カラー補正マップ

カラー補正マップは、スタックを使った手法で、組み込まれた下にあるマップのカラーを修正するツールのセットを提供します。カラーを補正するツールには、モノクロ、反転、カラー チャネルのカスタム上書き、色相のシフト、彩度と明度の調整が含まれます。色調整コントロールの多くは、Autodesk Toxik および Autodesk Combustion のコントロールとよく似ています。

インタフェース

重要: カラー補正マップでは、スタックを使った手法が使用されます。インタフェースに並んだロールアウトごとの修正が、上から下に向かって適用されます。はじめに[基本パラメータ](Basic Parameters)ロールアウトの設定が適用され、次に[基本パラメータ](Basic Parameters)ロールアウトの出力に[チャネル](Channels)ロールアウトの設定が適用される、というように続きます。順番は以下のとおりです。
  1. [基本パラメータ](Basic Parameters)ロールアウト
  2. [チャネル](Channels)ロールアウト
  3. [カラー](Color)ロールアウト
  4. [ライトネス](Lightness)ロールアウト

この順番は強制的に決まっているため、このマップのロールアウトの順序を並び替えることはできません。

[基本パラメータ](Basic Parameters)ロールアウト

カラー見本

マップが指定されなかった場合、3ds Max はこのカラーを使用します。カラーを変更するには、見本をクリックして[カラー セレクタ](Color Selector)コントロールを使用します。

[マップ](Map)ボタン

マップを指定するにはこのボタンをクリックします。このボタンの初期ラベルは[なし](None)になっています。[マテリアル/マップ ブラウザ](Material/Map Browser)を使用してマップを指定すると、ボタンにマップの名前と種類が表示されます。

ヒント: 既存のマップをカラー補正マップに置き換える場合、3ds Max は古いマップをサブマップとして保持するかどうかを尋ねるメッセージを表示します。保持する場合は、古いマップがこのスロットに置かれます。

[チャネル](Channels)ロールアウト

チャネル処理

マップ カラー チャネルに対して実行する初期処理を選択します。

  • [標準](Normal) カラー チャネルを変更せずに[カラー](Color)ロールアウト コントロールに渡します。
  • [モノクロ](Monochrome) すべてのカラー チャネルをグレーの濃淡に変換します。
  • [反転](Invert) 赤、緑、青のカラー チャネルを反転色に置き換えます。

    各チャネルの反転色は、最大値からその値を引くことにより計算されます。最大値は、浮動小数点カラーで 1.0、8 ビット チャネルで 255 です。このため、たとえば、赤はシアン(緑 + 青)に、緑はマゼンタ(赤 + 青)、青は黄(赤 + 緑)に変換されます。

  • [カスタム](Custom) ロールアウトの残りのコントロールを使用して、各チャネルにさまざまな設定を適用できます。
ヒント: プリセットのチャネル処理([標準](Normal)、[モノクロ](Monochrome)、[反転](Invert))のいずれかをカスタマイズの開始点として使用できます。プリセットを選択し、[カスタム](Custom)を選択します。前の設定がアクティブなままとなり、変更できる状態になります。
[赤](Red)、[緑](Green)、[青](Blue)、[アルファ](Alpha)

チャネルごとにチャネル処理を指定できます。[カスタム](Custom)がアクティブになっている場合にのみ使用できます。そうでない場合、これらのフィールドには、RGB チャネルのモノクロなど、現在の設定が表示されます。

ドロップダウン リストを使用して、各チャネルを置き換える値またはチャネルを選択します。

  • [赤](Red)、[緑](Green)、[青](Blue)、[アルファ](Alpha) チャネルを、選択したチャネルで置き換えます。たとえば、[青](Blue) = [赤](Red)に設定した場合、各ピクセルの青コンポーネントがそのピクセルの赤コンポーネントの現在値に置き換えられます。
  • [赤 (反転)](Red (Inverse))、[緑 (反転)](Green (Inverse))、[青 (反転)](Blue (Inverse))、[アルファ (反転)](Alpha (Inverse)) チャネルを選択したチャネルの反転色で置き換えます。たとえば、[青](Blue) = [赤 (反転)](Red (Inverse))に設定した場合、各ピクセルの青コンポーネントがそのピクセルの赤コンポーネントの現在値の反転色に置き換えられます。

    各チャネルの反転色は、最大値からその値を引くことにより計算されます。最大値は、浮動小数点カラーで 1.0、8 ビット チャネルで 255 です。このため、たとえば、赤はシアン(緑 + 青)に、緑はマゼンタ(赤 + 青)、青は黄(赤 + 緑)に変換されます。

