[パーツ プロパティ]タブ([構造物プロパティ]ダイアログ ボックス)

この構造物に関連付けられているプロパティを表示または変更するには、このタブを使用します。

このタブには、この構造物に関連付けられているプロパティと、その現在の値が表示されます。構造物プロパティには、基本的なサイズとシェイプ、標高の調整方法など、構造物オブジェクトのさまざまな特性を定義します。

プロパティの中には、ある特定のタイプの構造物にしか設定できないものもあります。たとえば、リムおよび排水溜めの動作プロパティは、ます構造にのみ設定されます。また、[集排水口基部の幅]など、集排水口に関するプロパティは、流出入構造物にのみ設定されます。

また、読み込み専用のプロパティと、編集可能なプロパティとがあります。編集可能なプロパティの値を変更するには、[値] フィールドをダブルクリックし、新しい値を入力するか、リストから値を選択します。

一般的な情報

このプロパティには、構造物の挿入ポイントにおける標高や、参照するサーフェスおよび線形など、構造物の一般的な特性を指定します。

[挿入ポイントのサーフェス標高]

挿入ポイントにおける構造物の標高を指定します。

[参照サーフェス]

構造物が参照するサーフェスを指定します。

[参照線形]

構造物が参照する線形を指定します。

Geometry

このプロパティには、構造物の回転角度、オフセット、測点データ、および構造物に現在接続されているパイプの数などの特性を指定します。

[構造物の回転角度]

構造物の回転角度を指定します。

[構造物のオフセット]

構造物のオフセットを指定します。

[構造物の北座標]

構造物の北座標を指定します。

[構造物の東座標]

構造物の東座標を指定します。

[接続パイプ]

構造物に現在接続されているパイプの数を指定します。

挿入リム動作

このプロパティは、ます構造物にのみ関連するものです。構造物のリム高や調整動作を指定します。

[挿入リム高]

構造物のリムの現在の標高を指定します。これは、[自動サーフェス調整]プロパティが[はい]に設定されている場合は編集できません。

[サーフェスの自動調整]

参照するサーフェスおよび[サーフェスの調整値]を基にして、リム高を自動的に調整するかどうかを指定します。このプロパティが[はい]に設定されている場合、構造物をグリップ編集すると、サーフェスの調整値が変更されます。このプロパティが[いいえ]に設定されている場合、構造物をグリップ編集すると、リム高が変更されます。

[サーフェスの調整値]

[サーフェスの自動調整]が[はい]に設定されている場合、リム高は、サーフェスの標高およびここで指定された値に基づいて自動的に調整されます。移動に伴って標高が変化した構造物では、その標高が自動的に調整されます。

排水溜めの動作

このプロパティは、ます構造物にのみ関連するものです。構造物の動作、標高、および構造物の排水溜めの深さを指定します。

[排水溜めの標高]

構造物の排水溜めの標高を指定します。ただし標高は、構造物の内側底部で計測したものを指定します。このプロパティが有効になっている場合、構造物をグリップ編集すると、排水溜めの標高は変更されます。

[排水溜めの深さ]

排水溜め領域の深さを指定します。ただし、構造物の内側底部から、構造物に接続されている中で最も下にあるパイプのインバートまでの距離を深さとして指定します。このプロパティが有効になっている場合、構造物をグリップ編集すると、排水溜めの深さは変更されます。

[排水溜めを次で制御:]

排水溜めの深さを、最下部に位置するパイプのインバートを基準にした深さに基づいて制御するか、排水溜めの特定の標高値に基づいて制御するかを指定します。

水理プロパティ

このプロパティでは、水理プロパティ データを含むパイプ ネットワークの動水勾配線、エネルギー勾配線およびます構造の損失値を指定します。

動水勾配線とエネルギー勾配線は、存在する場合、構造物を通る直線として表示され、1 つのパイプの[HGL 上]プロパティまたは[EGL 上]プロパティと、次のパイプの[HGL 下]プロパティまたは[EGL 下]プロパティの間を接続します。詳細は、「パイプ ネットワークの水理プロパティ データを使用するには」を参照してください。

