アセット プロパティを定義する

Autodesk Inventor のファイルには、iProperty と呼ばれるプロパティがあります。iProperty を使用すると、ファイルの追跡や管理、レポートの作成を行ったり、アセンブリの部品表、図面のパーツ一覧、表題欄、その他の情報の更新を自動的に実行することができます。また、ファクトリ アセットのプロパティは iProperty に非常によく似ています。これらのプロパティは、iProperty または[アセット プロパティ]コマンドを使用して定義することができます。

アセット プロパティの割り当てまたは更新を行う際は、次の点に留意してください。

プロパティをアセットに割り当てるには、次の手順を実行します。

  1. [アセット ビルダー]タブの[作成者]パネルで[アセット プロパティ] をクリックし、プロパティ ウィンドウを開きます。
  2. アセット ブラウザでのアセットの検索を容易にするために、[概要]に情報を入力します。レイアウト内にアセットを配置している場合、これらのプロパティは変更できません。



    注: 各フィールドの横に表示される電球アイコンを使用すると、AutoCAD のブロックにプロパティの値を表示するかどうかを決定することができます。



    表示をオンにするには、アイコンをクリックします。AutoCAD で非表示にするには、アイコンをオフのままにします。

    これらのアイコンは、[プロジェクト]および[諸元]の各フィールド、および[カスタマイズ可能]タブの[値]フィールドにも表示されます。

  3. [プロジェクト]タブでは、部品表を準備する際に役立つ情報を入力します。レイアウト内にアセットを配置している場合、これらのプロパティは変更できません。
    [ファイル サブタイプ] ファイル タイプ(dwf や ipt など)
    [部品番号] アセットの部品番号。空白のままにした場合は、ファイル名が部品番号に自動的に割り当てられます。
    [ストック番号] アセットのストック番号
    [説明] アセットの簡単な説明
    [履歴番号] ファイルの履歴番号
    [プロジェクト] プロジェクト名
    [設計者] プロジェクトまたはモデルの設計者
    [責任者] 承認する責任者
    [コスト センター] アセットを適用するコスト センター
    [見積費用] 部品表およびその他のコスト計算で使用されるアセットのコスト
    [作成日] 今日の日付。別の日付を選択するには、カレンダーのアイコンをクリックします。
    [ベンダー] サードパーティのアセットの場合、製造元またはサプライヤの名前
    [Web リンク] ベンダーのリンク、その他の関連する Web サイトのアドレス
  4. [諸元]タブをクリックして、タイプ、部品番号、フロー レートなど、アセットに関するその他の情報を追加します。注釈と異なり、諸元は、

    アセット ビルダー環境でアセットを作成したりパブリッシュする際に追加します。諸元は、アセットを編集しない限り変更することができません。アセットの諸元をレイアウトに表示するには、アセットの上にカーソルを合わせます。

    パブリッシュしたアセットには、1 つの諸元とオプションの追加諸元のテキストのみを含めることができます。アセットにバリアントがある場合、[詳細]ボタンをクリックすると、iLogic ルールを使用して、バリアントごとに諸元を作成することができます。

  5. Process Analysis でシミュレーションを実行するには、[プロセス]タブで情報を入力します。Process Analysis を使用しない場合は、次の手順の[画層]タブに進みます。
    [プロセス オブジェクト] 特定のアセットをシミュレーション オブジェクトとして指定するには、このチェック ボックスをオンにします。次に、オブジェクト タイプとして、[バッファ]、[プロセッサ]、または[ソース]を選択します。表示されるフィールドは、選択したオブジェクト タイプに応じて異なります。
    [バッファ] バッファは、プロセッサによって生成された項目を一時的に格納します。

    [名前]: バッファの名前(例: storage1)

    [容量]: バッファで格納できる項目数

    [プロセッサ] プロセッサは、ソースの材料またはパーツを受け取り、これらに対して処理を実行します。

    [名前]: プロセッサの名前(例: 基準アセンブリ)

    [説明]: プロセッサの説明

    [障害間の平均時間]: プロセッサでのすべての処理において、障害が発生するまでの平均時間。たとえば、4400 hr の場合、プロセッサで障害が発生するまで平均 4400 時間、処理が行われることを示します。

    [平均修理時間]: 障害が発生した後、プロセッサの修理に要する平均時間。たとえば、60 min は、修理に平均 60 分要することを示します。

    [セットアップ コスト レート]: セットアップ時間で割ったセットアップ コスト

    [処理コスト レート]: 処理時間で割った処理コスト

    [稼働率]: プロセッサが稼働している時間の割合

    [エネルギ消費率]: エネルギ単位ごとの処理項目数

    [プロセッサの処理名]: 特定のプロセッサが一部をなす処理モデル全体の名前(例: エンジン アセンブリ)

