実習 2: トラバース解析を実行する

この実習では、トラバース解析のコンパス法による調整法を用いて、測量データを簡約化します。

コンパス法は、閉合誤差に対して、観測角度の誤差が測定距離の誤差と同程度に寄与すると想定した補正方法です。トラバース全体の長さと線の長さの比率に基づいて、緯度と経距の閉合誤差が分散されます。

この実習は、「実習 1: 測量データに対してクエリーを実行する」から継続しています。

トラバースを設定する

    注:

    この実習では、前の実習で変更を加えた Survey-3.dwg を使用します。

  1. [ツールスペース][測量]タブで、[測量データベース] Survey 1 [ネットワーク]Survey Network 1 を展開します。[トラバース]コレクションを右クリックします。[新規作成]をクリックします。
  2. [新規トラバース]ダイアログ ボックスで、[名前]Traverse 1 と入力します。[OK]をクリックします。
  3. [測量]タブで、Traverse 1 をリスト ビューで右クリックし、[プロパティ]をクリックします。
  4. [トラバース プロパティ]ダイアログ ボックスで、次のパラメータを指定します。
    • [最初の測点]: 1
    • [最初の後視]: 1000
    • [測点]: 2,3,4,5,6
    • [最後の前視]: 6000
  5. [OK]をクリックします。

トラバース解析を実行する

  1. [測量]タブで、Traverse 1 をリスト ビューで右クリックします。[トラバース解析]をクリックします。
  2. [トラバース解析]ダイアログ ボックスで、次のパラメータを指定します。
    • [水平調整方法]: [コンパス法]
    • [鉛直調整の方法]: [長さ加重分布]

      他のプロパティについては既定値を使用します。

  3. [OK]をクリックします。

    解析が実行され、次に示すファイルが ASCII テキスト エディタに表示されます。

    • Traverse 1 Raw Closure.trv: 水平閉合および角度誤差が表示されます。
    • Traverse 1 Vertical Adjustment.trv: 鉛直調整の方法に基づく、未処理標高および調整済み標高のレポートが表示されます。
    • Traverse 1 Balanced Angles.trv: 角度誤差のバランス調整により導かれた調整済みの測点座標および角度誤差のない水平閉合が表示されます。
    • Traverse 1.lso: [水平調整タイプ]の設定(コンパス法)に基づいて調整された測点座標が表示されます。
  4. テキスト ファイルをすべて閉じます。

    [ラインワークを処理]コマンドを使用して、新しいトラバース情報で図形を更新するように伝えるダイアログ ボックスが表示されます。測量ラインワークの再処理は手動による操作です。次の手順では、ラインワークを更新する方法について学習します。

  5. [測量ネットワーク更新]ダイアログ ボックスで、[閉じる]をクリックします。
  6. [ツールスペース][測量]タブの[読み込みイベント]で、Survey-1.fbk を右クリックします。[ラインワークを処理]をクリックします。

    [ラインワークを処理]ダイアログ ボックスを使用すると、測量データに修正を加えた後に測量ネットワークのラインワーク接続性を再処理することができます。

    トラバース解析が終了すると、測量データベースが更新され、トラバースを参照するデータが次のように調整されます。

    • 観測された測点ポイントが更新され、[コントロール ポイント]コレクションに追加されます。
    • トラバースにおいて、調整された設定に基づくすべてのサイド ショットが更新されます。
    • トラバースにおいて、ポイントを参照するすべての測量図形が更新されます。
    • 上記データは、現在の図面に表示されているものも含め、すべて更新されます。

    後の実習でこの測量データベースに対して他の解析を実行するため、ラインワークは再処理しません。

  7. [キャンセル]をクリックします。
  8. [ツールスペース][測量]タブで、[コントロール ポイント]コレクションを選択します。右クリックします。 [調整済み座標をリセット]をクリックします。

    この操作により、調整済みの座標がリセットされ、次の解析に進むことができます。

このチュートリアルを続けるには、「実習 3: 最小二乗解析を実行する」に進んでください。