固有値解析

解析する周波数/モードの数を定義する

[解析パラメータ]ダイアログ ボックスで、解析する周波数/モードの数を[計算する周波数/モードの数]フィールドに指定します。モデルが十分に拘束されていないため、剛体運動(自由物体運動)が発生する場合は、この入力に剛体モードの数量も含む必要があります。したがって、モードの合計数には、x 剛体モードおよび y 弾性モードが含まれます例えば、5 つのモードが必要で、モデルに 3 つの剛体モードがある場合には、8 つのモードを要求します。

[下限周波数]フィールドは、[解法]タブの[ソルバーのタイプ]オプションが[サブスペース AMG]に設定されている場合は使用できず、グレー表示されます。このフィールドが使用可能な場合は、モデルの最低の固有周波数を省略するために使用します。プロセッサでは、要求した周波数の数量の解析は、この値より上の最初の固有振動数から開始されます。特定のレベルより低い周波数によって構造が影響を受けないことが分かっている場合、このフィールドを使用して処理時間を短縮することができます。

[上限周波数]フィールドは、[解法]タブの[ソルバーのタイプ]オプションが[サブスペース AMG]に設定されている場合は使用できず、グレー表示されます。このフィールドが使用可能な場合は、指定した周波数を下回る固定値が検出された時点で計算を終了するために使用します。上限周波数よりも高い固有値で、最も近い固有値が決定されると計算は終了します。上部の遮断周波数よりも小さい周波数が発生するモードだけが、後続の動的リスタート解析で使用されます。

モデルの剛体モードを考慮する

モデルの剛体モードは、運動が 6 つの自由度のいずれかにおいて発生する場合に発生します。線形静的応力の場合と同様に、モデルが十分に接続されていないことを示すエラー メッセージが表示されます。モード シェイプ プロセッサでは、剛体モードが発生した場合でもモデルの解析は実行されます。ただし、[解析パラメータ]ダイアログ ボックスの[一般]タブにある[剛体モードが予期されます]チェック ボックスをアクティブにする必要があります。例えば、拘束なしのビーム モデルで固有値解析を実行する場合、そのモデルは 3D 空間に存在し、6 つの自由度があるため、ほとんどの場合 6 つの剛体モードになります。モデルの剛体モードでは、ゼロまたはゼロに近い固有振動数が発生します。より多くの周波数を解析する場合は、この点を考慮することをお勧めします。

ビーム要素の回転質量を含める

ビーム モデルでねじりモードを想定する場合は、このオプションを選択します。このオプションでは、ビーム要素の回転質量の近似値が計算されます。このオプションを選択しない場合、ビーム要素は集中質量として表され、ねじりモードは計算されません。詳細については、「ビーム要素」を参照してください。

ソルバー オプション

解法オプション セクション

[解析パラメータ]ダイアログ ボックスの[解法]タブにある[ソルバーのタイプ]ドロップダウン メニューを使用して、解析で使用するソルバーのタイプを選択します。

注: 複数のスレッド/コアがコンピュータ システムで使用できる場合は、どちらのソルバーも方程式セットの計算に、それらをすべて使用します。また、どちらのソルバーも 64 ビット処理の利点を活用できます。

[メモリ割り当てのパーセンテージ]: スパース ソルバーでは、このフィールドは、要素データの読み込みおよびマトリックスのアセンブルに使用する利用可能な RAM の割合をコントロールします。スペース ソルバーを使用する場合は、小さな値を入力することをお勧めします。スケール ルーラを表示この入力フィールドは、サブスペース AMG ソルバーでは無効になります。この値は、解析全体の実行において、利用可能な RAM の使用量をコントロールします。値が 100% 以下となる場合は、使用可能な物理メモリが使用されます。100% より大きな値を指定すると、メモリ割り当てにより使用可能な物理メモリと仮想メモリが使用されます。既定値は 50% です。

上述したように、ソルバーはコンピュータに複数のスレッド/コアがある場合は、これらを利用します。[スレッド/コアの数]ドロップダウン メニューは、使用するスレッド/コアの数をコントロールします。解析の所要時間を最短にするために、利用できるすべてのスレッド/コアを使用できます。また、解析と同時に他のアプリケーションを実行する計算能力が必要な場合は、より少ない数のスレッド/コアを使用することを選択できます。

サブスペース反復セクション

[サブスペース反復]セクションは、サブスペース AMG ソルバーを使用している場合に、このソルバーにのみ適用されます。

スパース ソルバー セクション

スパース ソルバーを選択した場合、[スパース ソルバー]セクションが有効になります。このセクションでの入力内容は、次のとおりです。

出力コントロール

特定の結果と入力データはテキスト ファイルに出力できます。出力されるデータを制御するには、[解析パラメータ]ダイアログ ボックスの[出力]タブ内のオプションを使用します。

他の結果は、次のテキスト出力オプションで入手可能です。

これらの 2 つのオプションのテキストは、解析の概要ファイルに含まれており、レポート環境から参照可能です。

さらに、次の解析入力データは、概要ファイル内に必要に応じて含めることができます。

ネイティブの Simulation Mechanical のソルバーを使用した場合にオプションのバイナリ出力の生成をコントロールするには、[SimMech 応力/ひずみ]セクションの次の 2 つのオプションを使用します。(オプションのバイナリ出力は、結果環境で表示可能な結果コンターの生成に使用されます)...

