[障害パラメータ](Obstacle Parameters)ロールアウト(ベクトル フィールド スペース ワープ)

ベクトル フィールドは障害オブジェクトの周りに生成されます。ベクトル フィールドを使用すると、群集メンバがシーン内の障害オブジェクトを回避できるようになります。ベクトル フィールドは、3 次元配列のベクトルで構成され、障害オブジェクトの周りにある代理オブジェクトなどのオブジェクトをガイドします。このロールアウトの設定値は、ベクトルの生成、表示、他のオブジェクトへの影響を決定します。

注: オブジェクトがベクトル フィールドのフォースの対象となるのは、群集オブジェクトと共にフィールドにバインドされた場合だけです。一般的な使用法のガイドとして、「代理オブジェクトを使用してベクトル フィールド スペース ワープを使用するには」を参照してください。

インタフェース

[表示](Display)領域

この領域のチェック ボックスを使用して、ベクトル フィールド スペース ワープ の 4 種類の要素の表示を有効または無効にすることができます。

注: ビューポートで範囲表示を除くベクトル フィールドの任意の可視要素上をクリックしてベクトル フィールド スペース ワープを選択できます。 4 つの要素の表示をすべてオフにした場合でも、ギズモをクリックしてスペース ワープを選択することができます。ギズモは、「トップ ビュー」(ワープが作成された正投影ビューポート)で見ると、X の形に交差した 1 対の両端に矢じりのある矢印のように見えます。
ラティスを表示
ベクトル フィールド ラティスを、黄色のワイヤフレーム ボックスとして表示します。既定値ではチェックマークが付いています。

ベクトル フィールド範囲内のラティス交差部でベクトルが生成されます。

範囲を表示
障害物オブジェクトについてのボリュームを、オリーブ色のワイヤフレームで表示します。ベクトルもこのボリューム内で生成されます。既定値ではチェックマークが付いています。

この範囲は障害物オブジェクトと同じシェイプとサイズから始まり、通常は[ベクトルの計算](Compute Vectors)領域 [範囲](Range)設定を使用して拡大されます。

ベクトル フィールドを表示
ベクトルを表示します。ベクトルは、範囲ボリューム中のラティスの交差部から外部へ放射する青いラインとして表示されます。既定値ではチェックマークが付いていません。
サーフェスのサンプルを表示
障害物オブジェクトのサーフェス上のサンプル ポイントから放射される短い緑のラインを表示します。既定値ではチェックマークが付いていません。

このラインは、ベクトル フィールドの計算後でなければ、表示されません。詳細については、「分解サンプリング」を参照してください。

ベクトル スケール
ベクトルを見やすくするか、または目立たないようにするためにスケールします。既定値は 1.0 です。
注: この設定値は、見え方を変えるだけで、ベクトルの強度には影響を与えません。
アイコン サイズ
ベクトル フィールド スペース ワープ アイコンのサイズを調整します。アイコンは 1 対の交差した両端に矢じりのある矢印です。ビューポートで選択しやすくなるように、サイズを大きくしてください。既定値は、ビューポートに元々描画されたサイズです。

[フォース](Force)領域

以下のパラメータは、ベクトル フィールドがそのボリューム内で他のオブジェクトに与える影響を決定します。

[フォース](Force)領域の設定値を変更するために、ベクトル フィールドを再計算する必要はありません。

注: ベクトル フィールドは、代理オブジェクトまたはパーティクルが障害物から特定の距離を保つことを保証するものではありません。[強度](Strength)、[フォールオフ](Falloff)、[引っ張り](Pull)の設定値をアニメートして、代理オブジェクトがベクトル フィールドの範囲内に保持されるようにする必要がある場合もあります。
強度

ベクトル フィールドに入るオブジェクトの動きに対してベクトルが及ぼす効果の度合いを設定します。[ベクトル フィールドを表示](Show Vector Field)がオンの場合、[強度](Strength)を調整するとビューポートでのベクトル ラインのサイズがリアル タイムに変化します。既定値は 1.0 です。

注: 強度の変更後、ベクトルが大きすぎたり、小さすぎたりする場合があります。このような場合には、[ベクトル スケール](VectorScale)パラメータを調整して、適切に表示されるようにします。
フォールオフ
オブジェクトのサーフェスから離れるにつれてベクトルの強度が弱くなるレートを指定します。既定値は 2.0 です。

値が 0 の場合、すべてのベクトルのサイズは同じになります。値が 0 より大きい場合は、オブジェクトのサーフェスから遠ざかるにつれて小さくなります。値が 0 より小さい場合は、遠ざかるにつれて大きくなります。

