概要 - 図面比較

プロジェクトの設計、開発、構築段階で、図面と改訂の効率的なレビューを行うことが重要です。図面比較機能は、複数のバージョンの図面の視覚的な比較、および提示された変更のレビューを簡単かつ迅速に行うことができるようにします。

通常のプロジェクトでは、図面を作成し、補足情報を追加するときに、複数のレビューを必要とします。図面比較では、レビュー図面とプロジェクト図面を比較します。AutoCAD Architecture に加えて、図面比較を使用すると、AutoCAD、Revit MEP、Revit Architecture、Revit Structure の図面を比較できます。元の図面はプロジェクト図面です。改訂され、評価の対象となる図面がレビュー図面です。

この比較処理は、図面をトレーシング ペーパーまたは透明シートで受け取って、元のプロジェクト図面にかぶせて比較する方法と似ています。図面比較では、使用する図面にあるオブジェクトに関する情報データと、図面画面上のグラフィックス変更が表示されます。

レビュー図面を選択し、それに対応するプロジェクト図面([図面比較]パレットの[セットアップ]タブにある)と比較します。比較を行った後には、[図面比較]パレットの[レビュー]タブ上と作図領域内に結果が表示されます。

図面比較では、レビュー図面で修正、追加、または除去されたオブジェクトが識別されます。オブジェクトの状態(修正済み、新規、または除去済み)に基づいて色が割り当てられ、変更の一覧が生成されます。

図面比較パレット

次の例では、比較セッション中にどのような情報が図面比較によって表示されるかを示すために、簡単な平面図が修正されています。レビュー図面は、プロジェクト図面への変更によって、下の縦の内壁セグメントが左に移動された結果、横の内壁セグメントが短くなり、右の外壁セグメントに外部へのドアが追加され、上の外壁セグメントから窓が除去されていること示しています。

図面が比較されると、変更のタイプに基づいて色でコード分けされた変更が表示されます。

変更についての情報は、[レビュー]タブの[オブジェクト レポート リスト]にも表示されます。

図面比較のファイル編成

AutoCAD Architecture プロジェクト(図面管理機能)には、建物の管理、表示、建設に役に立つ自動化ツールが備わっています。使用する図面は、構造化されたプロジェクトにある必要はありませんが、図面比較は、前記の条件で最適に動作します。プロジェクト環境で作業している場合、図面比較では、図面ファイルのコレクションをプロジェクトの形で編成されているものとして識別する Autodesk プロジェクト情報(APJ)ファイルが認識されます。チームのさまざまなユーザが、プロジェクトにアクセス、共有、リダイレクトして、プロジェクト設定の最上位のフォルダにある図面をレビューできます。

AutoCAD Architecture の構造化されたプロジェクトで作業していない場合は、元の図面はプロジェクト フォルダに整理し、レビュー用改訂済み図面はレビュー フォルダに整理します。比較が正常に実行されるように、プロジェクト図面はすべて同じ最上位フォルダに含まれている必要があります。図面比較を開始するときに、プロジェクト フォルダとレビュー フォルダの両方に対してこれらのソース フォルダを指定します。図面がプラン、立面図、および断面図として大まかに編成されている場合は、次のようになります。

図面比較の一般的なガイドライン

図面比較はモデル空間でのみ機能します。比較のために選択された図面がペーパー空間に保存された場合、図面比較によって自動的にモデル タブに切り替わります。シートのコンテンツは、ペーパー空間専用であるため、図面比較では[プロジェクト図面を選択]ペインでプロジェクト図面のリストにシートは表示されません。

図面比較によって、現在の図面状態のスナップショットが作成されます。レビュー プロセスがアクティブな状態でプロジェクトの図形の修正や、注釈尺度の変更などを行った場合、変更の結果は、新しい比較を実行するまで表示されません。

図面比較のセッション中は、画面に開いている図面は、オーバーレイされているレビュー図面の画面上に表示されたイメージを持つプロジェクト図面になります。変更はすべてプロジェクト図面で行われます。プロジェクト図面に対して行った変更内容は保存できますが、プロジェクト図面を持つレビュー図面を合成したり、レビュー図面を修正することはできません。

図面比較は、統合ツールではありません。図面比較プロセスが完了し、2 つの図面の差異が収集された後、レビュー図面がプロジェクトに自動的に統合されるわけではありません。レビュー図面および関連するすべてのファイル(外部参照ファイルやイメージ ファイルなど)を適切な場所に手動で統合し、コピーする必要があります。

注: 比較で収集されるデータは保存されません。図面比較を終了すると、比較結果は破棄されます。