屈折マップ

ビットマップ ファイルまたは[反射/屈折](Reflect/Refract)などの手続き型マップを使用して、オブジェクトの屈折を制御できます。

[屈折](Refract)では、屈折オブジェクトを通じてシーンやバックグラウンドが表示される

屈折マップの使用は、反射マップの使用に似ています。屈折マップではサーフェスにビューをマッピングする際、イメージをサーフェスに反射させるのではなく、サーフェスを通して見えているように表示します。

反射マップと同様に、屈折マップはマッピング座標を必要としません。これは、屈折マップの向きがオブジェクトではなくワールド座標系にロックされているためです。つまり、オブジェクトを移動したり回転したりしても、屈折したイメージの位置は固定されたままです。

屈折指数の設定

屈折するオブジェクトの物理プロパティはイメージを歪めることがあります。このパラメータは、親マテリアルで制御します。

屈折率

屈折指数(IOR)は、マテリアルが透過照明を屈折させる量を制御します。空気の IOR は 1.0 で、透明オブジェクトの向こう側にあるオブジェクトは歪んで見えません。IOR が 1.5 になると背後のオブジェクトが大きく歪みます(マーブル模様になります)。IOR を 1.0 よりわずかに低い値に設定すると、オブジェクトがそのエッジで反射して、水中の泡のように見えます。既定値は 1.5 です。これは典型的なガラスの IOR です。

一般的な IOR 値は次のとおりです(カメラが空気中、または真空状態にあると仮定します)。

マテリアル IOR 値
真空 1.0
空気 1.0003
1.333
Glass 1.5 to 1.7
ダイアモンド 2.418

現実の世界では、IOR は透明なマテリアルと、目やカメラが置かれている媒体を通して伝わる光の相対速度で得られます。一般に、この値は、オブジェクトの密度に比例します。IOR の値が大きくなるほど、オブジェクトの密度は高くなります。

マップを使って屈折指数を制御することもできます。IOR マップは、常に 1.0 (空気の IOR)と IOR パラメータの設定の間の値がとられます。たとえば、IOR を 3.55 に設定して、黒と白のノイズ マップを使用して IOR を制御する場合、オブジェクトでレンダリングされる IOR の値は 1.0 から 3.55 の間になります(オブジェクトは空気の場合よりも屈折します)。これに対して IOR を 0.5 に設定した場合は、同じマップの値は 0.5 から 1.0 の間でレンダリングされます。まるでカメラが水面下にあり、オブジェクトが水よりも低密度のような状態です。

その他のマテリアルの IOR 値は次のとおりです。

マテリアル IOR 値
カーボンニ酸化物、液体 1.200
1.309
アセトン 1.360
エチル アルコール 1.360
濃度 30 % の砂糖水溶液 1.380
アルコール 1.329
蛍石 1.434
融解石英 1.460
Calspar2 1.486
濃度 80 % の砂糖水溶液 1.490
Glass 1.500
亜鉛クラウン ガラス 1.517
クラウン ガラス 1.520
塩化ナトリウム 1.530
塩化ナトリウム(塩) 1 1.544
ポリスチレン 1.550
石英 2 1.553
エメラルド 1.570
軽いクリスタル ガラス 1.575
ラピス ラズリ 1.610
トパーズ 1.610
カーボン重亜硫酸塩 1.630
石英 1 1.644
塩化ナトリウム(塩) 2 1.644
重いクリスタル ガラス 1.650
メチレン ヨー化物 1.740
ルビー 1.770
サファイヤ 1.770
最も重いクリスタル ガラス 1.890
クリスタル 2.000
ダイアモンド 2.418
クロム酸化物 2.705
銅酸化物 2.705
非晶質セレニウム 2.920
ヨード クリスタル 3.340
ヒント: 屈折マップとして使用される[反射/屈折](Reflect/Refract)マップ タイプは、グラスの水の中にある鉛筆のような、オブジェクトに囲まれたマテリアルを効果的にモデル化しません。この効果には、[薄壁屈折](Thin Wall Refraction)または[レイトレース](Raytrace)マップ タイプを使用します。

手順

自動屈折を作成するには:

  1. 「屈折」のマップ ボタンをクリックします。

    3ds Maxマテリアル/マップ ブラウザを開きます。

  2. [マップ](Maps) [標準](Standard) [反射/屈折](Reflect/Refract)の順に選択し、[OK]をクリックします。

    または、 スレート マテリアル エディタを使用して屈折コンポーネントに[反射/屈折](Reflect/Refract)マップ ノードをワイヤリングできます。

  3. 親マテリアルの[マップ](Maps)ロールアウトで、マテリアルの屈折度を制御する量を調整してください。

    マテリアルは不透明度の設定に関係なく、100 % の屈折量で最大屈折となります。0 % の屈折量でマップはオフになります。屈折量が 100 % 未満の場合、透明度は[反射/屈折](Reflect/Refract)マップと[不透明度](Opacity)設定の両方で制御されます。

ビットマップを屈折マップとして割り当てるには:

  1. [マップ](Maps)ロールアウトで[屈折](Refraction)の[マップ タイプ](map)ボタンをクリックします。

    3ds Maxマテリアル/マップ ブラウザを開きます。

  2. [マップ](Maps) [標準](Standard) [ビットマップ](Bitmap)の順に選択し、[OK]をクリックします。

    または、 スレート マテリアル エディタを使用して、屈折コンポーネントに[ビットマップ](Bitmap)ノードをワイヤリングできます。

    3ds Max のファイル ダイアログ ボックスが開きます。

  3. ビットマップ ファイルを選択するには、ファイル ダイアログ ボックスを使用します。
  4. 親マテリアルの[マップ](Maps)ロールアウトで、マテリアルの屈折度を制御する量を調整してください。

    ビットマッピングされた屈折の場合は、マップの量を抑える必要はありません。