ライト トレーサ

ライト トレーサでは、屋外シーンのような輝いたシーンのための、ソフト エッジのシャドウとカラーのにじみを使うことができます。

ライト トレーサは通常、スカイライトとともに使用されます。屋内シーンにライト トレーシングを使うこともできますが、そのようなシーンではラジオシティを選択することをお勧めします。

ラジオシティとは異なり、ライト トレーサでは物理的に正確なモデルを作成しようとはしないため、設定が簡単になります。

スカイライトで照らされ、ライト トレーシングによりレンダリングされた屋外シーン

スカイライトと 1 つのスポットライトで照らされ、ライト トレーシングによりレンダリングされたキャラクタ。

Model by Sonny Sy.

[一般設定](General Settings)領域

全体のライトレベル
全体のライト レベルを制御します。既定値は 1.0 です。

左: 全体の強度を低くした場合。

右: 全体の強度を高くした場合

オブジェクト反射光レベル
シーン内のオブジェクトに反射した光のレベルを制御します。既定値は 1.0 です。
注: この設定は、バウンドを 2 以上にしないとあまり効果がありません。
スカイ ライト
このチェック ボックスにチェックマークが付いている場合、シーン内のスカイ ライトからのリギャザリングが可能です(シーンには、1 つ以上のスカイ ライトを使用できます)。既定値ではチェックマークが付いています。
スカイ ライトの量
スカイ ライトの強度を調節します。既定値は 1.0 です。

上: [スカイ ライト](Sky Lights)の値を大きくした場合。

下: [オブジェクト反射光レベル](Object Multiplier)値を大きくした場合

カラー ブリード
カラーのにじみの強さを制御します。カラーのにじみは、ライトがシーン オブジェクト間を相互反射するときに生じます。既定値は 1.0 です。
注: この設定は、バウンドを 2 以上にしないとあまり効果がありません。

上: 過度のカラーのにじみ。

下: カラーのにじみを 0.0 に設定して取り除いた場合

レイ/サンプル
サンプル(またはピクセル)ごとに放つレイの数です。この値を大きくすると、レンダリング時間が犠牲になりますが、効果の滑らかさが上がります。この値を小さくすると、効果は粒子が粗くなりますが、レンダリングがずっと速くなります。既定値は 250 です。
ヒント: ライト トレーシングの効果のドラフト プレビューを得るには、レイ/サンプルとフィルタ サイズの値を減らします。

サンプルごとのレイの数を変更。値が大きいほど、粒子が細かくなる。

カラー フィルタ
オブジェクトにあたるすべてのライトをフィルタします。効果全体に色づけするには、白ではなくカラーを設定します。既定値は白です。
フィルタ サイズ
効果内のノイズを減らすために使用するフィルタのサイズ(ピクセル単位)です。既定値は 0.5 です。
ヒント: フィルタ サイズは、アダプティブ アンダーサンプリングがオフで、レイ/サンプルの値が小さいとき、特に有効です。

フィルタ サイズを大きくすると、レンダリング中のノイズが減ります。

エクストラ周囲光
黒でなくカラーに設定されている場合、そのカラーをオブジェクト上のエクストラ周囲光として追加します。既定値は黒です。
レイ バイアス
レイ バイアスは、シャドウ バイアスのように、バウンドしたライト効果の位置を調節します。オブジェクトが自分自身にシャドウを投じる場合に起きるバンディングのような、レンダリング時のアーティファクトの補正に使われます。既定値は 0.03 です。
バウンス
トレースされたライトレイ バウンドの数です。この値を大きくすると、カラーのにじみの量が増えます。この値を小さくすると、精度の低い結果がより早く得られ、通常は暗いイメージが作成されます。値を大きくすると、シーンに多くの光が流れて明るくなり、レンダリング時間が犠牲になりますが、より精度の高いイメージが得られます。既定値は 0 です。

