vl-string-subst (AutoLISP)

文字列内の特定の文字列を他の文字列で置換します。

サポートされているプラットフォーム: Windows および Mac OS

構文と要素

(vl-string-subst new-str pattern str [start-pos])

new-str

タイプ: 文字列

pattern の置換後の文字列値。

pattern

タイプ: 文字列

置換するパターンを含む文字列値。

str

タイプ: 文字列

pattern を検索する文字列値。

start-pos

タイプ: 整数型

検索開始位置を示す数値。省略した場合は 0(ゼロ)。

戻り値

タイプ: 文字列

置換後の str の値。

注意

検索は大文字と小文字が区別され、 最初に見つかった文字列のみが置換されることに注意してください。

リリース情報

リリース:

• AutoCAD R12 and later on Windows
• AutoCAD 2011 and later on Mac OS

履歴

AutoCAD 2021

• 以前 new-str、pattern、str 引数は ASCII 文字列または文字を受け入れましたが、現在は Unicode テキスト文字列または文字を受け入れます。
• 戻り値は Unicode 文字をサポートするように修正されており、旧リリースと異なる場合があります。旧リリースでは、Unicode 文字の長さが正しく計算されませんでした。たとえば、以前 (vl-string-subst "中" "€" "abc中€bec" 5) は "abc中中bec" を返しましたが、現在は "abc中€bec" を返します。
• システム変数 LISPSYS は、使用する AutoLISP エンジンと関数の動作をコントロールします。
  • 0 - ASCII 文字をサポート(従来の動作)
  • 1 または 2 - Unicode 文字をサポート
  注: システム変数 LISPSYS の値を変更した後、変更を反映するには AutoCAD を再起動する必要があります。

例

文字列 "Ben" を "Obi-wan" に置換します。

(vl-string-subst "Obi-wan" "Ben" "Ben Kenobi")
"Obi-wan Kenobi"

"Ben" を "Obi-wan" に置換します。

(vl-string-subst "Obi-wan" "Ben" "ben Kenobi")
"ben Kenobi"

vl-string-subst 関数は "Ben" に一致する文字列を発見できないので、置換は行われません。文字列内の "ben" を検索するには、小文字の "b" で始まっていなければなりません。

"Ben" を "Obi-wan" に置換します。

(vl-string-subst "Obi-wan" "Ben" "Ben Kenobi Ben")
"Obi-wan Kenobi Ben"

文字列内には、検索される文字列 "Ben" が 2 つ存在しますが、vl-string-subst 関数は最初に現れた文字列のみを置換します。

"Ben" を "Obi-wan" に置換します。今度は、文字列内の 4 番目の文字から検索を開始します。

(vl-string-subst "Obi-wan" "Ben" "Ben \"Ben\" Kenobi" 3)
"Ben \"Obi-wan\" Kenobi"

検索対象の文字列内には文字列 "Ben" が 2 つ存在しますが、vl-string-subst 関数は 4 番目の文字から検索を開始するように指示されているため、最初の "Ben" ではなく、後の "Ben" を見つけて置換します。