メタデータとは、データに関するデータです。空間メタデータでは、確立された標準に従って GIS データを記述し、マップの使用者の理解を助けます。標準に従ってデータを編成することにより、データの効率的な管理、データ品質の保証、データの共有が可能になります。AutoCAD Map 3D では、DWG のメタデータ、DWG のリソース(オブジェクトやフィーチャ クラスなど)、非 DWG ファイルを自動的に生成できます。
AutoCAD Map 3D では、現在 FGDC CSDGM Standard と ISO 19139 の 2 つの空間メタデータの標準をサポートしています。
FGDC 形式のメタデータのページ例
1998年に、Federal Geographic Data Committee (FGDC) によって 『Content Standard for Digital Geospatial Metadata』の ( FGDC CSDGM Standard ) がリリースされました。この手引書の目標は、世界中のさまざまな機関や地域間で空間の電子情報の共有を促進することです。米国には、この標準に準拠する空間メタデータの作成が必要な機関もあります。
FGDC 標準では、GIS メタデータの主な 7 つのセクションが指定されています。 各セクションには、複数のデータ要素と複合要素が含まれます。各要素は、次の条件のいずれかに一致する必要があります。
条件つきの要素は「該当する場合のみ必須」になります。たとえば、特定のデータ セットに、FGDC で定義する配布情報がないか不要な場合は、[詳細情報]領域内の一部のフィールドが必須の場合でも、この領域のフィールドを完全に入力する必要はありません。
情報のタイプ | 説明 | 要件 | 関連エディタ |
---|---|---|---|
識別情報 | データの基本的な情報 | 必須 | 連絡先情報エディタ(FGDC メタデータ) |
Data Quality Information(データ品質情報) | データの全体的な品質 | 条件つき | 用例情報エディタ(FGDC メタデータ) |
Spatial Data Organization Information(空間データ編成情報) | 空間情報のデータ内での表現方法 | 条件つき | 空間データ編成情報エディタ(FGDC メタデータ) |
Spatial Reference Information(空間参照情報) | データの空間参照(座標など)の詳細 | 条件つき | 平面座標系定義エディタ(FGDC メタデータ) |
Entity and Attribute Information(要素体と属性の情報) | データの機能および制限 | 条件つき | 属性ドメイン値エディタ(FGDC メタデータ) |
詳細情報 | データの提供者および取得方法 | 条件つき | 標準オーダー処理エディタ(FGDC メタデータ) |
メタデータ参照情報 | メタデータがどのくらい最新か、およびデータの所有者 | 必須 | 期間情報エディタ(FGDC メタデータ) |
GIS データは極めて一般的なため、この標準でフォーマットされたデータは米国外でも利用することができます。たとえば、FGDC 標準は ISO 19139 と多くのフィールドを共有しています。FGDC および GIS メタデータ標準の詳細は、http://www.fgdc.gov/metadata を参照してください。
AutoCAD Map 3D は ISO 19139 をサポートしています。AutoCAD Map 3D のバージョンが米国用以外の場合は、既定で ISO を使用して構成されます。異なる標準に切り替える必要がある場合は、[メタデータ オプション]ダイアログ ボックスで切り替えることができます。