[動水勾配線]

水理プロパティ データを含むパイプ ネットワークの動水勾配線の標高を指定します。

[エネルギー勾配線]

水理プロパティ データを含むパイプ ネットワークのエネルギー勾配線の標高を指定します。

[既知の容量]

水理プロパティ データを含むパイプ ネットワークの既知の容量を指定します。

既知の流量
構造物に対する既知の流量を指定します。この値は、[自然流下式ネットワークの解析]コマンドによって、集水域からの流量に加えて使用されます。
[ターゲットを省略]

[勾配上]集排水口を通過した水が流れる先を表します。別の構造物または[<なし>]を選択します。[<なし>]を選択すると、[バイパス ターゲット]フィールドに[オフサイト]と表示されます。

このプロパティは、[パーツ データ]セクションの[構造物タイプ]が[格子集排水口]、[縁石集排水口]、または[組み合わせ]に設定されている場合、および[取り入れ口の位置]プロパティが[勾配上]に設定されている場合に、ダイアログ ボックスに表示されます。

[取り入れ口の位置]
取り入れ口のタイプを指定します。
  • [勾配上]: 勾配上に位置付けられている雨水排水口に使用します。勾配上雨水排水口は、ある程度の雨水流出には対応できますが、すべての流出に対応できるとは限りません。より少ない流量であれば雨水流出のすべてに対応しますが、流量が増加してあるポイントに達すると、一部の雨水は取り入れ口に入らずに、勾配に沿って他の流れと合流しながら、さらに下流にある他の雨水排水口へと流れていきます。
  • [凹型上]: 低点(またはくぼ地)に位置付けられている雨水排水口に使用します。
  • [なし]: 取り入れ口ではない構造物に使用します。

このプロパティは、[構造物タイプ]が[格子集排水口]、[縁石集排水口]、または[組み合わせ]に設定されている場合に、ダイアログ ボックスに表示されます。

注: このプロパティでは、Autodesk Civil 3D のパーツ データを変換し、これを Storm and Sanitary Analysis の要素に変換する手順がサポートされています。Storm and Sanitary Analysis に書き出すときは、Autodesk Civil 3D の構造の[取り入れ口の位置]の値に従って、STM ファイルの[取り入れ口の凹型](真/偽値)が設定されます。Storm and Sanitary Analysis に読み込むときは、STM ファイルの[取り入れ口の凹型]の値が、STM ファイルの各パーツに適した Storm and Sanitary Analysis パーツの選択に使用されます。

側溝の詳細

これらのプロパティは、[構造物タイプ]が[格子集排水口]、[縁石集排水口]、または[組み合わせ]に設定されている場合に、ダイアログ ボックスに表示されます。これらは、集排水構造物の物理プロパティではなく、集排水口の周囲の道路領域のプロパティです。これらは、[自然流下式ネットワークの解析]コマンドによって、集排水口解析計算に使用されます。

道路 Sx
道路の横断勾配を指定します。
側溝 Sw
側溝の横断勾配を指定します。
側溝幅
側溝の幅を指定します。
縦勾配
集排水口の位置の道路に沿った勾配を指定します。このプロパティは、[水理プロパティ]セクションの[取り入れ口の位置]プロパティが[勾配上]に設定されている場合に使用できます。
側溝 n 値
側溝マテリアルの粗さを指定します(通常はコンクリートのタイプ)。
注: [構造物タイプ]が[格子集排水口]、[縁石集排水口]、または[組み合わせ]に設定されている場合、[水理プロパティ]セクションで[バイパス ターゲット]および[取り入れ口の位置]を指定することもできます。

