概要 - CAD 標準仕様ワークフロー(ActiveX/CSP)

プラグインの開発者は、ユーザが図面の監査に使用する方法、および適切に応答する方法を知っている必要があります。

いかなる場合でも、最初のステップは、プラグインのために、1 つまたは複数の特定のオブジェクト タイプのオブジェクト フィルタ配列を設定することです。その後の処理は、開始される監査のタイプによって異なります。

通知

ユーザは、CAD 標準仕様機能を設定して、標準仕様に適合しないオブジェクトを作成した場合にリアルタイムのフィードバックが提供されるようにすることができます。この場合、プラグインは AutoCAD から ObjectARX の通知を受け取ります。ユーザがオブジェクトをプラグインに対して作成すると、CAD 標準仕様フレームワークによってこれらのオブジェクトが収集され、プラグインに送信されます。

プラグインは、オブジェクトの適合をチェックし、エラーごとにエラー オブジェクトを作成します。フレームワークは、エラー オブジェクトを取得し、ユーザにエラー通知を送信します。ユーザがエラーを修正することを選択すると、フレームワークはこれをプラグインに通知します。プラグインは、各エラーに対して修正オブジェクトを作成し、フレームワークに戻します。フレームワークは、ユーザに修正を表示します。ユーザが修正を選択すると、フレームワークはエラー オブジェクトの ApplyFix メソッドを呼び出します。これが、すべてのエラーに対して続行されるか、ユーザーが処理をキャンセルするまで続行されます。

CHECKSTANDARDS[標準仕様を確認]コマンド

ユーザは、AutoCAD の CHECKSTANDARDS[標準仕様を確認]コマンドを使用して図面の監査を開始できます。この場合、CAD 標準仕様フレームワークが、データベース全体を有効化されたプラグインにに渡します。プラグインがエラー オブジェクトを作成し、フレームワークがすべての使用可能な修正を収集します。見つかったエラーは、次々にダイアログ ボックスに表示されます。ユーザが修正を選択すると、フレームワークはエラー オブジェクトの ApplyFix メソッドを呼び出します。これが、すべてのエラーが修正されるまで、またはユーザが処理をキャンセルするまで続行されます。

次に、CHECKSTANDARDS コマンドの使用中に実行されるメソッドと実行される順番の概要を示します。

Initialize()
GetObjectFilter()
SetupForAudit()
SetContext()
Start()
   [Check Standards dialog box is displayed]
  Next()
  Done()
Clear()

図面ファイルを作成しているまたは開いているときに、CAD 標準仕様フレームワークによって、リアルタイムの確認をサポートするためにいくつかのメソッドが実行されます。メソッドとメソッドが実行される順番は次のとおりです。

Initialize()
GetObjectFilter()
SetupForAudit()

図面で CAD 標準仕様プラグインを有効にすると、Clear メソッドが実行されます。

バッチ標準チェッカー

ユーザは、バッチ標準チェッカーを使用した複数の図面の確認を選択することができます。この場合、プラグインは、各図面で指定されるか(既定値)、バッチ標準チェッカーで指定されます。バッチ標準チェッカー(ホスト アプリケーション)が、確認する図面のリストを管理します。

CAD 標準仕様フレームワークは、図面を開き、これを関連するプラグインに渡します。プラグインはエラー オブジェクトと修正オブジェクトを作成し、作成されたオブジェクトはフレームワークによって収集されます。バッチ標準チェッカー アプリケーションは、結果のコレクションを 1 つづつ確認してレポートを作成します。このレポートには、各プラグインの作成者と説明のフィールドが表示されます。

注: バッチ標準チェッカーは、修正を適用するオプションは提案しません。

次に、バッチ標準チェッカーを使用したエラーのチェック中に実行されるメソッドとメソッドの実行順序の概要を示します。

Initialize()
GetObjectFilter()
SetupForAudit()
SetContext()
Start()
  Next()
  Done()
WritePluginInfo()
CheckSysvar()
Clear()