最初のプーリは駆動プーリであるとみなされます。残りのプーリは、被駆動プーリかアイドラーです。入力動力は、各プーリ動力比係数を用いて複数の被駆動プーリ間で分割できます。それに応じて力とトルクが計算されます。平プーリは、アイドラーとみなされます。
稼動係数 c P
総稼働係数は、負荷、加速、疲労など稼動時に発生するベルト寿命短縮の係数を補正するのに必要な安全率を考慮してます。負荷係数は駆動機械および被駆動機械の種類によって違ってきます。加速の追加係数 c pa は加速比 > 1.24 の場合に考慮に入れることができます。下の表を確認してください。疲労の追加係数は、1 日当たりの稼働時間と通常ではない稼動状況を考慮に入れます。
加速比 1/i |
c PA |
1.00 - 1.24 |
0.0 |
1.25 - 1.74 |
0.1 |
1.75 - 2.49 |
0.2 |
2.50 - 3.49 |
0.3 |
3.5 以上 |
0.4 |
歯のかみ合い係数 k z
歯のかみ合い係数は、歯付きプーリの zc に接している歯の数を考慮に入れます。その歯付きプーリに接している歯が 6 より少ない場合、ベルト動力の能力に大きな影響があります。アプリケーションは、ベルト駆動の全歯付きプーリの中から接触している歯の最小数を見つけ出し、次の規則に基づいて k z 係数を求めます。
z c ≤ 6 |
k z = 1 |
z c < 6 |
|
接触している歯の数は、各プーリの接触弧の角度に基づいて次のように求めます。
張力係数 k 1
張力係数はベルト初期張力の調整に用いるオプションです。ベルト駆動装置に負荷がかかった状態で動作すると、張り側と緩み側が生じます。初期張力があれば、緩み側がたるむことを防止し、確実に歯をかみ合わせることができます。ほとんどの場合、緩み側の張力が、有効な引く力{k 1 = 1.1 ~ 1.3}の 10% ~ 30% である場合に、歯付きベルトは最も良く動作します。
効率 η
適切に設計され、適用された場合、ベルト駆動装置の効率は通常、最大で 96% ~ 98% {η 0.96 ~ 0.98}です。この高い効率は、主に、かみ合わせ式でスリップのない特徴を有する歯付ベルトによるものです。ベルトの側面は薄いため簡単に曲がってしまい、ベルトで低い温度が増加することから分かるように低度のヒステリシス損失が生じます。
ベルト長さ補正係数 c L
ベルト長さ補正係数は、ベルトが長い場合のベルト定格動力の補正を考慮します。既定は 1.0 で、結果に影響は与えません。
結果の稼動係数 c PR
結果のサービス係数は次の式から求められます。指定トランスミッション レイアウトのベルト定格動力は、伝達する動力と比較されます。結果のサービス係数で、ベルト駆動装置がどの程度、設計とずれているか素早く確認できます。
c PR < c P |
強度チェック失敗 |
c PR ≥ c P |
強度チェック成功 |
c PR > c P |
トランスミッション レイアウトの変更を検討してください。違うベルトを用いるか、ベルト幅を小さくします。 |
使用される変数の意味:
z c |
指定プーリに接触している歯数[-] |
z |
指定プーリの歯数/ベルトの歯数[-] |
β |
接触弧[度] |
P |
伝達する動力[W] |
P R |
指定トランスミッション レイアウトのベルト定格動力[W] |
c p |
稼働係数[-] |