ジオメトリ

線分、円、ハッチング領域などの基本的なジオメトリ オブジェクトを作成します。

AutoCAD では、非常に多くの種類のジオメトリ オブジェクトを作成することができますが、ほとんどの 2D 図面では、それらのいくつかを覚えるだけで十分です。

ヒント: ジオメトリ オブジェクトの作成時に表示を簡素化するには、Touch Bar で[F12]または を押して、カーソル位置のダイナミック入力をオフにします。

線分

線分は、AutoCAD 図面内の最も基本的で一般的なオブジェクトです。線分を描くには、[線分]ツールをクリックします。

または、コマンド ウィンドウに LINE または単に L と入力し、[Enter]または[Spacebar]を押します。

コマンド ウィンドウに表示される点の位置を求めるプロンプトに注目してください。

この線の始点を指定するために、デカルト座標 0,0 と入力します。通常、作成するモデルの 1 つのコーナーを座標 0,0 の位置、つまり原点に配置します。作図領域でさらに X,Y 座標を指定して後続の点を配置することもできますが、点をより効率的に指定する方法があり、それについては「精度」で紹介します。

次の点を指定した後、追加の点を求めるプロンプトが続きます。コマンドを終了するには、[Enter]または[Spacebar]を押します。

グリッドの表示

グリッド線を表示することを好むユーザもいれば、空白領域で作業することを好むユーザもいます。グリッド表示をオフにするには、Touch Bar の[F7]または を押します。グリッド表示がオフの状態でも、Touch Bar で[F9]または を押すことによって、カーソルを強制的にグリッドの位置にスナップさせることができます。

作図補助線としての線分

線分は、次のような補助線や構築ジオメトリとして使用することができます。

CIRCLE[円]コマンドの既定のオプションでは、中心点と半径を指定する必要があります。

その他の円オプションは、ドロップダウン リストから使用できます。

または、コマンド ウィンドウに CIRCLE または単に C と入力してオプションを指定することもできます。

円は、参照ジオ メトリとしても役立ちます。たとえば、図の中の 2 つのドアが互いに干渉することがわかります。

ポリラインと長方形

ポリラインとは、1 つのオブジェクトとして作成される連続した線分または円弧セグメントです。

PLINE[ポリライン]コマンドを使用して、開いたポリラインまたは閉じたポリラインを作成し、次のものを作成することができます。

ポリラインは、一定の幅であったり、始点と終点の幅が異なる場合があります。ポリラインの始点を指定した後、[幅(W)]オプションを使用して、後続のセグメントの幅を指定することができます。幅の値はいつでも(新しいセグメントの作成中でも)変更できます。

ポリラインは、ここに示すように、セグメントごとに異なる開始幅と終了幅を設定できます。

幅のあるポリラインで作成された太線を含むプリント回路基板の例を示します。ランド(丸)パターンは、DONUT[ドーナツ]コマンドで作成しました。

閉じた矩形のポリラインを作成する最も早い方法は、RECTANG[長方形]コマンドを使用する方法です(コマンド ウィンドウに「REC」と入力する)。

図に示すように、長方形の 2 つの対角点をクリックするだけです。

ハッチングと塗り潰し

AutoCAD では、ハッチングは単一のオブジェクトで、指定した領域を、線、ドット、シェイプのパターン、またはソリッド塗り潰し色、またはグラデーション塗り潰しで埋めます。

HATCH[ハッチング]コマンドを開始すると、一時的に[ハッチング]バイザーが表示されます。このバイザーでは、多数の特別なオプションとともに、業界標準のインペリアルおよび ISO ハッチング パターンを選択することができます。

最も簡単な方法は、バイザーでハッチング パターンと尺度を選択し、オブジェクトによって完全に囲まれた領域内をクリックする方法です。ハッチングのサイズと間隔をコントロールするには、ハッチングの表示尺度を指定します。

ハッチングを作成した後に、境界オブジェクトを移動してハッチング領域を調整したり、1 つまたは複数の境界オブジェクトを削除して、境界線表示のないハッチングを作成することができます。

ハッチング パターンをソリッド塗り潰しまたはグラデーション塗り潰しに設定した場合、透過性レベルの設定を調整し、面白い重なり合い効果を得ることもできます。透過性を設定するには、ハッチング オブジェクトを選択し、[プロパティ インスペクタ]でスライダを調整します。
注: [プロパティ インスペクタ]については、「プロパティ」の項を参照してください。

次に、ソリッド塗り潰しハッチングの使用例をいくつか示します。

注: 領域が完全に囲まれていない場合、隙間を確認する場所を示すために赤い円が表示されます。赤い円を消すには、コマンド ウィンドウに REDRAW と入力します。

上のデッキ ボードのように、ハッチングでパターンを位置合わせする必要がある場合は、ハッチングの原点グリップにカーソルを合わせ、[原点]を選択して位置合わせ点を指定します。

ユーザ座標系(オプション)

ユーザ座標系(UCS)アイコンによって、ユーザが入力する座標の X 軸と Y 軸の正の方向が示されます。さらに、図面の水平方向と垂直方向も定義されます。一部の 2D 図面では、UCS をクリックして配置し、原点と X または Y 軸を変更すると便利です。

たとえば、UCS の方向を再設定することで、図のように X 軸に自動的に位置合わせされた長方形を作成することができます。

ユーザ座標系を元の場所に復元するには、コマンド ウィンドウに UCS と入力し、[Enter]を押して既定の[ワールド]オプションを指定します。

重なり合っているオブジェクト

ハッチング、塗り潰し、幅のあるポリライン、文字オブジェクトが重なっている場合は、DRAWORDER[表示順序]コマンドを使用して、どのオブジェクトが他のオブジェクトの上または下にあるかを決定します。たとえば、青色の河川が黄色の高速道路の上を横切るのではなく、高速道路が河川の上を横切るようにすることができます。

ツール セットの[修正]パネルから、いくつかの表示順序オプションにアクセスすることができます。[修正]パネルで をクリックし、[表示順序]ドロップダウンを表示します。

ドロップダウンを展開すると、すべてのハッチングを背面に移動したり、選択したオブジェクトを前面に移動するなどの表示順序オプションが表示されます。

ドロップダウン リストには、選択したオブジェクトのオプションと、たとえば文字のような特定のタイプのオブジェクトすべてに適用されるオプションが表示されます。