製造用図面を作成するには、フラット パターンを使用します。フラット パターンは、形成前のシート メタル パーツの形状です。
曲げライン、曲げゾーン、パンチ位置の他、すべての曲げを展開し曲げ係数を考慮したパーツ全体の形状がフラット パターンに表示されます。
[フラット パターンを作成]を使用すると、シート メタル パーツ フィーチャ ブラウザ内でフラット パターンを作成できます。モデルがフラット パターン状態で表示されている間、次のような一連のフラット パターン編集コマンドがアクティブになります。
シート メタル パーツを標準パーツに変換すると、シート メタルのフラット パターンは自動的に削除されます。シート メタル パーツのフラット パターンを削除する場合は、関連する図面のフラット パターン ビューもすべて削除します。
[フラット パターンを作成]を実行すると、3D シート メタル モデルの展開に必要な材料とレイアウトが計算されます。
パーツ ブラウザにフラット パターン ノードが表示され、このノードがアクティブになっている場合、フラット状態のモデルが表示されます。フラット パターンを作成した後で、折り曲げた状態とフラット状態を切り替えることができます。
3D モデルを編集すると、フラット パターンは自動的に更新されます。モデルを修正したことでフラット パターンが無効になった場合、フラットパターン内に存在するエラー状態を示すダイアログ ボックスが表示されます。エラー状態を確認して作業を続行することができますが、エラー状態が修正されるまではエラーの警告が残ります。
ルーバーやくぼみなど、材料を変形する必要があるフィーチャでは、フラット パターンを作成できません。これらのフィーチャは、[パンチツール]コマンドでシート メタル面の上に配置すると、フラット パターン上に 3D フィーチャとして表されます。このようなフィーチャは、選択したスケッチを使用して表示することも、中心マークによって表示することもできます。スケッチ フィーチャや配置フィーチャは、シート メタル パーツに追加したときにどのように表示されるか予測不可能です。これらの形状をシート メタル パーツに追加するときには、[パンチツール]を使用してください。
モデルを展開できない場合(たとえば、フランジ フィーチャがフラット パターン内で重なっている場合)、警告ダイアログ ボックスが表示され、交差しているフィーチャが示されます。ダイアログ ボックスで[編集]または[キャンセル]をクリックするか、[適用]をクリックして交差のエラーを無視することができます。[適用]をクリックした場合、フィーチャが交差した状態でフラット パターンに展開されます。後から曲げモデルにフィーチャを作成する際に、フラット状態で交差するフィーチャを編集するまで、このダイアログ ボックスが表示されます。
物理 iProperty(質量と体積およびその他を含む)は、モデルの折り曲げ状態またはフラット状態によって計算が異なります。フラット パターンにある代替パンチ穴リプレゼンテーションは、最後に計算されたモデルの状態(折り曲げ状態または編集されているフラット状態)と同様に、物理 iProperty に影響を及ぼします。
フラット パターンは、SAT ファイル、AutoCAD の DWG ファイルまたは DXF ファイルにエクスポートすることができます。DWG 形式または DXF 形式で保存されたフラット パターンのために、完全な画層サポート(色、線種、線幅)が提供されています。
フラット パターンを作成するときに、リボンの[A 側面を定義]コマンドを使用して、シート メタル パーツの任意の面を上面としてマークすることができます。A 側面はパンチ穴方向を示すためにハイライト表示されます。フラット パターンの作成時に A 側面を指定しなかった場合は、A 側面が自動的に作成され、ブラウザのエントリが追加されます。
フラット パターンが存在しない場合は、A 側面を削除できます。フラット パターンの方向を変更すると、ブラウザ ノードを選択したときにハイライト表示される A 側面に反映されます。変更を行った結果、A 側面の計算に失敗した場合は、A 側面のブラウザ ノードを右クリックして、新しい A 側面を選択することができます。選択後に、新しい A 側面のブラウザ ノードが表示されます。
右クリック メニューのオプションを使用して、A 側面のハイライト表示を設定したり、方向、パンチ穴リプレゼンテーション、曲げ角度計測を調整することができます。[A 側面を表示]コマンドをクリックすると、すべての A 側面をドキュメントの選択済みセットに追加できます。
シート メタル iPart の各種メンバ ファイルでは、それぞれのフラット パターンの方向を一意にすることが必要になる場合があります。一意の名前を付けたフラット パターンの方向を保存することにより、iPart テーブルに方向を指定できます。
これらの表示オプションは、フラット パターンに追加されたパンチ穴フィーチャには使用できません。[iFeature]を使用して曲げモデルに配置された 3D フィーチャは、モデル作成時の状態で表示されます。このようなフィーチャが材料を除去する場合(カットなど)、フラット パターンはフラットなシート ストックを正確に表します。このようなフィーチャが材料を追加する場合、フィーチャはフラット パターン上にモデル作成時の状態で表示されます。
リボンの[シート メタル]タブのコマンドを使用して、製造を支援するフィーチャをフラット パターンに追加できます。モデルがフラット パターンとして表示されているときにフィーチャを追加すると、フィーチャはパーツ モデルの一部になりません。このようなフィーチャは、モデルが折り曲げた状態に戻ったときにパーツ フィーチャの履歴ツリーに表示されません。
図面マネージャでは、フラット パターンを使用してフラット パターン ビューが作成されます。フラット パターンを削除すると、そのビューは失われます。
フラット パターンの図面を作成するときは、方向を示す曲げ注記やパンチ穴の注記はモデルに表示されるフラット パターン ビューを基準にして方向を示すことに注意してください。[上へ]は表示されている(または名前が付けられた)ビューを基準にして近づく方向であり、[下へ]は表示されている(または名前が付けられた)ビューを基準にして離れる方向です。
物理 iProperty(質量と体積およびその他を含む)は、モデルの折り曲げ状態またはフラット状態によって計算が異なります。フラット パターンにある代替パンチ穴リプレゼンテーションは、最後に計算されたモデルの状態(折り曲げ状態または編集されているフラット状態)と同様に、物理 iProperty に影響を及ぼします。
フラット パターンを作成するには、フラットなシート ストック上に一定量の材料が必要です。この材料のフット プリントは、フラット パターンの方向によって長さや幅が異なります。これらのプロパティは、フラット パターンの更新または方向の変更が行われるたびに更新されます。
Inventor では、長さ、幅、面積は、図面マネージャ(および API 経由)で[フラット パターンの範囲の長さ]、[フラット パターンの範囲の幅]、[フラット パターンの範囲の面積]として一覧表示される[シート メタル プロパティ]として使用できます。