概要 - スライド

スライドは、図面の「スナップショット」です。スライドには、ある時点での図面のイメージが含まれていますが、図面ファイルではありません。

スライド ファイルを現在の図面に読み込んだり、スライドの編集や印刷を行うことはできません。スライドは、表示できるだけです。

スライド ファイルは、次のように使用できます。

スライドを作成するには、現在のビューをスライド形式で保存します。モデル空間で作成したスライドには、現在のビューポートだけが表示されます。一方、ペーパー空間で作成したスライドには、すべての表示ビューポートとその内容が表示されます。スライドに表示されるものは、画面上に表示されていたものだけです。つまり、表示オフの画層やフリーズした画層、または非表示にしたビューポート内のオブジェクトは表示されません。

スライド ファイルを表示すると、画面上のオブジェクトが一時的にスライド ファイルの表示に置き換わります。その上に作図することはできますが、(再描画、画面移動、ズームなどによって)ビューを変更すると、スライド ファイルは消え、事前に描画したものと既存のオブジェクトだけが表示されます。

スライドは、1 つずつ表示することも、スクリプトを使用して連続的に表示することもできます。また、スライドはカスタム イメージ タイル メニューで使用することもできます。たとえば、頻繁に使用する機械部品を含むブロックを挿入するスクリプトを作成した場合、それぞれの部品をスライドで示すカスタム イメージ タイル メニューを作成することができます。タイル メニューのスライド イメージをクリックすると、図面にブロックが挿入されます。

複数のスライドをスライド ライブラリに編成することができます。スライド ライブラリ ファイルは、カスタム イメージ タイル メニューを作成したり、複数のスライド ファイルを結合してファイルの管理を容易にするために使用します。

スライドの内容を編集することはできません。編集したい場合は、元の図面を変更して、スライドを再作成する必要があります。スライド ファイルの作成時に低解像度のグラフィックス モニタを使用し、後で高解像度のモニタにアップグレードした場合でも、そのスライドを表示できます。ただし、スライドで新しいモニタの性能を充分に発揮するためには、元の図面からスライド ファイルを作成し直す必要があります。

スライドを表示する

VSLIDE[スライド表示]コマンドを使用して、スライドを個別に表示できます。プレゼンテーションで一連のスライドを表示するには、スクリプト ファイルを使用します。

スライドは通常の図面と同じように見えるので、スライドを表示中に編集コマンドを使用する場合は注意する必要があります。編集コマンドは、スライドそのものではなく、スライドの背後にある現在の図面に影響を与えます。

コマンドによっては強制的に再描画を行うものがあるため、スライドの表示が除去されることがあります。

スライド ライブラリ

SLIDELIB ユーティリティを使用すると、個々のスライド ファイルからスライド ライブラリを作成できます。スライド ライブラリを設定した後は、スライド ライブラリとスライドの名前を指定することで、スライドを表示できます。

スライド ライブラリを作成した後は、作成元のスライドを削除しないでください。SLIDELIB ユーティリティは、いったん作成したスライド ライブラリを更新することはできません。スライドを追加または削除する場合は、スライド リスト ファイルを更新し、SLIDELIB ユーティリティを使用してライブラリを再作成します。ライブラリを再作成するときは、ライブラリに含めるスライド ファイルがすべて存在していなければなりません。