概要 - 自然流下式パイプ ネットワークの分析およびサイズ変更

[自然流下式ネットワークの解析]コマンドを使用すると、パイプのサイズ変更、インバートのリセット、HEC-22 標準に準拠したエネルギー勾配線と動水勾配線の計算が可能です。

このユーティリティは次の目的に使用することができます。

次の図は、サイズ変更前後のパイプ ネットワークの解析結果例を縦断ビューで示します。

サイズ変更前のパイプ ネットワーク サイズ変更後のパイプ ネットワーク

[パイプをサイズ変更し、インバートをリセット][エネルギー勾配線と動水勾配線を計算]、および[集排水口解析]の 3 つの解析タイプを選択できます。

この計算は、次のドキュメントに基づいています。『Urban Drainage Design Manual Third Edition, Hydraulic Engineering Circular No. 22』(略称 HEC-22、米国運輸省連邦高速道路局)。

ワークフローの前提条件

実行する解析のタイプに応じて、解析を実行する前にいくつかの前提条件を満たす必要があります。

既定の設定を指定する

支流域およびパイプに対して手動で指定する必要がある設定、または解析の計算で値として使用される設定は、[設定]ページで既定として事前に設定しておくことができます。このダイアログ ボックスを開くには、[一般]ページで[設定]ボタンをクリックします。

[フィーチャ設定を編集 - 構造物]ダイアログ ボックスで構造物の既定の設定を指定できます。

注: 排水溝の構造パラメータをマッピングする機能が追加されたことにより、[フィーチャ設定を編集 - 構造物]ダイアログ ボックスの[パーツ ビルダの構造物向けの集排水口の既定値]セクションから[フレーム寸法を使用]設定が削除されました。排水溝の構造パラメータ マッピングの詳細については、「自然流下式ネットワーク解析の排水溝の構造パラメータをマッピングするには」を参照してください。

パーツ ビルダで作成されたパーツのパラメータ マッピング

パーツ ビルダで作成されたパーツのパラメータを、[自然流下式ネットワークの解析]コマンドに必要なパラメータにマッピングできます。

パラメータをマッピングし、それらを既存のパイプ ネットワーク内の構造物に適用することにより、[自然流下式ネットワークの解析]コマンドを使用しているときに、値を手動で指定する必要がなくなります。

詳細については、「自然流下式ネットワーク解析の排水溝の構造パラメータをマッピングするには」を参照してください。

注: Infrastructure Parts Editor で作成したパーツには、[自然流下式ネットワークの解析]コマンドに必要なパラメータが既に設定されており、マッピングは必要ありません。

ネットワークの詳細情報

[自然流下式ネットワークの解析]ダイアログ ボックスの[ネットワークの詳細]ページを使用して、選択した解析タイプに関連したネットワークの詳細情報を確認および変更します。

選択した解析タイプを実行できない場合は、[自然流下式ネットワークの解析]ダイアログ ボックスの[一般]ページの[ネットワークの詳細]ボタンの下にエラー メッセージが表示されます。

ネットワークの詳細情報の一部を確認する必要がある場合は、[一般]ページの[ネットワークの詳細]ボタンの下に警告メッセージが表示されます。

[ネットワークの詳細]ボタンをクリックすると[ネットワークの詳細]ページが開き、そこでエラーおよび警告を確認し、ネットワークの詳細設定を変更することができます。

詳細については、「[ネットワークの詳細]ページ([自然流下式ネットワークの解析]ダイアログ ボックス)」を参照してください。

解析結果

[自然流下式ネットワークの解析]ダイアログ ボックスで[解析]ボタンをクリックすると、[結果]ページが表示されます。

解析結果を示すために、視覚キューおよびツールチップが表示されます。

結果テーブルで行を選択すると、選択した行のパイプおよび構造物に関する詳細情報が右側のパネルに表示されます。

詳細については、「[結果]ページ([自然流下式ネットワークの解析]ダイアログ ボックス)」を参照してください。

パイプ ネットワーク パーツの置換

[パイプをサイズ変更し、インバートをリセット]解析タイプの場合、[自然流下式ネットワークの解析]コマンドは代替パーツがないか現在のパーツ カタログをチェックします。必要なパーツ サイズがカタログ内に存在するが現在のパーツ リスト内には存在しない場合、パーツの置換後に、そのパーツ サイズが現在のパーツ リストに追加されます。

解析結果に基づいて別のパーツ サイズが必要であると判断された場合、そのサイズがパイプの元のファミリに対して照会されます。そのうえで、必要なサイズがそのファミリ内に存在しない場合、パイプ ネットワークで使用されている他のパーツ ファミリに対して照会されます。これにより、あるパイプ マテリアルが別のマテリアルに変更される場合があります(ただし、別のマテリアルがパイプ ネットワーク内で既に使用されている場合にのみ起こりえます)。

条件 1 条件 2 動作結果
元のパーツが 18 インチのコンクリート パイプであり、解析結果に基づいて 12 インチのパイプが使用できると判断された場合 かつ、12 インチのコンクリート パイプがパーツ カタログに存在する場合 12 インチのコンクリート パイプが使用されます。
元のパーツが 12 インチのコンクリート パイプであり、解析結果に基づいて 10 インチのパイプを使用できると判断された場合 かつ、10 インチのコンクリート パイプがパーツ カタログに存在しない場合 10 インチのパイプは、パイプ ネットワークで使用されている他のパーツ ファミリに対して照会されます。
注: 推奨されるサイズのパーツを使用するためにパイプ マテリアルが別のマテリアルに変更されても、通知は行われません。パイプ マテリアルを確認するには、パイプ レポートを出力するか、パイプのマテリアルを表示する列を含むテーブルを図面内に作成します。

サイズ変更後の調整

  • パイプ ルールの適用先のパイプ ネットワークに結果を適用した後は、[ツールスペース]の[プロスペクター]タブでパイプを確認し、ルールが破綻していないかを確認することをお勧めします。
  • 吐き口構造物の位置や標高を目的の曲率値に一致するように修正する必要があります。