移動経路の計算

移動経路を作成するとき、Revit では現在のビューを解析し、最適な(最短の)経路を計算します。計算中、移動経路は、(設定で定義された)障害物として識別されたカテゴリを回避し、一般的な人の幅および歩行中の体の揺れを考慮します。

移動経路の解析は Simulex 解析エンジンに基づいています。これは次の 4 つの手順で実行されます。

  1. グリッドを定義して、基本ルートを生成する。
  2. 基本ルートに沿って、最も近い障害物を検索する。
  3. コーナーのスナップ点を使用して、修正された経路を生成する。
  4. 障害物からオフセットして、最適な「歩行」経路を生成する。

これらの手順は、解析の内部プロセスです。次のセクションで手順を説明し、経路の線分がどのようにして生成されるかを明確にします。

ルートを生成する

移動経路の解析を開始するには、Revit で平面図ビューにグリッドを適用します。グリッドの間隔を 0.2 メートルに固定します。各グリッド セルに、経路の終端からの距離に関連する値が指定されます。イメージ内の色は距離の範囲を示します。

障害物として定義されたカテゴリを含むセルは、考慮対象から削除されます(イメージ内で黒色表示されます)。セルが 2 つの側面でこれらの削除されたセルに隣接する場合、そのセルも考慮対象から削除されます。次のイメージでは、いくつかのテーブル間でこの状態になっています。スペースが非常に狭い場合、この状態が解析に影響を及ぼす可能性があります。

グリッドと距離

これらの初期計算に基づいて、Revit で基本経路が生成され、候補となる最短の経路に沿ってセルの中心点を通るノードが作成されます。A* アルゴリズムのカスタム フォームを使用して、障害物のない最短の経路が決まります。

基本経路

基本ルートに近い障害物を識別する

より最適な経路を生成するため、Revit は基本経路に近い障害物を識別します。近くの障害物を検索するため、基本経路に沿った各ノードに半径 0.3 メートルの円が配置されます。円と障害物の最も近い交点が、修正された経路でコーナーのスナップ点として識別されます。

近くの障害物を見つける

コーナーのスナップ点をさらにキャプチャするため、Revit で基本経路に沿った別の経路が作成されます。半径 0.3 メートルの円が障害物と交差しなかったノードでは、より大きな半径 0.566 メートルの円を使用して離れた位置にある潜在的な障害物を検索します。

2 つ目の経路に沿って近くの障害物を見つける

修正された経路を生成する

これらのコーナーのスナップ点を使用して、Revit では基本経路に沿って可能な限り障害物に近いルートを通る、修正された経路が生成されます。この修正された経路は、最終的な移動経路を生成するための基準となります。

修正された経路

最適な移動経路をオフセットする

Revit では、障害物から 0.3 メートル離れた、修正された経路上の各ノードがオフセットされます(体の半径として 0.25 メートル、体の揺れとして 0.05 メートル)。ノードに対する流入/分流角度から 90º の方向にオフセットされ、オフセット点間は 30º 以上です。

体の幅だけオフセットする

非常に近い(0.2 メートル未満)オフセット点は合成され、最終的な経路が滑らかになります。Revit では、このオフセット点を使用して最終的な最適化された経路が描画されます。

最終的な移動経路を作成する