パーツ データ

このプロパティでは、パーツ タイプ、パーツ サブタイプ、およびパーツ カタログで定義されているパーツ サイズの名前など、パーツのさまざまな特性を指定します。一部のプロパティには、パーツの基本的なシェイプおよび動作が指定されています。これらのプロパティは読み込み専用です

[パーツ タイプ]

構造物のパーツ タイプを指定します。

[パーツ サブタイプ]

構造物のサブタイプを指定します。

[パーツの注釈]

構造物の説明を入力します。

[パーツ サイズ名]

パーツ サイズの名前を指定します。

構造物タイプ
構造物のタイプを指定します: [格子集排水口]、[縁石集排水口]、[組み合わせ]、[吐き口]、または[マンホール]。このプロパティは、[自然流下式ネットワークの解析]コマンドによって、実行する集排水口計算のタイプの決定に使用されます。また、このプロパティにより、このダイアログ ボックスに表示される他のプロパティが決まります。
格子幅
格子幅を指定します。この寸法は、側溝に沿った流れに垂直です。この値は、[自然流下式ネットワークの解析]コマンドによって、集排水口解析計算に使用されます。

このプロパティは、[構造物タイプ][格子集排水口]または[組み合わせ]に設定されている場合に、ダイアログ ボックスに表示されます。

格子長さ
格子長さを指定します。この寸法は、側溝に沿った流れの方向です。この値は、[自然流下式ネットワークの解析]コマンドによって、集排水口解析計算に使用されます。

このプロパティは、[構造物タイプ][格子集排水口]または[組み合わせ]に設定されている場合に、ダイアログ ボックスに表示されます。

格子開口部の面積
格子開口部の面積を指定します。この値は、[自然流下式ネットワークの解析]コマンドによって、集排水口解析計算に使用されます。

このプロパティは、[構造物タイプ][格子集排水口]または[組み合わせ]に設定されている場合に、ダイアログ ボックスに表示されます。

縁石開口部の高さ
縁石開口部の高さを指定します。この値は、[自然流下式ネットワークの解析]コマンドによって、集排水口解析計算に使用されます。

このプロパティは、[構造物タイプ][縁石集排水口]または[組み合わせ]に設定されている場合に、ダイアログ ボックスに表示されます。

縁石開口部の長さ
縁石開口部の長さを指定します。この値は、[自然流下式ネットワークの解析]コマンドによって、集排水口解析計算に使用されます。

このプロパティは、[構造物タイプ][縁石集排水口]または[組み合わせ]に設定されている場合に、ダイアログ ボックスに表示されます。

局所的なくぼ地
集排水口がくぼ地である場合の集排水口開口部と側溝の間の標高差を指定します。この値は、[自然流下式ネットワークの解析]コマンドによって、集排水口解析計算に使用されます。

このプロパティは、[構造物タイプ][縁石集排水口][格子集排水口]、または[組み合わせ]に設定されている場合に、ダイアログ ボックスに表示されます。

小段配置方法
小段配置方法を指定します: [凹型または排水溜め]、[平坦(レベル)]、[半分の小段付き]、[完全な小段付き]、または[改善済み]。小段配置は、集排水口から流出口へのスムーズな摺り付けを提供するための、構造物底部の水路の形成のことです。次を参照してください: 『Urban Drainage Design Manual, Hydraulic Engineering Circular No. 22』(略称 HEC-22、第 3 版、米国運輸省連邦高速道路局、セクション 6.2.5 および 7.1.6.7)。
[構造物のシェイプ]

パーツ カタログで定義されている、構造物の基本的なシェイプを指定します。たとえば集排水口のシェイプは、パーツ カタログでは通常、矩形として定義されており、マンホールのシェイプは円筒形として定義されています。

[垂直方向のパイプのクリアランス]

構造物に接続されている中で最も上にあるパイプの外側上部から、リムに至る部分に必要なクリアランスを指定します。これはカタログで定義されている値で、パイプが必ず、適切な高さで構造物に接続されることを保証するためのものです。これによって、たとえばパイプが構造物の円錐部分に接続されることがなくなります。