  • [モノクロ](Monochrome) カラー チャネルをグレースケールに変換します。チャネルのグレースケール値は、3ds Max が赤、緑、青の値をピクセルごとに加算して 3 で割ることにより、決定されます。たとえば、RGB 値がそれぞれ 0.5、0.4、0.0 である場合、そのピクセルのチャネルのモノクロ値は 0.3 になります。
  • [1] チャネルをできるだけ高い値に設定します。この設定によって、値は常に最大値をとります。たとえば、24 ビットまたは 32 ビット マップのオリジナルのピクセル カラーが R = 50、G = 75、B = 100 である場合、[緑](Green) = [1]と設定すると、結果は R = 50、G = 255、B = 100 となります。
  • [0] チャネルをできるだけ低い値に設定します。この設定によって、値は常に最小値をとります。たとえば、オリジナルのピクセル カラーが R = 50、G = 75、B = 100 である場合、[緑](Green) = [0]と設定すると、結果は R = 50、G =0、B = 100 となります。

[カラー](Color)ロールアウト

このロールアウトには、全般的なカラー変換を制御する 3 つのコントロールがあります。これらのコントロールは、[チャネル](Channels)ロールアウトの出力に作用します。オリジナルのマップを使用するには、[チャネル](Channels)ロールアウトを[標準](Normal)に設定します。

色相シフト

標準の色相スペクトルを使用してカラーを変更します。スライダまたは数値コントロールを使用して、マップ内のカラーの再マップ方法を指定します。0 にリセットするにはスライダを右クリックします。範囲は -180 ~ 180 です。

このコントロールは、Autodesk Combustion および Autodesk Toxik の[色相シフト](Hue Shift)コントロールと同じように機能します。

彩度

マップ カラーの強度または純度。[彩度](Saturation)の値を下げると、イメージはグレースケールに近くなり、値を上げるとカラーの強度が上がります。値を修正するには、スライダまたは数値コントロールを使用します。0 にリセットするにはスライダを右クリックします。範囲は -100 から 100 です。

このコントロールは、Autodesk Combustion および Autodesk Toxik の[彩度](Saturation)コントロールと同じように機能します。

色相ティント

白以外のすべてのマップ ピクセルを、カラー見本の値にしたがってカラー化します。黒と白を含むグレースケール値は影響しません。

強度

[色相ティント](Hue Tint)設定がマップ ピクセルに影響する度合い。範囲は 0 から 100 です。

[ライトネス](Lightness)ロールアウト: [標準](Standard)

[ライトネス](Lightness)ロールアウトの[標準](Standard)オプションでは、2 つの使いやすいコントロールが提供されます。

輝度

マップ イメージの全体の輝度。値を修正するには、スライダまたは数値コントロールを使用します。0 にリセットするにはスライダを右クリックします。範囲は -100 から 100 です。

コントラスト

マップ イメージの明るい部分と暗い部分の差。値を修正するには、スライダまたは数値コントロールを使用します。0 にリセットするにはスライダを右クリックします。範囲は -100 から 100 です。

[ライトネス](Lightness)ロールアウト: [拡張機能](Advanced)

[拡張機能](Advanced)コントロールは、Autodesk Toxik の Photo Lab 機能にあるコントロールと似ています。このツールでは、マップでのカメラ露出と写真現像の変化をシミュレートできます。露出を変更してマップを段階的に明るくしたり暗くしたりすることで、輝度が相対的に均一に変化するような効果を作成できます。写真現像の調整では、さまざまなカラー分布を使用してイメージを生成できます。

露出モード

ドロップダウン リストから露出を表現する方法を選択します。

  • [ゲイン](Gain) ピクセル カラー値にこの値を掛けます。
  • [F-ストップ](F-Stop) 写真と同じように、値を 1 増やすと輝度は倍になり、ゲインは 2 倍になります。
  • [プリンタ ライト](Printer Lights) 定義可能な設定([プリンタ ライト / 停止](Printer Lights per Stop)を参照)で、この値を[プリンタ ライト / 停止](Printer Lights per Stop)設定(N)の値だけ増やすと、輝度が倍になります(N プリンタ ライト = 1 f-ストップ)。
[RGB]/[赤](R)/[緑](G)/[青](B)

3 つのカラー チャネルすべての設定を同時に変更(RGB)、および各チャネルの設定を個別に変更できます。また、チェックボックスを使用して、個々のチャネルの設定のオンとオフを切り替えることができます。

ガンマ / コントラスト

ガンマ補正の量は、コントラストまたは標準のガンマ指数で表すことができます。ガンマ指数を増やすとコントラストが減少します。

基点

基点の値を元に、ガンマ補正を適用します。つまり、基点の値と同じピクセル値は変更されないままになります。これは、ガンマ補正を使用してマップのコントラストを変更したいけれども、特定の輝度レベルには影響を与えたくない場合に便利です。

リフト / オフセット

リフトは単純に、すべてのピクセル値に加えられる均等なオフセット(各カラー コンポーネントごとに異なるオフセット)です。リフトは通常、プロセスの最終ステップとして適用し、マップの全体的な明るさを制御するのに使用できます。

プリンタ ライト / 停止

[プリンタ ライト](Printer Lights)露出方法を使用する場合、この設定により、1 f-ストップに相当するプリンタ ライトの数、つまり、露出を倍または半分にするのに必要な数を決定します。