ProCutter 合成オブジェクト

ProCutter 合成オブジェクトは、特殊なブール演算を実行することを目的としたオブジェクトで、主にボリュームをバラバラに壊したり細かく分割するために使用します。

ProCutter での操作の結果は、オブジェクトが爆発したり、加わった力や他のオブジェクトの衝撃によってオブジェクトが粉砕されるようなシミュレーションでの使用に最適です。

クッキー型として使用された ProCutter

ProCutter の機能には、以下のものがあります:

手順

ProCutter を使用するには:

  1. カッターとして使用するオブジェクトを 選択します。
  2. ProCutter 合成オブジェクトをアクティブにします。
  3. [カッター選択パラメータ](Cutter Picking Parameters)ロールアウトで[カッター オブジェクトをピック](Pick Cutter Objects)をクリックし、次に追加のカッターを選択します。
  4. [カッター選択パラメータ](Cutter Picking Parameters)ロールアウトで[ストック オブジェクトをピック](Pick Stock Objects)をクリックし、次にカッター オブジェクトで切断するオブジェクトを選択します。
  5. [カッター パラメータ](Cutter Parameters)ロールアウト [カッティング オプション](Cutter Options)領域で、保持しておく元のオブジェクトの部分([カッター外部のストック](Stock Outside Cutters)、[カッター内部のストック](Stock Inside Cutters)、[ストック外部のカッター](Cutters Outside Stock))を選択します。
  6. 操作やアニメートを行うために別のオブジェクトを取得するには、[編集可能メッシュ](Editable Mesh)オブジェクトの結果を集約して[180.0]に設定した[分解](Explode)ツールを使用します。または、以下に示すように、[自動メッシュ抽出](Auto Extract Mesh)と[要素で分解](Explode By Elements)を使用します。

インタフェース

[カッター選択パラメータ](Cutter Picking Parameters)ロールアウト

カッター オブジェクトをピック
オンにすると、選択するオブジェクトがカッターとなり、ストック オブジェクトを再分割するために使用されます。
ストック オブジェクトをピック
オンにすると、選択するオブジェクトがストック オブジェクト、つまり、カッターで再分割されるオブジェクトになります。

ラジオ ボタンを選択して、選択する次のオブジェクトを ProCutter オブジェクトへ転送する方法を指定します。

  • [参照](Reference)ブール演算では、選択されたオペランドへの参照を使用するので、ブール演算オブジェクトに組み込まれた後もオブジェクトは残ります。その後、元々選択したオブジェクトに修正を加えると、ブール演算も修正されます。[参照](Reference)を使用して、元のオペランドをモディファイヤで変更して新しいオペランドと同期させることはできますが、その逆はできません。
  • [コピー](Copy) ブール演算で、選択したオペランドのコピーが使用されます。選択したオブジェクトはブール演算の影響を受けずに、そのコピーがブール演算に組み込まれます。
  • [移動](Move) 選択したオペランドはブール演算に含まれ、シーン内で個別のオブジェクトとして使用できなくなります。これは既定の選択です。
  • [インスタンス](Instance) ブール演算で、選択したオブジェクトのインスタンスが作成されます。選択したオブジェクトに追加の変更を行うと、ブール演算に含まれるインスタンス化されたオブジェクトも変更され、逆方向の場合も同様に変更されます。
[カッター ツール モード](Cutter Tool Mode)領域

この領域のオプションを使用すると、カッターを彫刻ツールとして使用して、同じオブジェクトを繰り返しさまざまな位置で切り取ることができます。また、編集可能メッシュ変換を実行することなく個々のオブジェクトを取得することもできます。

自動メッシュ抽出
ストック オブジェクトを選択すると、自動的に結果が抽出されます。このオプションは、ストックをサブオブジェクトとして保持しません。オブジェクト自体を編集して切り取った結果に置き換えます。素早く切り取り、カッターを移動して、再び切り取る操作ができます。
要素で分解
[自動メッシュ抽出]( Auto Extract)がオンになっている場合に、各要素を個々のオブジェクトに自動的に分解します。[自動メッシュ抽出](Auto Extract)がオフの場合には機能しません。

この手順で説明したように、ProCutter オブジェクトを編集可能メッシュ形式に変換してから[分解](Explode)を使用する必要がなく、便利なオプションです。これは、オブジェクトを細かくカットする場合に役に立ちます。たとえば、このオプションを使用してパンをスライスすることができます。カッターで 1 枚切り取り、カッターを移動し、次に再び切り取ります。

[カッター パラメータ](Cutter Parameters)ロールアウト

希望する結果を得るために、3 種類のカット オプションを組み合わせて使用することができます。閉じていないメッシュがある場合は、ストックのどの部分がカッターの内側または外側にあたるかは、メッシュの方向によって決まります。

[カッティング オプション](Cutting Options)領域
カッター外部のストック
結果にはすべてのカッターの外側に位置する、ストックの部分が含まれます。このオプションを使用すると、ストック オブジェクトからカッターを減算したブール演算と似た結果になります。以下の図では、オブジェクトの金色の部分がこのオプションの結果を示しています。
カッター内部のストック
結果には 1 つまたは複数のカッター内部のストックの部分が含まれます。このオプションでは、カッター オブジェクトとストック オブジェクトの交差を計算するブール演算と同様の結果が得られます。カッターはそれぞれ個別に扱われるので、いくつか違いがあります。以下の図の左側にあるオブジェクトの緑、青、赤の部分が、このオプションの結果です。
ストック外部のカッター
結果にはストック オブジェクト外部のカッターの部分が含まれます。カッターも交差している場合は、カッター同士が互いをカットすることに注意してください。

