Autodesk Architectural Desktop 2006 以前のバージョンから AutoCAD Architecture 2022 toolset に移行する場合は、スペース プランニング機能にいくつかの変更があります。AutoCAD Architecture 2022 toolset では、スペース、エリア、スペース境界が 1 つのスペース オブジェクトに統一され、以前これらのオブジェクトと個別に関連付けられていたプロパティが含まれています。さらに、スペース オブジェクトには新機能や強化された機能も含まれており、建物モデル内の空間設計に対して総合的なソリューションを提供します。
次の表に、旧リリースと新リリースにおけるオブジェクトの変更を示します。
前バージョン | AutoCAD Architecture 2022 toolset |
---|---|
スペース | スペース |
スペース境界 | スペース |
エリア | スペース |
エリア グループ | ゾーン |
エリア名定義 | 一覧定義 |
エリア グループ テンプレート | ゾーン テンプレート |
エリア評価 | スペース評価 |
スペースには、AutoCAD Architecture 2015 より以前にはスペースとエリアに関連付けられていたプロパティの他、AutoCAD MEP 2022 toolset で作業するためのエンジニアリング プロパティも含まれています。スペースは、3D 自由形状オブジェクト、押し出し 3D スペース、2D スペースとして自動調整で生成することができます。スペースは、基本面積、ネット面積、使用可能面積、グロス面積用に個別の境界を持つことができます。スペースは、ゾーンにグループ化し、スペース評価で処理することができます。
スペース境界はスペース オブジェクトの一部になるため、AutoCAD Architecture 2015 より前のような別個のオブジェクトではありません。スペースは、基本境界、ネット境界、使用可能な境界、グロス境界を持ちます。前バージョンで作成されたスペース境界は、最新バージョンのソフトウェアでそれらのスペース境界を含む図面を開くと壁に変換されます。管理されたスペースは、自動調整スペースに変換されます。スペース境界には、多数の集計プロパティが含まれます。
スペース境界
以前はエリアに固有だったプロパティも含め、エリアはスペースに統合されました。エリア固有の機能には、分解ビュー、名前定義、計算演算子、スペース評価があります。エリアを含む図面を開くと、エリアは自動的にスペースに変換され、すべてのエリア プロパティは、対応するスペース プロパティに変換されます。新しいプロパティには、既定値が使用されます。エリア ツールは必要ないため、削除されています。
エリア グループはゾーンに変換されています。エリア グループを含む図面を開くと、エリア グループは自動的にゾーンに変換され、すべてのエリア グループ プロパティは対応するゾーン プロパティに変換されます。新しいプロパティには、既定値が使用されます。エリア グループ ツールはもう必要ないため、削除されています。
ゾーンは、新しいオブジェクトであり、スペースをグループ化する役割を果たします。ゾーンを作成すると、機能、位置、またはユーザ定義システムに従って、スペースをグループ化することができます。特定の計算演算子と集計プロパティを、ゾーンにアタッチすることができます。また、建物の構造を表す階層ゾーン構造、スペース分類基準、ユーザ定義グループ構造を作成することもできます。
エリア名定義は一覧定義に変換されています。一覧定義とは、プロジェクト全体を通じてスペースとゾーンの名前の一貫性を確保するために、スペース スタイルまたはゾーン スタイルに割り当てることのできる名前の一覧です。たとえば、一覧定義には、寝室、リビングルーム、浴室などのエントリが含まれます。エリアまたはエリア グループに関連付けられているエリア名定義を含む図面を開くと、エリア名定義は自動的に一覧定義に変換されます。一覧定義は、スタイルを通じて変換済みのスペースまたはゾーンに割り当てることができます。
エリア グループ テンプレートは、ゾーン階層の構造を定義するゾーン テンプレートに変換されています。ゾーン テンプレートはサブゾーンとコンテンツ制限のセットで定義します。ゾーン テンプレートを使用すると、図面にゾーン構造を作成できます。エリア グループ テンプレートを含む図面を開くと、エリア グループ テンプレートは自動的にゾーン テンプレートに変換されます。
エリア評価機能はスペース評価機能に変換されています。スペース評価は、完成した平面図のエリア情報と周長情報を計算するドキュメント機能です。これらの情報は、AutoCAD Architecture 2022 toolset からスプレッドシートやテキストエディタなどに書き出した別ファイルで表示されます。評価テンプレートを使用すると、情報を一貫性のある体系化された形で表示することができます。平面図を建築監督機関や顧客に提出する場合、建築家はスペース評価機能が必要になります。また、スペース評価は予算見積の作成、請負業者への作業割り当て、建物の設備管理の組織化にも利用できます。