AutoCAD および AutoCAD ベースの製品(AutoCAD LT を含む)は、カスタマイズすることによって、製品を使用しての生産性を向上させたり、CAD 標準への準拠を支援することができます。
次に、使用可能なカスタマイズ オプションの一覧を示します。
- ファイルを編成する。プログラム ファイル、サポート ファイルおよび図面ファイルを編成することができます。たとえば、プロジェクト毎に別のフォルダを作って各プロジェクトに必要なサポート ファイルだけを入れておくことができます。(OPTIONS[オプション]コマンド)
- カスタム図面テンプレート ファイルを作成する。カスタム図面テンプレート(DWT)ファイルを作成して、新しい図面の作成時に使用できます。図面テンプレート ファイルは、通常使用する画層、ブロック、および特定のプロジェクトまたはすべての図面で使用するスタイルを保存することができます。(SAVEAS[名前を付けて保存]コマンド)
- コマンドのエイリアスを定義する。 AutoCAD PGP ファイル acad.pgp (AutoCAD LT の場合は acadlt.pgp)を修正することにより、頻繁に使用するコマンドの簡単なエイリアス、つまり省略形を定義することができます。たとえば、BLOCK[ブロック登録]コマンドを、コマンド プロンプトに対して b と入力して実行したい場合などに利用します。
- AutoCorrect 項目と同義語を定義する。頻繁にスペルを間違ったり正式な名前を忘れてしまうコマンドの AutoCorrect 項目(AutoCorrectUserDB.pgp)と同義語(acadSynonymsGlobalDB.pgp)を定義することができます。
- カスタム線種、ハッチング パターン、シェイプ、文字フォントを作成する。 社内標準に準拠した線種(LIN ファイル)、ハッチング パターン(HAT ファイル)、シェイプ(SHP ファイル)、文字フォント(SHX ファイル)を作成することができます。シェイプおよび文字フォントを使用するために、AutoCAD LT でコンパイルすることはできません。
- ユーザ インタフェースを修正する。カスタマイズ(CUI/CUIx)ファイルを作成および修正することにより、ユーザ インタフェースの多くの面をコントロールすることができます。(CUI[ユーザ インタフェースをカスタマイズ]コマンド)
- スクリプトを作成して、繰り返し行うタスクを自動化する。 スクリプト(SCR)ファイルを作成することにより、コマンドと事前に設定した入力の一連のセットを定義して実行することができます。たとえば、画層を作成してタイトル ブロックを挿入するスクリプトを作成することができます。スクリプトを使用することにより、特定の方法で図面のセットを印刷することができます。たとえば、それぞれの図面を開き、各種の画層を表示または非表示に設定し、PLOT[印刷]コマンドを実行するスクリプトを記述することができます。(SCRIPT[スクリプト実行]コマンド)
次に、AutoCAD LT では使用できない追加のカスタマイズとプログラミングのオプションの一覧を示します。
- AutoCAD 内から外部プログラムやユーティリティを実行する。 プログラムとは別にインストールされたアプリケーションを起動するエイリアスを作成することができます。たとえば、プログラム パラメータ ファイル(PGPファイル) acad.pgp に適切な外部コマンドを追加すれば、AutoCAD 内からファイルをコピーしたり削除することができます。AutoCAD for Mac では使用できません。
- アクション マクロを記録する。 コマンドや入力を記録し、それらをアクション マクロ(ACTM)ファイルに保存することにより、繰り返し作業を自動化することができます。AutoCAD for Mac では使用できません。(ACTRECORD[アクション マクロ記録]コマンド)
- AutoCAD コマンドを再定義する。 コマンドを再定義することにより、補足のメセージや操作ガイドが表示されるようにしたり、コマンドの標準の動作を置き換えることができます。たとえば、QUIT[終了]コマンドを再定義した図面管理システムを作成することにより、AutoCAD セッションを終了するときに作業時間情報をログ ファイルに書き込むことができます。(REDEFINE[再定義]コマンド)
次に、Windows の場合にのみ AutoCAD と AutoCAD LT で使用できる追加のカスタマイズとプログラミングのオプションの一覧を示します。
- ツール パレットをカスタマイズする。 ツールを作成するには、図面のオブジェクトをツール パレットまたは[ユーザ インタフェースをカスタマイズ](CUI)エディタのコマンドにドラッグします。新しいツールパレットを作成し、独自に作成したツールを編成することができます。(CUSTOMIZE[カスタマイズ]コマンド)
- カスタム Web パブリッシュ テンプレート ファイルを作成する。 カスタム Web テンプレート(PET)を作成することにより、[Web にパブリッシュ]ウィザードを使用して図面をパブリッシュするときの一般的なパラメータを定義することができます。(PUBLISHTOWEB[Web パブリッシュ]コマンド)
- ステータス バーをカスタマイズする。 DIESEL 文字列式言語とシステム変数 MODEMACRO を使用して、ステータス バーに、日付や時刻、システム変数の設定、または AutoLISP を使用して取得できる情報といった付加的な情報を表示することができます。AutoLISP は、AutoCAD LT では使用できません。