このオプションの結果として、下の右側の図(見やすくするために分解)は、左側の図にはないパーツが表示されています。

円柱と球がカッター、ボックスがストック:

左: [カッター内部のストック](Stock Inside Cutters)と[カッター外部のストック](Stock Outside Cutters)をオンに設定

右: [カッター内部のストック](Stock Inside Cutters)、[カッター外部のストック](Stock Outside Cutters)、[ストック外部のカッター](Cutter Outside Stocks)をオンに設定

[表示](Display)領域
表示
次の表示モードのいずれかを選択します。
  • 結果ブール演算の結果が表示されます。
  • [オペランド](Operands) ブール演算の結果を定義するオペランドを表示します。このモードはオペランドを編集し、結果を変更するために使用します。
[マテリアル適用](Apply Material)領域

次のマテリアル適用モードのいずれかを選択します。

  • [オペランド マテリアルを適用](Apply Operand Material) ブール演算で作成された新しい面にはオペランドのマテリアルが使用されます。
  • [元のマテリアルを保持](Retain Original Material) ブール演算で作成された新しい面には元のオブジェクトのマテリアルが保持されます。
[サブオブジェクト操作](Sub-object Operations)領域

この領域は、階層ビュー リスト内でハイライトされたオペランドを操作します(以下を参照)。

選択を抽出

[選択を抽出](Extract Selected)は、選択したラジオ ボタン([削除](Remove)、[コピー](Copy)、[インスタンス](Inst)。以下を参照)に基づいて、階層ビュー リスト内のハイライト表示されたオペランドに操作を適用します。抽出モードには以下の 3 種類があります。

  • [削除](Remove) 階層ビュー リストでハイライト表示されているオペランドをブール演算結果から除外します。これは事実上、ハイライト表示されたオペランドのブール演算オブジェクトへの追加を取り消すことになります。抽出された各オペランドは再び最上位オブジェクトになります。
  • [コピー](Copy) 階層ビュー リストでハイライト表示されているオペランドのコピーを抽出します。元のオペランドはブール演算に含まれたままになります。
  • [インスタンス](Inst) 階層ビュー リストでハイライト表示されているオペランドのインスタンスを抽出します。この抽出されたオペランドを修正すると元のオペランドも修正されます。また、それに伴ってブール演算オブジェクトも修正されます。
[階層ビュー]
階層ビューはオペランド(カッター オブジェクトとストック オブジェクト)のリストを表示します。ProBoolean オブジェクトと同様に、階層ビューを使用してオブジェクトを選択および編集できます。

[拡張オプション](Advanced Options)ロールアウト

[更新](Update)領域

この領域のオプションは、変更を加えた後にブール演算オブジェクトに対して更新を実行するタイミングを決定します。以下のいずれかを選択します。

  • [常時](Always) ブール演算オブジェクトに変更を行うと同時に更新が実行されます。
  • [手動](Manually) [更新](Update)ボタンをクリックしたときにのみ更新が実行されます。
  • [選択時](When Selected) ブール演算オブジェクトを選択するたびに更新が実行されます。
  • [レンダリング時](When Rendering) レンダリング時、または[更新](Update)をクリックした時にのみ、ブール演算オブジェクトに更新が実行されます。
更新
ブール演算オブジェクトに変更を適用します。[常時](Always)以外のオプションが選択されている場合に使用できます。
注: 最初に[手動](Manually)または[レンダリング時](When Rendering)を有効にして ProCutter オブジェクトを作成すると、少なくとも一度更新するまで基本オブジェクトを含むすべてのオペランドが表示されません。更新を実行してベース オブジェクトが表示されても、その後に選択したオペランドはもう一度更新を実行しないと表示されません。
デシメーション %
ブール演算オブジェクトのポリゴンから取り除かれるエッジの比率で、結果としてポリゴン数が減少します。たとえば、[デシメーション %](Decimation %)を 20.0 に設定すると、ポリゴン エッジの 20 パーセントが削除されます。
[四辺形面分割](Quadrilateral Tessellation)領域
四辺形を作成
オンにすると、ブール演算オブジェクトの面分割が三角形から四辺形に変更されます。これは、オブジェクトをサブディビジョン サーフェスの編集とメッシュのスムージングに適した状態にします。また、オブジェクトを編集可能ポリゴン形式への変換に適したものにします。
四辺形のサイズ %
ブール演算オブジェクト全体の長さの比率として四角形のサイズを決定します。
[平面エッジ削除](Planar Edge Removal)領域

このオプションは、平面上のポリゴンの処理方法を決定します。以下のいずれかを選択します。

  • [全てを削除](Remove All) 面自体がポリゴンを定義するよう、面上のすべての余分な共面エッジを削除します。
  • [不可視エッジのみ削除](Remove Only Invisible) 各面の不可視エッジのみを削除します。
  • [エッジ削除なし](No Edge Removal) エッジは削除されません。