概要 - 幾何公差記号を作成する(AutoCAD Mechanical ツールセット)

幾何公差は、複数の領域に分割された長方形の枠です。

記号の説明

分割された領域には、公差の種類の記号、公差の値、または指定する公差に関するデータムを識別する文字が含まれます。公差枠と公差が記入されるフィーチャは、終端に矢印が付いた引出線で結び付けられています。

フィーチャに適用される幾何公差により、フィーチャが含まれる公差域が定義されます。幾何公差記号に注記を追加できます。必要に応じて、複数の種類の公差をフィーチャに指定できます。公差の仕様は他の公差枠の下にある公差枠に表示されます。

記号の外観は、現在の製図規格および選択した履歴によって決まります。

直交引出線

幾何公差をオブジェクトにアタッチする場合、AutoCAD Mechanical ツールセット では、1 番目の引出線セグメントがアタッチされたオブジェクトに対して直交するように付加されます。後続の引出線セグメントは、水平または垂直に付加されます。この動作を変更にするには、クロスヘアを移動するときに、[記号引出線直交モードの切り替え]キー(既定では、[Shift]+[F])を押します。

引出補助線

引出線の始点を線分または円弧の外側に移動すると、AutoCAD Mechanical ツールセット では自動的に寸法補助線が描画されます。オーバーシュート長および引出線の終点からのオフセットに関する既定値は、それぞれ DIMEXE システム変数、DIMEXO システム変数によって決まります。AutoCAD Mechanical ツールセット では、スプラインに対して寸法補助線を作成しません。

データムを識別する二次引出線

二次引出線を使用する記号を描画し、指定する公差に関して、データムを指定できます。ただし、このような記号を作成するには、最初に 1 本の引出線で記号を作成する必要があります。その後で、記号を編集して二次引出線を追加します。二次引出線を追加する際に、自動ルート コマンド ライン オプションを選択すると、アタッチ点を選択するだけで済みます。これにより、1 番目のセグメントはアタッチされたオブジェクトに対して直交し、後続の引出線セグメントはすべて水平か垂直の引出線が自動的に描画されます。

注:

一部の規格では、データムを識別する二次引出線を使用できません。詳細については、「サポートされている製図規格」セクションの表を参照してください。

サーフェス指示記号引出線

AutoCAD Mechanical ツールセット には、サーフェス指示記号引出線を作成するコマンド ライン オプションが用意されています。これにより、エッジではなく面を記号引出線で指示することができます。サーフェス指示記号引出線を使用すると、側面図ではなく平面図で要件を指定できます。

注: 一部の規格では、サーフェス指示記号引出線を使用できません。詳細については、「サポートされている製図規格」セクションの表を参照してください。

寸法へのアタッチ

AutoCAD Mechanical ツールセット には、次に示すように、記号を寸法にアタッチして位置合わせするオプションが用意されています。

説明
長さ寸法にアタッチして寸法線に位置合わせ(寸法矢印が寸法補助線の内部にある場合)
長さ寸法にアタッチして寸法線に位置合わせ(寸法矢印が寸法補助線の外部にある場合)
寸法の水平参照線にアタッチ(GOST 規格でのみサポート)
直径寸法に位置合わせ
直径寸法の寸法値にアタッチ

サポートされている製図規格

規格/履歴 直交引出線 引出補助線 データム ID 引出線 サーフェス指示記号引出線
ANSI ASME Y14.5 M -1994 はい はい はい  
ASME Y14.5M - 1982 はい はい はい  
BSI EN ISO 1101:2013 はい はい はい  
BS 308 Part 3 -1990 はい はい はい  
CSN EN ISO 1101:2013        
CSN 01 3138 -1994 はい はい はい  
DIN ISO 1101:2008 DIN EN ISO 5459:2008 はい はい   はい
DIN ISO 1101:1983 DIN EN ISO 5459:1982 はい はい はい  
GB/T 1182 -2008 はい はい   はい
GB/T 1182 -1996 はい はい   はい
GOST 2.308-79 はい はい はい  
ISO 1101:2012(E) はい はい   はい
ISO 1101:2004 はい はい   はい
ISO 1101:1983 はい はい はい  
JIS B 0021 (1998) はい はい   はい
JIS B 0021:1984 JIS B 0022:1984 はい はい はい