流体力学要素では、流れの詳細を考慮せずに、固体に対する流体の相互作用をシミュレートできます。(スロッシングなどの)流体のモーションは考慮されないため、これらの要素は流体量が多い場合にのみ適しています。流体と固体との間の相互作用は通常、静水圧力荷重を使用して行われます。ただし、流体力学要素は、そのコンテナが移動または変形するときに流体の慣性を考慮するため、流体と固体の相互作用をより正確に表現できます。
流体力学要素では、せん断応力が無視可能であること、ひずみエネルギーが体積ひずみのみに依存することが想定されます。
U = 0.5*K*ε v 2
K および ε v は、それぞれ体積弾性率および体積ひずみです。これにより、正常静水体積応答は P = K*ε v になります。
2D 流体力学要素は、アイソパラメトリック 4 辺形または 3 角形要素です。これらの幾何学的タイプでは、中間節点を設定できます。4 辺形要素は 4 節点、または中間節点を含んだ場合は 8 節点です。3 角形要素 3 節点、または中間節点を含んだ場合は 6 節点になります。中間節点は、流体の大規模な動きを記述する場合に必要とされます。
これらの要素は、全体 YZ 平面に限定されます。要素では、平面(平面ひずみ条件)または軸対称条件を表現できます。どちらの場合でも、各要素節点には、2 並進自由度(Y および Z 方向)があります。
非線形解析では、2 つのタイプの 2D 要素を使用できます。これらのタイプは、[要素定義]ダイアログの[一般]タブにある[幾何モデル タイプ]ドロップダウン ボックスで選択できます。
図 1: 2D 線対象モデル
図 2: 2D 平面ひずみ
一般的な FEA 解析では、要素の方向を無視できます。要素の方向設定機能は、直交性材料モデルの要素で使用したり、ローカル要素座標系で応力を解釈する場合に使用すると便利です。これは、[要素定義]ダイアログの[方向]タブで設定します。[方法]ドロップダウン ボックスには、要素のどちら側面が ij 側になるのかを指定する場合に使用できる 3 つのオプションがあります。[既定]オプションを選択すると、最も高い表面番号を持つ要素の側面が ij 側として選択されます。[I 節点方位]オプションを選択すると、[X 座標]、[Y 座標]および[Z 座標]フィールドで座標を定義する必要があります。この点に最も近い要素の節点が、i 節点として指定されます。j 節点は、反時計周りに移動する要素の次の節点になります。[IJ 辺の方位]オプションを選択すると、[Y 座標]および[Z 座標]フィールドで座標を定義する必要があります。この点に最も近い要素の側面が、ij 側として指定されます。i および j 節点が割り当てられるため、要素に沿って反時計回りに移動することで、i 節点から j 節点に達することができます。
[高度]タブの[解析定式化]ドロップダウン ボックスを使用して、2D 要素に使用する定式化方法を選択します。[非線形材料に限る]オプションを選択すると、非線形材料モデルの効果は考慮されますが、すべての計算は変形していないジオメトリに基づき実行されます。[Total Lagrange法]オプションを選択した場合は、静的変数および動的変数すべてについて、変形されていないモデルの初期構成が参照されます。[Updated Lagrangian 法]オプションでは、すべての静的および運動学的変数に対して、モデルの最後に計算された設定が参照されます。
次に、このパーツの 2D 要素で使用する積分オーダを[積分オーダ]ドロップダウン ボックスで選択します。長方形の要素には、[第 2 オーダ]を選択します。中程度に変形した要素には、[第 3 オーダ]を選択します。過度に変形した要素には、[第 4 オーダ]を選択します。要素剛性の定式化にかかる計算時間は、積分オーダの 3 乗に比例して増大します。したがって、受け入れ可能な結果を生成する最も低い積分オーダを使用すると、処理時間を短縮できます。
このパーツで、中間節点をアクティブにする必要のある 2D 要素には、[中間節点]ドロップダウン ボックスの[含む]オプションを選択します。このオプションを選択すると、2D 要素では、各エッジの中間点に追加の節点が定義されます。これにより、4 節点の 2D 要素が 8 節点の 2D 要素に変更されます。中間節点を含む要素では、より正確に計算された勾配が結果として生じます。要素に中間節点が含まれる場合、処理時間が長くなります。メッシュが極めて小さい場合は、中間節点による大幅な正確性向上は見込めないことがあります。