3ds Max は、Revit Architecture 2008、Revit Structure 2008、および Revit MEP 2008 以降から ACIS ソリッドとして書き出された DWG ファイルで、1 つのオブジェクトに対して複数のマテリアルをサポートしています。また、AutoCAD Architecture 2008 (旧 ADT)以降で作成されたソリッド プリミティブにも同様に対応しています。読み込んだソリッドは、マテリアル エディタで表示および操作が可能なマルチ/サブオブジェクト マテリアルを持つことができます。
古いバージョンの AutoCAD DWG 読み込みでは、ACIS ソリッドの複数マテリアルはサポートされていません。
3ds Max では、AutoCAD または Revit Architecture (バージョン 2008 以降)から DWG ファイルを[レイヤ、ノード階層となるブロック、マテリアルによって分割](Layer, Blocks as Node Hierarchy, Split by Material)または[図形、ノード階層となるブロック](Entity, Blocks as Node Hierarchy)のどちらかの生成方法を使って読み込むと、複数のマテリアル ID をマテリアル エディタでマルチ/サブオブジェクト マテリアルとして読み取り、編集することができます。
3ds Max は、読み込んだ AutoCAD および Revit ソリッドの各面を読み取り、読み込み可能なマテリアル ID が含まれているかどうかを特定します。1 つのソリッドから複数のマテリアル ID が3ds Max に読み込まれた場合、読み込み時にそれぞれのマテリアル ID が変換され、それがオブジェクトに割り当てられます。
マルチ/サブオブジェクト マテリアルは、複数のマテリアル ID が検出された場合にのみ 3ds Max によって作成されます。1 つの ACIS ソリッドにマテリアル ID が 1 つしか含まれていない場合は、代わりに標準マテリアルまたはアーキテクチャル マテリアルが 3ds Max によって作成、割り当てられます。
3ds Max 7 より前のバージョンでは、AutoCAD および Revit マテリアル ID の面のカラー ID からマテリアル ID 情報が読み取られていました。しかし現在では、AutoCAD または Revit ソリッドを含む DWG ファイルを読み込むと、その都度、面のマテリアル ID ごとに変換が実行され、マルチ/サブオブジェクト マテリアルが作成されるようになりました。
3ds Max では、1 つの ACIS ソリッドに複数のマテリアルが割り当てられていることが検出されると、シーンの標準マテリアルまたはアーキテクチャル マテリアルのインスタンスからなるマルチ/サブオブジェクト マテリアルが作成されます。
マテリアル ID は 1 つの DWG ファイル内で一意でなければなりません。ただし、2 つの異なるファイルに同じマテリアル ID (例: Basic Wall: Generic – 12” Masonry)が存在することはあり得ます。3ds Max では 2 つのシーンをマージしたときに名前が重複してしまった場合は、後からロードされたマテリアルがマルチ/サブ オブジェクト マテリアルに使用されます。
たとえば、file1.dwg と file2.dwg という 2 つのファイルを読み込んだとします。この両方のファイルに Brick という名前のマテリアルが存在する場合は、2 つ目のファイル(file2.dwg)の Brick マテリアルが使用されます。
また、file1.dwg にマテリアル ID 222 として内部的に格納されている Brick という名前のマテリアルが存在し、file2.dwg にも ID 222 として格納されている別のマテリアルが存在する場合、この 2 つのファイルを読み込むと、シーンには file2.dwg のマテリアルが使用されます。
つまり、2 つのソリッドで同じマテリアル ID が使用されている場合は、同じマルチ/サブオブジェクト マテリアルが使用されることになります。
3ds Max では AutoCAD 以外のマテリアル ID は読み込まれません。唯一、AutoCAD Architecture 以外の ID で保持できるのはカラー ID です。
3ds Max では、DWG ACIS ソリッドはソリッド オブジェクトとして読み込まれます。ACIS ソリッド オブジェクトの各面を区別するには、[ポリゴンを編集](Edit Poly)モディファイヤか[メッシュを編集](Edit Mesh)モディファイヤを適用する必要があります。
ACIS ソリッド マテリアルは、その他のマテリアルを読み込んだ場合と同様に、マテリアル エディタで表示できます。
ACIS ソリッドにビットマップ マテリアルを適用すると、オブジェクトのすべての面に適用されます。たとえば、壁のオブジェクトにレンガのビットマップ マテリアルを適用した場合は、壁の両面とすべてのエッジにレンガのビットマップ マテリアルが適用されます。各面の ID ごとにマテリアルを適用したい場合は、マルチ/サブオブジェクト マテリアルを使用してそれぞれの面の ID にサブマテリアルを割り当てることができます。
ACIS ソリッドを 3ds Max に読み込むと、手続き型テクスチャは読み込まれずに、マテリアルのみが読み込まれます。たとえば、Revit で作成したレンガの壁にモルタル模様の手続き型テクスチャが赤で描かれているとします。しかし、オブジェクトが ACIS ソリッドの場合は、手続き型ハッチングであるモルタル模様は 3ds Max には読み込まれません。
ACIS オブジェクトのマテリアルをマテリアル エディタでマルチ/サブオブジェクト マテリアルとして表示すると、マテリアル/マップ ブラウザに各マテリアルの名前(例: Default wall or Basic Wall: Generic – 12” Masonry)が表示されます。
3ds Max では、ポリメッシュの DWG はポリメッシュ ジオメトリとして読み込まれます。ACIS ソリッドとは異なり、ポリメッシュ オブジェクトの場合は各面を編集することができます。
ポリメッシュの DWG ファイルを読み込んだ場合、3ds Max ではポリメッシュの各面がそれぞれ個別の図形と見なされます。各図形につき 1 つのマテリアルを使用できるため、複数のマテリアルを含めることが可能です。
ACIS ソリッドとは異なり、ポリメッシュ ジオメトリは各面ごとにビットマップ マテリアルを適用することができます(ACIS ソリッドの場合は、マルチ/サブオブジェクト マテリアルを使用する必要があります)。たとえば、壁の外側の面にはレンガのビットマップ マテリアルを適用し、内側の面には拡散反射光マテリアルを適用して白いペンキを表現するといったことも可能です。
ポリメッシュの DWG ファイルを読み込むと、マテリアル エディタではシーンに使用されているすべてのマテリアルが別々のマテリアルとして表示されるため、個別に編集することができます。
ポリメッシュ オブジェクトのマテリアルをマテリアル エディタで表示すると、マテリアル/マップ ブラウザに各マテリアルの名前(例: Default wall or Basic Wall: Generic – 12” Masonry)が表示されます。