高度な設定

解法において使用されるベクトルの数

解析で使用するベクトルの数は、[解析パラメータ]ダイアログ ボックスの[高度]タブにあるこのフィールドで指定できます。

サブスペース AMG ソルバーでは、ゼロを入力すると、プロセッサによってこの値は自動的に計算され、次の 2 つのうちの 最小 値になります。

  • 要求した周波数の数 + 8、または
  • 要求した周波数の 2 倍の数

スパース ソルバーでは、ゼロを入力すると、プロセッサの計算により、この値は要求した周波数の 2 倍の値になります。

ベクトルのゼロ以外の正の数を指定した場合、プロセッサはベクトルの数に、次の 2 つの選択肢のうち、 最大値 を使用します。

  • 要求したベクトルの数、または
  • 要求した周波数の数

[周波数シフト]

周波数シフトは、ソルバーで解法問題が発生したときに剛体モードが存在する場合に使用できます。例えば、解析では、負の対角の警告が発生する場合があります。シフトを適用して、負の対角を避けるために剛体モードを調整します。シフトの近似値は、最初の固有振動数(ラジアン/秒単位)の 2 乗です。これは、[解析パラメータ]ダイアログ ボックスの[高度]タブにある[周波数シフト]フィールドで指定します。

[リスタートファイルを保存しないでください]

いくつかの解析は、固有値解析の後で実行でき、その場合、その解析中に生成されたファイルを必要とします。それには、応答スペクトル解析、周波数応答解析、ランダム応答解析、過渡応答解析が含まれます。これらの解析を実行する計画がない場合は、[解析パラメータ]ダイアログ ボックスの[高度]タブにある[リスタートファイルを保存しないでください]チェック ボックスをオンにできます。

[剛性計算の後に停止]

このチェック ボックスをオンにすると、剛性マトリックスの生成後のプロセッサの解析実行を防ぐことができます。[マトリックスの問題の修正を試みて継続します]チェック ボックスをオンにすると、プロセッサは解析中に発生した負の対角を修正しようと試みます。

接触設定

接着連結の処理には 2 通りの方法があります。どちらの方法を使用するかは、2 つのパーツ間で節点が一致しているかいないかに基づきます。

[接触]タブの[スマート接着/溶接接触を有効化]オプションをアクティブにすると、パーツ A の節点、パーツ C 上で最も近い節点を持つサーフェス B、サーフェス D を接着する必要がある場合に多点拘束の方程式(MPC)が使用されます。形状関数によって、サーフェス B 上の節点の変位がサーフェス D 上の節点に補間されます。したがって、パーツ間でメッシュは一致する必要がありません。節点が一致しない場合、サーフェス接触上のすべての節点に対して MPC が使用されます。すべての節点でメッシュが一致する場合、接触サーフェスの結合に節点一致が使用されます。隣接するパーツ上の 2 つの節点が 1 つの節点に折りたたまれ、接触するサーフェスに MPC の方程式は使用されません。スマート接着のオプションを次に示します。

スマート接着オプションは、接着接触および溶接接触に適用されます。接触の定義とスマート接着の使用に関する追加の情報については、「接触のタイプ」ページを参照してください。

既定では、スマート接着は縮合法を使用して解析の解を求めます。解析が収束しなかったり、想定どおりに実行されない場合は、MPC 方程式で使用する別の解法を選択することもできます(「多点拘束」を参照)。[セットアップ] [荷重] [多点拘束]をクリックし、[解析手法]オプションから選択します。 [ペナルティ法]を使用する場合、[ペナルティ乗数]フィールドを使用することによって、解の精度をコントロールできます。ペナルティ解析時に、モデル内の最大斜め剛性を乗じるペナルティ乗数が使用されます。10 4 ~ 10 6 の範囲の値を指定することをお勧めします。

注:
  • [多点拘束を定義]ダイアログ ボックスで選択した解法は、MPC を含むすべての機能で使用される解法になります。これらの機能には、周期対称、摩擦なし拘束、スマート接着、ユーザ定義の MPC などがあります。たとえば、ペナルティ法を使用して、スマート接着に関連するすべての解析の解を求める場合、[多点拘束を定義]ダイアログ ボックスで[ペナルティ法]を選択して、既定の縮合法をオーバーライドすることができます。
  • スマート接着は、ブリック要素、2D 要素、膜要素、およびプレート要素間の接触に適用されます。他の要素タイプを含む接着接触では、節点が一致している必要があり、スマート接着の設定による影響を受けません。

[スマート接着/溶接接触を有効化]チェック ボックスをオフにすると、パーツ間で節点が一致している場合にのみパーツが接着されます。