練習 S8: グリッド点を使用して歪みを補正する

この練習では、[ラバーシート]を使用して、グリッド構造を持つ地図やスキャン図面の歪みを補正します。

[ラバーシート]ツールの[グリッド点]機能を使用すると、イメージに対して制御点の規則的な矩形パターンを作成できます。この練習では、規則的なセルに分割されている地図をラバーシート化します。[ラバーシート]を呼び出した後、[グリッド点]機能を使用して目的点のグリッドを定義します。次に、[点を追加]機能を使用し、グリッドの全目的点の基点を選択します。グリッドの制御点を指定した後、[多項式]を使用してイメージをラバーシート化することができます。

関連する練習

この練習を行う前に、AutoCAD Raster Design toolsetのオプションが「練習 A1: AutoCAD Raster Design Toolsetのオプションを設定する」で説明したとおりに設定されていることを確認します。

練習

  1. ..\Program Files\Autodesk\ApplicationPlugins\RasterDesign2023.Bundle\Contents\Tutorials¥Tutorial2 フォルダの図面ファイル GridRubbersheet_01.dwg を開きます。図面にはスキャンした地図のイメージが含まれます。
  2. [ラバーシート - 制御点の設定]ダイアログ ボックスを表示するには、[ラスター ツール]タブ [配置設定]パネル [ラバーシート] をクリックします。
  3. [方法]領域で[多項式]をクリックします。
  4. [グリッド点]ボタンをクリックします。[グリッド パラメータ設定]ダイアログ ボックスが表示されます。

    グリッド パラメータを設定する

    このボックスでは、目的点グリッドのパラメータを設定します。このパラメータを指定するためのデータは、イメージ内の情報から読み込むことができます。

  5. 表示されているイメージに、点で構成される 6 行 5 列が含まれていることに注目してください。このグリッドを、イメージに含まれるグリッドに近づけていきます。[グリッド パラメータ]ダイアログ ボックスの[点]領域で、[行]6[列]5 と入力します。ラバーシート操作で使用できる点の数がわかるよう、グリッド内の点の総数が表示されることに注意してください。

    このサンプルは、イメージ内の行と列を示しています。

  6. このイメージでは、グリッドの原点(左下コーナー)を 10000 と表示された点にする必要があることに注意してください。この点の座標は、(37,400, 10,000) です。[グリッド]領域で[原点の X 座標]37400[原点の Y 座標]10000 と入力します。
  7. イメージ上のグリッド セルのサイズに注意してください。それらは、800×800 です。[セル]セクションの[X サイズ]800[Y サイズ]800 と入力します。
  8. [プレビュー]ボタンをクリックして、グリッドのレイアウトを確認します。

    新しいグリッドの各頂点は、イメージ グリッドの頂点と近い位置にあります。ラバーシート化処理の次の手順では、AutoCAD Raster Design toolsetによって各グリッド点(頂点)が表示されるので、ここにイメージ内の基点を指定します。この基点が、グリッド上の目的点にストレッチされます。

  9. 右クリックするか[Enter]を押して、プレビュー ウィンドウを終了します。

    グリッドに対応する基点を追加する

  10. [グリッド パラメータ設定]ダイアログ ボックスで、[点を追加]をクリックします。ダイアログ ボックスが閉じ、画面がグリッドの原点にズームおよび画面移動します。この点はイメージの配置設定に使用されたので、基点と目的点は正しく位置合わせされています。
  11. a と入力して、原点を固定します。

    コマンド ラインに点(0,1)が表示され、表示がこの点(1 セル分右側)に移動します。

    ヒント: 基点を追加する際、[オブジェクト スナップ]をオフにすると、カーソルをコントロールしやすくなります。
  12. イメージ内の点線で示されたラスター グリッド線の交点を、(0.1)の基点として指定します。
    注: 点を追加するためのズーム レベルは変更できます。新しいズーム レベルは、再び変更するまで、次回以降の点の指定にも適用されます。
  13. 続けてグリッド内の各ノードに対して基点を指定します。グリッド点がすべて基点と一致している場合は、a と入力して点を固定します。s と入力して任意の点をスキップしたり、u と入力して前の任意の点に戻り、その点の位置を変更することもできます。

    イメージ内の交点の位置が分からなくなったときは、ときどき縮小ズームすると基点を指定しやすくなります。すべての点を指定すると、[ラバーシート - 制御点の設定]ダイアログ ボックスが再び表示され、対応する基点と目的点の位置が表示されます。

    進んだ練習: このテーブルのうち任意の行を選択して右クリックし、その点にズームすると、現在のエラー レベルが点の実際の移動先にどの程度の影響を及ぼすのかを確認できます。[多項式]の[次数]の設定値を大きくすると、制御点に対するエラー レベルは低下しますが、制御点から離れた領域では、イメージの歪みが大きくなります。

    ラバーシート化を設定してプレビューする

    プレビューすると、一連の制御点の外側の領域が最終イメージから削除されることが示されます。

  14. [プレビュー]ボタンをクリックし、ラバーシート化の結果をプレビューします。赤の境界はラバーシート化後のイメージの範囲を示し、水色の境界はその範囲に含まれるデータを示しています。ハッチング領域は、新たなイメージから削除されます。
  15. 右クリックするか[Enter]を押して、プレビューを終了します。

    ラバーシート化を実行する

    ラバーシート化を繰り返す必要がある場合は、ラバーシート化を実行する前に制御点を書き出しておきます。

  16. [書き出し]ボタンをクリックします。[書き出し]ダイアログ ボックスが表示されます。[書き出し]ダイアログ ボックスでファイル名として Grid_01.txt と入力し、[書き出し]ボタンをクリックして書き出しを終了します。
  17. [OK]をクリックします。ラバーシート化処理が行われ、[ラバーシート - 制御点の設定]ダイアログ ボックスが閉じます。
  18. 変更を保存せずに図面を閉じます。