マテリアル シェーダ dgs_material および dielectric_material は、異なる反射と屈折の物理ベースモデルを実装します。
dgs_material マテリアル シェーダは、鏡、光沢のあるペイントやプラスチック、光沢のある異方性マテリアル(ブラシ仕上げの金属など)、拡散マテリアル(紙など)、半透明マテリアル(すりガラスなど)、およびこれらのあらゆる組み合わせをシミュレートします。このシェーダはシャドウ シェーダとしては使用できません。シャドウは直線的な光線に沿ってのみ計算でき、DGSマテリアルの定義はこれに一致しないからです。DGS オブジェクトからの部分的なシャドウに隠れたオブジェクトを照らす場合は、グローバル イルミネーションを使用します。
color "dgs_material" ( color "diffuse", color "glossy", color "specular", scalar "shiny", scalar "shiny_u", scalar "shiny_v", scalar "transp", scalar "ior", array light "lights" integer "mode")
等方性の反射では、shiny パラメータを使用し、shiny_u および shiny_v の両パラメータは未定義にしておきます。shiny パラメータが未定義またはゼロの場合は、シェーダは shiny_u および shiny_v が定義されゼロ以外であるかどうかを確認し、もしそうであれば異方性の反射を計算します。サーフェス U 方向が異方性のブラッシング方向として使用されます。
dielectric_material シェーダは物理ベースのマテリアル シェーダの 1 つで、ガラス、水、その他の液体などのような誘電体媒体(メディア)をシミュレートする場合に使用します。このシェーダは誘電体インタフェースに対してフレネルの公式を使用します。つまり、ほとんどのライトでは、垂直入射方向についてはサーフェスを介して透過されますが、グレージング入射角度については、実世界の誘電体マテリアルの動作をシミュレートしてサーフェスによって反射されます。さらにこのシェーダは、ベールの法則を使って媒質を通過する光の吸収を表現します。つまり、誘電性マテリアルからなる 2 つのサーフェス間を伝達する時、光は指数的な減衰の対象となります。
サポートされる誘電体インタフェースには、誘電体と大気、誘電体と誘電体の 2 つのタイプがあります。誘電体と大気は誘電体マテリアルと大気(ガラスと空気など)のインタフェースをシミュレートし、誘電体と誘電体は 2 つの誘電体マテリアル間(ガラスと水など)のインタフェースをシミュレートします。
物理的に正確なシミュレーションを得るためには、正確なサーフェス インタフェースを使用することが重要です。コニャックのグラスをモデリングする場合は、グラスと空気、グラスとコニャック、コニャックと空気の合計 3 つのインタフェースが必要です。誘電体マテリアルはサーフェスの法線を使用してインタフェースの両側の媒体を区別します。誘電体と大気のインタフェースでは、法線は大気の方向を向いています。誘電体と誘電体のインタフェースでは、法線は「外側」の誘電体マテリアルの方向を向いています。誘電体マテリアルを使用するには、ignore_normals パラメータが true に設定されている場合を除き、モデル法線を正確に方向付けておく必要があります。このシェーダはシャドウ シェーダとしては使用できません。
color "dielectric_material" ( color "col", scalar "ior", color "col_out", scalar "ior_out", boolean "ignore_normals" scalar "phong_coef", array lights "lights", integer "mode")
path_material シェーダは、パスレイトレーシングを実装します。分散レイトレーシングとは対照的に、パス レイトレーシングを使用した場合は、個々のレイが衝突すると、多くとも 1 つのレイが反射または屈折されます。トレース深度制限を十分に大きくすれば、ほとんどの間接イルミネーション エフェクトは正確に計算されます。ただし、結果は非常にノイズが多く、高品質なイメージを取得するためには、きわめて多くのサンプル数が要求されます。
ファイナルギャザーおよびグローバル イルミネーションの設定は、path_material の設定されたサーフェスには無効であることに注意してください。拡散間接イルミネーション コンポーネントは、lambert の分散方向に従って、多くても 1 つのレイを反射することによって計算されます。path_material_photon シェーダは存在しません。レンダリングを高速にするため、ファイナルギャザーおよびフォトン放出は無効にします。フォトンを使用したシーンでの設定よりも高度なトレース深度の設定が必要となります。
color "path_material" ( color "diffuse", color "glossy", color "specular", scalar "shiny", scalar "shiny_u", scalar "shiny_v", scalar "transp", scalar "ior", array light "lights", integer "mode")
パラメータおよびその意味は、dgs_material シェーダと同じです。
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