TCP/IP のセットアップ

3ds Max は、ネットワーク レンダリングに標準のネットワーク プロトコル、TCP/IP を使用します。TCP/IP は、TCP と IP の 2 つの頭字語から成っています。TCP (Transport Control Protocol)は、アプリケーション間でデータをやり取りします。IP (Internet Protocol)は、アプリケーションと物理ネットワークの間でデータをやり取りします。レンダリング ネットワーク内の各コンピュータが、このプロトコルを使用するよう構成されている必要があります。

続行する前に、以下の事項を確認してください。

他のマシンと通信するためには、TCP/IP プロトコルを、ネットワーク アダプタまたはネットワーク インタフェース コントローラ(NIC)と呼ばれるデバイスにバインドする必要があります。通常、ネットワーク アダプタはネットワーク カードですが、モデム経由でインターネットに接続されている場合は、ダイアルアップ アダプタ(モデム)を使用します。

TCP/IP は、IP アドレスを使用して、ネットワーク上のコンピュータを識別します。便宜上、コンピュータには実際の名前を割り当てることができます。IP アドレスは、たとえば、192.100.100.1 のようにピリオドで区切られた 4 つの整数部分で構成されます。

IP アドレスは(上の例のように)固定である場合と、ネットワークに接続するたびに、DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol)と呼ばれるシステムによって自動的に、ダイナミックに割り当てられる場合があります。

3ds Max は、NIC 番号を使用します。NIC 番号は、各ネットワークに割り当てられた、ネットワーク内の各マシンを識別する一意のシリアル番号であると考えることができます。IP アドレスは通常、DHCP を使用するマシンが再起動されるたびに変わるため、この NIC 番号によって DHCP の使用が可能になります。

一部のケースでは、固定の IP アドレスを指定した方がよいこともあります。たとえば以下のような場合です。

固定アドレスを使用する場合、IP アドレスを正しく割り当てることが重要です。この手順では、TCP/IP の構成で使用するため、マシン名と対応する IP アドレスのリストを作成します。また、このリストは、3ds Max のレンダリング サービスをインストールするときにも使用します。

DHCP によってダイナミックに IP アドレスを割り当てている場合や、セッション間で IP アドレスが変わる可能性がある場合は、マネージャ名を使用すると特に便利です。

1 つの閉じたネットワークでは、他のネットワーク ドメインの IP アドレスとの競合についてそれほど心配する必要はありません。ただし、アドレスは一貫したパターンに従っており、ネットワーク内で一意であある必要があります。

警告: 大企業などのオープン ネットワークでは、IP アドレスを変えてはなりません。このような場合は、重大な結果をもたらす可能性があるため、必ずシステム管理者と協力して、IP アドレスの変更を行ってください。

次のステップ

TCP/IP の構成

手順

マシン名と IP アドレスを作成するには:

  • マシン名と IP アドレスのリストを作成します。

    後で別のネットワークとの互換性が必要になるということが明らかである場合を除いて、以下のリストをモデルとして使用します。

    マネージャ マシンはサーバとしても機能できるため、以下のリストのように、サーバから IP アドレスに合わせて名前を付けていきます。ネットワーク レンダリングでは、1 台の任意のマシンがマネージャとして機能できるということを覚えておいてください。IP アドレスと同じく、それぞれの名前も一意である必要があります。また、IP アドレスの一番後ろの組(オクテット)では、0 ~ 255 の数値を使用してはなりません。これらの値は予約されています。

警告: マシン名は、数値で始まってはなりません。また、名前にスペース、アンダースコアを含むことはできません。これらの名前は TCP/IP で違反となります。 ネットワーク レンダリング システムで予期せぬ動作を引き起こします。
マシン名 IP アドレス
server001 192.100.100.1
server002 192.100.100.2
server003 192.100.100.3
... ...
server254 192.100.100.254