注釈キーの形式プロパティは、注釈キーに一致するポイントの完全な注釈を作成するために使用します。
次に挙げるのは、注釈キーの形式のサンプルです。
ポイントの未処理注釈は、常にポイントと一緒に格納され、多くの場合、測量士が現場で入力したポイントの注釈に対応します。ただし、たとえば図面内のポイントにラベルを付けるときに、ポイントの未処理注釈に含まれている情報が希望どおりの形式になっていないことがあります。形式プロパティを使用すると、ポイントに対してわかりやすい注釈をを含んだ完全な注釈を作成することができます。
注釈キーに一致するポイントについて標準の完全な注釈を定義する方法として、希望の注釈を形式プロパティに指定することができます。たとえば、特定の注釈キーに一致するすべてのポイントについて、その完全な注釈を MONUMENT にしたい場合は、形式プロパティに MONUMENT と入力します。そうすると、その注釈キーに一致するポイントは、MONUMENT という完全な注釈付きで作成されます。
注釈キーに一致するすべてのポイントについて、完全な注釈を未処理注釈と同じにしたい場合は、形式プロパティに $* と入力します。
未処理注釈からわかりやすい完全な注釈を作成するために、未処理注釈の中の要素を並べ替えたり、説明テキストを追加したりできます。これを行うには、未処理注釈を完全な注釈に変換する形式を定義する必要があります。
各ポイントにおける未処理注釈の要素はそれぞれ、スペース文字で区切られています(TREE OAK 7 など)。未処理注釈内の要素を並べ替えるには、個々の要素を参照する必要があります。形式の作成時に、$0 という記号を使用して未処理注釈の先頭の要素を参照し、残りの要素を $ 記号に数字(1 ~ -9)を付けたパラメータとして参照します。この番号は、未処理注釈のパラメータの位置に対応します。
たとえば、未処理注釈 TREE OAK 7 では、未処理注釈の先頭要素 TREE を、記号 $0 を使用して参照します。1 番目のパラメータ OAK は、記号 $1 を使用して参照します。2 番目のパラメータ 7 は、記号 $2 を使用して参照します。
注釈キーが一致すると、未処理注釈内の要素を参照する形式プロパティによって、未処理注釈が完全な注釈に変換されます。
ポイントを作成し、未処理注釈に TREE OAK 7 と指定します。使用している注釈キー セットの 1 つに、コードが TREE で、形式が「$2 inch $1 tree」の注釈キーが含まれています。
未処理注釈の先頭要素 TREE は、注釈キーのコード(これも TREE)と一致します。その注釈キーに指定された形式「$2 inch $1 tree」が、ポイントの未処理注釈を完全な注釈に変換するために使用されます。
形式プロパティにある $2 は、未処理注釈の 2 番目のパラメータを指しており、その内容は 7 です。形式プロパティにある $1 は、未処理注釈の 1 番目のパラメータを指しており、その内容は OAK です。完全な注釈は、形式「$2 inch $1 tree」にある $2 を 7 で、そして $1 を OAK で置き換えることにより、作成されます。形式プロパティの中のテキスト(inch と tree)は変更されません。置き換えを実施した後の、変換された完全な注釈は「7 inch OAK tree」になります。
次の一覧は、注釈キーのパラメータ置換コードです。未処理注釈を完全な注釈として使用する場合のコードも含まれています。
コード名 |
形式プロパティ内での機能 |
例 |
---|---|---|
$0 |
未処理注釈の先頭要素を参照します。 |
TREE Oak 7 |
$1 |
未処理注釈の 1 番目のパラメータを参照します。 |
TREE Oak 7 |
$2 |
未処理注釈の 2 番目のパラメータを参照します。 |
TREE Oak 7 |
$3 |
未処理注釈の 3 番目のパラメータを参照します。 |
TREE Oak 7 24 |
$4、$5、… $9 |
それぞれ、4 番目以降、9 番目までのパラメータを参照します。 |
|
$+ |
先頭要素より後の、未処理注釈内のすべてのパラメータを参照します。 |
TREE Oak 7 |
$* |
未処理注釈内のすべてのパラメータに加えて、先頭要素も参照します。 |
TREE Oak 7 |
$$ |
注釈の中に 1 文字の $ を挿入します。 |
形式の一部に $$200.00 と指定した場合、変換後の完全な注釈でその部分は $200.00 になります。 |
$* |
ポイントの未処理注釈を完全な注釈として使用します。 |
未処理注釈 UP-1、UP-2、UP-3 を使用している場合に、これらの注釈を完全な注釈として使用したいときは、形式として $* を使用します。 |