    [処理時間]: 選択した時間の単位での処理項目数

    [セットアップ時間]: 処理を実行するプロセッサのセットアップの所要時間

    [順次処理]: 表示されたシーケンスで処理を実行。一覧に処理を追加するには、をクリックします。

    [ソース] ソースは、ファクトリのワークフローに入る原材料またはパーツです。

    [名前]: ソースの名前(例: 金属棒)

    [出力レート]: 選択した時間の単位でのソースから供給される項目数

    [無限フィード]: 無限の供給に対応していることを示します。供給が限定されている場合は、空白のままにして、[パーツの総数]フィールドに値を入力します。

    [パーツの総数]: 特定のソースで使用可能な項目数

  6. [画層]タブでは、アセットを配置する既存の画層を選択したり、新しい画層を定義することができます。複雑な設計でアセットの表示/非表示をコントロールする場合、自動画層編成が役立ちます。

    画層を特定のアセットに関連付けるには、[アセットの画層を指定]をオンにします。このチェック ボックスをオフにすると、アセットは、AutoCAD の現在の DWG 画層または Inventor の現在のレイアウト画層に配置されます。

    新しい画層を作成するには、テキスト ボックスに名前を入力し、画層を表す色を選択します。

    既存の画層を選択するには、表示される一覧から画層を選択します。表示されるリストの内容は、[ファクトリ オプション][アセット ビルダー]タブの[ファイルから画層をロード]フィールドで指定したファイルから取得されます。この設定でファイルを指定しなかった場合、画層の一覧は空白になります。
    注: この機能をアクティブにするには、[ファクトリ オプション][アセット]タブの[自動画層編成を有効化]チェック ボックスをオンにする必要があります。
  7. [カスタマイズ可能]タブでは、アセット データの追跡を容易にするために、カスタム プロパティを追加することができます。ここで入力した情報は、カテゴリ別に整理されて[ファクトリのプロパティ]パレットに表示されます。
    [名前] 新しいカスタム プロパティの名前を入力するか、編集する既存のカスタム プロパティを選択します。
    [タイプ] データ タイプを選択します。
    [値] 選択したデータ タイプと一致する値を入力します。
    [カテゴリ] 新しいカテゴリ名を入力するか、既存のカテゴリ名を選択します。

    プロパティを一覧に追加するには、[追加]をクリックします。[削除]ボタンをクリックすると、選択したプロパティが[プロパティ]一覧から削除されます。

一連のプロパティを定義して、アセットをパブリッシュすると、AutoCAD および Inventor のレイアウトに配置できるようになります。

キー パラメータを使用して、アセット プロパティを定義する

アセット プロパティを定義する際は、フィールドにテキストを入力したり、モデル パラメータを定義する式を入力することができます。たとえば、アセット プロパティの[説明]フィールドに式 "=The height of the model is <Height>" を追加すると、パレット、プレビュー、ツールチップ、図面、エクスポートしたスプレッドシート内のアセットに表示される説明に、選択したアセットの実際の高さが含められます。アセットの高さが 70 インチの場合は、説明に "The height of the model is 70 in" と表示されます。式と値は検索することもできます。たとえば、"Height is 70 in"、"Height is"、または "70 in" を検索して、この条件に合致するアセットを特定することができます。

式は、次のプロパティ フィールドを除く、すべてのプロパティ フィールドでサポートされています。

Inventor のアセットに定義した式は、AutoCAD および Navisworks のアセットでも表示されます。

式を入力するには、フィールドに式を直接入力するか、フィールド内をクリックし、省略記号(...)をクリックして、マルチライン入力ウィンドウを表示します。

式の形式

式は、等号(=)から開始する必要があります。= の後に続く項目は、すべて式の一部とみなされます。キー パラメータを追加するには、<パラメータ名> の形式に準拠します。たとえば、=The width is <width> や =Size is <Length>*<Width>*<Height> と入力します。

パラメータ名は、定義済みのパラメータ名と一致する必要があります。また、大文字と小文字が区別されます。パラメータ名が大文字の場合は、式でも大文字にする必要があります。アセットのキー パラメータを表示するには、プロパティ フィールドの省略記号(...)をクリックし、マルチライン入力ウィンドウを表示して、[キー パラメータ]をクリックします。

アセットをパブリッシュした後、ユーザは、カスタマイズ可能なプロパティまたはアセット タブに含まれている式のみを変更することができます。