平行/垂直
ベクトルによって生成されたフォースが、ベクトル フィールドに平行に作用するか、それとも垂直に作用するかを設定します。既定値は、垂直です。

ベクトルがオブジェクトのサーフェスに垂直である上、代理オブジェクトをサーフェスに平行に移動させるのが一般的なので、たいていは、垂直方向のフォースを使用します。

引っ張り
オブジェクトの位置をフィールドに対して調整します。この機能は、[垂直](Perpendicular)を選択した場合にのみ有効です。既定値は 0.0 で、範囲は -1.0 ~ 1.0 です。

ベクトル フィールドに垂直に移動するオブジェクトは、サブサンプル不足から、ときどき進路をそれる傾向があります。[引っ張り](pull)(pull)パラメータを使うと、オブジェクトを元に戻すことができます。[引っ張り]値が 0 より大きい場合、ベクトル フィールドのベクトルのソースに向かって引っ張るフォースが生成されます。[引っ張り](pull)値が 0 より小さい場合、ベクトル フィールドのベクトルが向かっている方向に引っ張るフォースが生成されます。値が 0.0 の場合、ベクトル フィールドのベクトルに完璧に垂直なフォースが生成されます。

[ベクトルを計算](Compute Vectors)領域

ベクトル フィールド オブジェクト

障害物オブジェクトを指定できます。このボタンをクリックし、周りにベクトル フィールドを生成するオブジェクトを選択します。この手順の後は、オブジェクトの名前がボタン上に表示されます(ラベルの初期値は[なし](None))。

注: 障害物として使用できるのは、プリミティブと修正していない編集可能メッシュ オブジェクトだけです。また、このオブジェクトは ベクトル フィールドのラティス内で完全に閉じている必要があります。
範囲
ベクトルが生成されるボリュームの範囲を指定します。既定値は 1.0 です。

範囲は、オリーブ色のワイヤフレームとしてビューポートに表示されます。最初は、障害オブジェクトと同じサイズ、同じ形状で表示されます。[範囲](Range)設定を大きくすると、ワイヤフレームは、障害オブジェクトからそのサーフェスの法線の方向に遠ざかります。

群集シミュレーションでは、代理オブジェクトが障害物を見始めて、その回避を開始するところが[範囲](Range)のアウトラインです。群集のメンバが障害物に侵入したり、迂回する前に近づきすぎたりする場合、[範囲](Range)設定を大きくしてください。また、[ベクトル フィールド](Vector Field)(Vector Field)ラティスの解像度または[分解サンプリング](Sample Res)(Sample Res)設定、あるいはその両方を増やしてみてください。

分解サンプリング
障害オブジェクトのサーフェスで使用する効果的なサンプリング レートの乗数として作用し、フィールドのベクトルの方向を計算します。既定値は 1 です。

基本的なサンプリング レートは、ラティスのサイズと各ポリゴンのサイズを基に、3ds Max によって決定されます。

反転面を使用
反転した法線をベクトル フィールドの計算に使用するようにします。既定値ではチェックマークが付いていません。

既定値では、ベクトルは障害物オブジェクトの面法線と同じ方向に生成されます。その面法線は外を指していて、群集シミュレーション中のオブジェクトはその外部を動き回ると仮定されているからです。しかし、障害物オブジェクトの内部にオブジェクトを保持する場合は、[反転面を使用](Use Flipped Faces)オプションをオンにします。

ヒント: オブジェクトの内部で群集シミュレーションを実行していて、そのオブジェクトも内部から見られている場合(たとえば「部屋」)には、オブジェクトの面を内向きにします。この場合、[編集可能メッシュ](Editable Mesh)/[メッシュを編集](Edit Mesh) [サーフェスのプロパティ](Surface Properties)を使用して法線を反転し、[反転面を使用](Use Flipped Faces)はオンにしないでください。
計算
ベクトル フィールドを計算します。

[フォース](Force)領域のパラメータを除いて、パラメータの変更後は常にベクトル フィールドが再計算されます。

[ブレンド ベクトル](Blend Vectors)領域

[ブレンド ベクトル](Blend Vectors)パラメータは、近接するベクトルの角度の突然変化を低減するためのものです。たとえば、オブジェクトのサーフェスが波状の場合、たるんだベクトルが生じ、それがシミュレーションに影響を与える場合があります。[ブレンド ベクトル](Blend Vectors)を使用してこの状態を修正します。

開始位置
ベクトルのブレンドを開始する場所のオブジェクトからの距離です。既定値は 0.0 です。
フォールオフ
取り囲むベクトルのブレンドのフォールオフです。既定値は 2.0 です。
ブレンド セグメント X
X 軸でブレンドされる隣接するラティス ポイントの数です。既定値は 1 です。
ブレンド セグメント Y
Y 軸でブレンドされる隣接するラティス ポイントの数です。既定値は 1 です。
ブレンド セグメント Z
Z 軸でブレンドされる隣接するラティス ポイントの数です。既定値は 1 です。
ブレンド

クリックするとブレンドが実行されます。