[リムから排水溜めまでの高さ]

排水溜めから構造物のリムまでの距離を指定します。このプロパティは、ます構造物に対してのみ指定できます。

[集排水口基部の幅]

集排水口の基部の幅を指定します。このプロパティは、流出入構造物に対してのみ指定できます。

[集排水口基部の厚さ]

集排水口の基部の厚さを指定します。このプロパティは、流出入構造物に対してのみ指定できます。

[壁の厚さ]

構造物の壁の厚さを指定します。壁の厚さは、構造物の内側の端から外側の端までの距離です。このプロパティは、ます構造物に対してのみ指定できます。

[フロア厚さ]

構造物の底部の厚さを指定します。このプロパティは、ます構造物に対してのみ指定できます。

[マテリアル]

パーツに対して定義するマテリアルを指定します。このオプション プロパティは主に、ラベル付けに使用します。このプロパティを使用すると、パーツの作成に使用するマテリアルのタイプを識別できます。

[フレーム]

構造物に使用するフレームのモデルまたはタイプを指定します。このプロパティは省略可能です。

[格子]

排水ますなどの構造物に使用するグレーチングのモデルまたはタイプを指定します。このオプションは省略可能です。

[土被り]

マンホールなどの構造物に使用する土被りのモデルまたはタイプを指定します。このオプションは省略可能です。

[フレームの高さ]

構造物のフレームの高さを指定します。このプロパティは、ます構造物に対してのみ指定できます。

[フレームの直径]

構造物のフレームの直径を指定します。このプロパティは、ます構造物に対してのみ指定できます。

[フレームの長さ]

構造物のフレームの長さを指定します。このプロパティは、ます構造物に対してのみ指定できます。

[フレームの幅]

構造物のフレームの幅を指定します。このプロパティは、ます構造物に対してのみ指定できます。

[バレル高さ]

構造物のバレル部分の高さを指定します。このプロパティは、2 層構造のます構造物に対してのみ指定できます。

[バレル パイプのクリアランス]

このプロパティにより、パイプを配置する位置をどの程度まで構造物のリムに近づけることができるかが決まります。これは、2 層構造のます構造物に対してのみ指定できるプロパティで、構造物のバレル部分の最上部より上の部分に必要なクリアランスを指定します。このプロパティは[垂直方向のパイプのクリアランス]プロパティとは異なり、2 層構造になっている構造物のアクセス シリンダと幅の広いバレル シリンダとの接続部分のみを表します。

[円錐の高さ]

構造物の円錐部分の高さを指定します。このプロパティは、2 層構造のます構造物に対してのみ指定できます。

[スラブの厚さ]

構造物のスラブの厚さを指定します。このプロパティは、ます構造物に対してのみ指定できます。

[構造物内側の直径]

構造物の内径を指定します。このプロパティは、ます構造物に対してのみ指定できます。

[構造物の高さ]

構造物全体の高さを指定します。構造物全体の高さとは、構造物底部の外側の端から最上部の外側の端までの距離です。

[構造物の直径]

構造物の直径を指定します。直径は、構造物の外側を両端として計測したものです。円形の構造物には通常、直径プロパティを使用しますが、円形以外のシェイプを持つ構造物には、幅と長さのプロパティを使用します。

[構造物の幅]

構造物の幅を指定します。幅は、構造物の外側を両端として計測したものです。円形以外のシェイプを持つ構造物には通常、幅と長さのプロパティを使用しますが、円形の構造物には直径プロパティを使用します。

[構造物の長さ]

構造物の長さを指定します。長さは、構造物の外側を両端として計測したものです。円形以外のシェイプを持つ構造物には通常、幅と長さのプロパティを使用しますが、円形の構造物には直径プロパティを使用します。