注: ファイル名、またはファイルの保存先のパスに含まれるフォルダ名に次の文字が含まれているモデルは、Simulation Mechanical に転送されない場合があります。
CAD と Simulation Mechanical 間の自動調整
CAD モデルのメッシュを作成すると、CAD モデルと Simulation Mechanical モデルとの間に接続が確立され維持されます。CAD パッケージと Simulation Mechanical を起動した状態で CAD モデルを修正すると、CAD モデルの転送後に Simulation Mechanical モデルが自動的にサーフェス メッシュ処理されます。その際、前回のメッシュ作成設定が適用されます。保持される前回のメッシュ作成設定には、メッシュ サイズ、細分化節点、作図点などがあります。CAD パッケージまたは Simulation Mechanical が閉じている場合は、CAD モデルの転送後にメッシュ作成プロセスを開始する必要があります。ただし、同じメッシュ設定が保持されます。自動調整をサポートしている CAD パッケージを次に示します。
CAD パッケージ
|
サーフェス自動調整
|
エッジ自動調整
|
AutoCAD (.DWG および .DXF) |
[いいえ] |
[いいえ] |
Autodesk Inventor |
有効 |
有効 |
Autodesk Inventor Fusion |
有効 |
有効 |
Creo Parametric |
[はい] |
[いいえ] |
Pro/ENGINEER Wildfire |
[はい] |
[いいえ] |
Rhinoceros |
[はい] |
[いいえ] |
SolidWorks |
[はい] |
[いいえ] |
SpaceClaim |
[はい] |
[いいえ] |
Simulation Mechanical に材料特性を転送する CAD アプリケーションの場合、CAD モデルの変更時に Simulation Mechanical での CAD の材料の自動調整を維持するかどうかをコントロールするには、[ツール]、[オプション]、[CAD インポート]タブの順に選択し、[グローバル CAD インポート オプション]を指定します。詳細については、「[CAD インポート]タブ」を参照してください。
注: CAD モデルの単位も Simulation Mechanical に転送されます。多くの場合、長さの単位のみが CAD で設定され、エネルギー、時間、温度など、その他の単位は Simulation Mechanical で設定されます。必要に応じて、これらの設定は、ツリー表示の[モデルの単位系]エントリを右クリックし、[編集]の[現在のモデルの単位]を選択して変更できます。長さの単位を Simulation Mechanical で変更した後、CAD モデルを再度転送すると、長さの単位は再度 CAD モデルの単位に設定されます。つまり、長さの単位が自動調整されます。これは、元の単位がモデルの寸法であるため必要になります。その他の単位を Simulation Mechanical で変更した場合、CAD モデルを再度転送しても単位は変更されません。したがって、その他の単位は自動調整されません。
サーフェス自動調整をサポートする CAD パッケージは、Simulation Mechanical に修正済みモデルを転送する際に、サーフェスに基づいた荷重および拘束条件を維持します。サーフェス自動調整をサポートしないパッケージの場合、修正済みモデルの転送時にサーフェス荷重を再適用する必要はありません。単純にモデルのメッシュを再作成する場合、どのケースでもサーフェス荷重は維持されます。
エッジ自動調整をサポートする CAD パッケージは、Simulation Mechanical に修正済みモデルを転送する際に、エッジ荷重およびエッジ拘束条件を維持します。エッジ自動調整をサポートしないパッケージの場合、修正済みモデルの転送時にエッジ荷重を再適用する必要はありません。単純にモデルのメッシュを再作成する場合、どのケースでもエッジ荷重は維持されます。
節点荷重および節点拘束条件は、CAD モデルとの自動調整機能がありません。このため、Simulation Mechanical に修正済みモデルを転送する際に再適用する必要があります。単純にモデルのメッシュを再作成する場合、節点荷重も再適用されます。