パフォーマンスを最適化するために、以下の操作を行うと効果的です。
メモリ
- 操作履歴を制限しないと、制限した場合に比べて多くのメモリを消費します。プリファレンス(Preferences)ウィンドウの元に戻す(Undo)待ち行列のサイズ(Queue size)は、既定で 50 に設定されています。
- Windows XP の Large Address Awareness (3 GB まで)を活用します。
- 可能な場合は、インスタンス化を使用します。これには、ジオメトリ、マテリアル、テクスチャ、ライティングなどのインスタンス化が含まれます。
- 場合によっては、並行メモリ コピーにより、Opterm システムまたは Nehalem システムの処理速度が向上する可能性があります。しかし、それによって Xeon システムの処理速度が落ちる可能性はあります。処理速度に影響があると判明した場合は、MAYA_NO_PARALLEL_MEMCPY を使用して並行メモリ コピーを無効にします。ただし、シーンの複雑さや作業負荷など、他にも Maya の処理速度に影響を及ぼす可能性のある要因があることに留意してください。
IK、ディペンデンシー ループ、パフォーマンス
- ファイルをロードしたあと待機カーソルが表示され、すべての CPU サイクルを長い時間(少なくとも数分間) Maya が使用する場合があります。この問題は、IK ループとディペンデンシー ループを含むシーン ファイルで発生する傾向があります。
理想的な解決方法は、ディペンデンシー ループを見つけて除去することです。ディペンデンシー ループは見つけにくい場合があります。たとえば、A が pointConstraint B によって移動され、B はターゲット C を使用し、ターゲット C の親が D であり、D はエクスプレッション E によって回転され、エクスプレッション E の入力は F であり、F は G によって制約(コンストレイント)され、その G が A の子オブジェクトであるという複雑なケースも考えられます。1 つのヒントとして、数多くの異なるノード上のアトリビュートに対して出力を行うエクスプレッションに注意します。
つまり、複雑なシーンは評価に時間がかかるため、ファイルのロードに時間がかかることがあります。
ポリゴン描画キャッシュ
- Maya では、ポリゴン描画キャッシュを使用すると通常、速度とパフォーマンスが向上します。ただし、Maya で特定の大容量ファイルをロードする場合、ポリゴン描画キャッシュを使用することで Maya のメモリ使用量がシステムのアプリケーションの使用可能メモリを超えて不安定になる可能性があります。
(注: Windows と Linux の Maya の 64 ビット バージョンではこの問題の発生を防ぐのに十分なメモリ空間を提供しています。)
ポリゴン描画キャッシュを無効にして、大容量ファイルをより簡単にロードすることもできます。MAYA_DISABLE_POLYGON_DRAW_CACHE という名前の環境変数があります。ポリゴン描画キャッシュを無効にするには、この変数を 1 に設定します。
ポリゴン描画キャッシュを無効にすると、インタラクティブな描画パフォーマンスが遅くなります。この環境変数を 1 に設定したままにせず、この問題が発生するファイルで作業する場合にのみ変数を設定することをお勧めします。
Animation
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「評価マネージャを使用してパフォーマンスを向上させる」を参照し、評価マネージャ(Evaluation Manager)を使用してキャラクタ リグの再生と操作の両方の速度を向上する方法を確認してください。新しいシステムは、使用可能なコンピューティング リソース(コアとグラフィックス プロセッサ)を活用するためにマルチスレッド化されています。
- を使用して、インフルエンスの最大数の制限、使用されていないインフルエンスの除去、影響の少ないインフルエンスの削除を行います。
- デフォーマの編集 > メンバーシップの削減(Edit Deformers > Prune Membership)を使用し、デフォーマによる影響を受けないコンポーネントを除去します。
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プロファイラ(Profiler)を使用します。プロファイラ(Profiler)では、各プロセスが使用する時間の長さを記録してグラフに示すことにより、シーンのパフォーマンスのボトルネックを特定することができます。詳細については、「シーンをプロファイルしてパフォーマンスを向上させる」を参照してください。
オーディオ
- Maya に読み込まれたオーディオ ファイルを使用しているときに、バックグラウンドでオーディオ機能を使用するアプリケーションを実行することはお勧めしません。オーディオを使用する他のアプリケーションを実行すると Maya がハングアップする恐れがあります。
ファー
- Fur Feedback ヘアのファー精度(Fur Accuracy)の値を低くするとインタラクティブな描画スピードは大幅に向上します。ただし、縮れ(Scraggle)、カール(Curl)または束(Clumping)のプレビューが難しくなります。
- シャドウ マップ(Shadow Maps)をレンダーするとリソースを大量に消費するので、必要以上に使用しないようにしてください。自動シェーディングはリソースを消費せず、Maya ソフトウェア(Maya Software) レンダラを使用していれば、いくつかの取り込み可能なライトが提供されます。
モデリング
- ポリゴンの三角形の再使用(Reuse Triangles)アトリビュートを使用します。
- ポリゴンの削減(Poly Reduce)を使用し、複雑なジオメトリを簡素化します。ポリゴン モデルは、共有されていない法線、共有されていないテクスチャ座標、マッピングされていないフェース、三角ポリゴンではない(三角化されていない)フェースを含まない方が表示速度が速くなります。
ダイナミクス
- リジッド ボディ ジオメトリの代替物(Stand In)アトリビュートを使用します。
- シミュレーションを開始したり設定したりする際は、パーティクル上のジオメトリが少ない状態で開始します。
クラシック Cloth
- 初期設定またはシミュレーションのテストのときは、クラシック Cloth (Classic Cloth)衝突をオフにします。
- アニメート設定をフレーム サンプル(Frame Samples)や時間ステップ サイズ(Time Step Size)などにすると、シミュレーション速度が向上します。
- バッチ モードでシミュレーションを行います。
レンダリング
- レンダーの診断(Render Diagnostics)を使用すると、パフォーマンス向上のためのヒントが得られます。詳細については、Maya のレンダー診断を参照してください。
- 複製されたシェーディング ネットワークを除去します。
アーティザン
- 可能な場合は、スタンプ間隔(Stamp Spacing)を広げます(3D ペイント ツール(3D Paint Tool)エディタのストローク(Stroke)セクション)。
- 可能な場合は、スクリーンから投影(Screen Projection)を使用します(アーティザン ツール(Artisan Tool)設定エディタのストローク(Stroke)セクション)。
ペイント エフェクト(Paint Effects)
- ペイント エフェクト ツール設定(Paint Effects Tool Settings)エディタで、表示精度(Display Quality)を下げます。