[バウンス](Bounces)が 0 の場合、ライト トレーサは体積測定のライトを無視します。

ヒント: シーンにガラスのように透明なオブジェクトがある場合は、[バウンス](Bounces)を 0 より大きくします。これによりレンダリング時間が長くなるので、注意してください。

バウンドの数を増やすと、レンダリング中のカラーのにじみとグローバル イルミネーションのレベルが大きくなります。

円錐角度
リギャザリングで使用される角度を制御します。この値を小さくすると、少しコントラストが大きくなります。特に、多くの小さなジオメトリが大きな構造の上にシャドウを投じている領域では、これが顕著です。範囲は 33.0 ~ 90.0 で、既定値は 88.0 です。

最初に投射されるすべてのレイは、円錐角度に限定されます。

ボリューム
このチェック ボックスにチェックマークが付いている場合、ボリューム ライトおよびボリューム フォグのような体積測定のライト効果から、ライト トレーサがライトをリギャザリングします。既定値ではチェックマークが付いています。

ライト トレーシングを使って動作する体積測定のライトでは、[バウンス](Bounces)は 0 より大きい必要があります。

ボリュームの量
体積測定ライト効果からリギャザリングしたライトの量を乗算します。値を増やすと、レンダリングされたシーンへの影響が大きくなり、値を減らすと、影響が小さくなります。既定値は 1.0 です。

ボリュームの量を増やすと、レンダリング中の体積測定ライトの効果が増えます。

[アダプティブ アンダーサンプリング](Adaptive Undersampling)領域

これらのコントロールにより、レンダリング時間の高速化が可能です。これらのコントロールは、使用するライト サンプルの数を減らします。アンダーサンプリングの理想的な設定は、シーンごとに大きく変わります。

アンダーサンプリングは、シーンのピクセル上に重ね合わせたグリッドから、最初にサンプルを取得します。サンプル間には十分なコントラストがあるので、その領域を[サブディバイドの範囲](Subdivide Down To)で指定された最小領域に細分化し、さらにサンプルを取得します。直接のサンプルとならない領域のライトは、補間されます。

最初のサンプリングには、通常グリッドが使われます。

アダプティブ アンダーサンプリングは、ミックスする領域に集中します。

ヒント: アダプティブ アンダーサンプリングを使う場合、[サブディビジョンのコントラスト](Subdivision Contrast)の値を調節して、最善の結果を得るようにします。このコントロールの効果は、レイ/サンプルの値に依存します。
アダプティブ アンダーサンプリング
このチェック ボックスにチェックマークが付いている場合、ライト トレーサによりアンダーサンプリングが使用されます。チェックマークが付いていない場合、すべてのピクセルをサンプルします。アンダーサンプリングをオフにすると、最終レンダリングのディテールを増すことができます。ただし、レンダリング時間は長くなります。既定値ではチェックマークが付いています。
初期サンプル間隔
イメージの初期サンプルのグリッド間隔です。これはピクセル単位で測ります。既定値は 16 x 16 です。

初期サンプル間隔の値

サブディビジョンのコントラスト
領域をさらに細分化する必要がある場合に指定するコントラストのしきい値。この値を大きくすると、サブディバイディングの発生が少なくなります。値が小さすぎると、不必要な再分割が発生します。既定値は 5.0 です。

サブディビジョン コントラストのしきい値を小さくすると、ソフト シャドウやバウンドされたライト中のノイズを減らすことができます。

サブディバイド範囲
サブディビジョンのための最小間隔です。この値を上げるとレンダリングの処理速度が向上しますが、精度が低下します。既定値は 1 x 1 です。

シーンのジオメトリによっては、1 x 1 より大きいグリッドは、この指定しきい値以下にさらに再分割されます。

サンプルを表示
オンの場合、サンプルの位置が赤点でレンダリングされます。これは最も多くサンプリングが行われた場所を示し、アンダーサンプリングの最良の設定を選択するのに役立ちます。既定値ではチェックマークが付いていません。